HA06C:幻遊者:木戸焔(きど・ほむら)

創作とTRPGで架空世界を遊ぶ語り部での企画、HA06の登場キャラクターのデータです。

幻遊者:木戸焔(きど・ほむら) 基本情報

タイプ名
幻遊者
名前
木戸焔(きど・ほむら)
担当者
亜紗
登録更新日
2006-07-06

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キャラクターシート

□□□□□□□□ 語り部 キャラクター記録用紙 電子版 □□□□□□□□
☆狭間06:幻遊者                  亜紗
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- 個人情報 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
☆氏名:木戸 焔(きど ほむら) ☆性別:男
☆身長:172cm           ☆体重:63kg
☆生年月日:1989/07/03      ☆年齢:16歳(2005/08/22)
☆親族:
 父母・兄・妹 その他、祖父母や親戚が大勢

☆経歴:
 幼い頃、彼は、いじめに遭っていた。
 現代ほど陰険ではない。が、それでも、年端も行かない彼の心を苦しめるのには十分だっ
た。
 だが、彼は、卑屈ではなかった。
 彼が理不尽な扱いを受ける。すると、彼は、その扱いに等しい行動でもって返した。
 彼が問答無用の謂れをする。すると、彼は、その謂れに等しい行動でもって返した。
 やがて、『等しい行動』は、『十倍返し』と形を変え、彼が度胸のない者から受ける被
害の数は減った。代わりに、相手は少数精鋭となり、質だけは増していった。
 その後、何があろうと、誰も彼を助けようとしなかった。さらには、不穏な空気が満ち
る度に、犯人は彼だと言われる始末だった。

 しかし、降り続ける雨はいつか止むもの。心苦しめた出来事も、理不尽な謂れも、少数
精鋭の邪念も終わりを告げた。
 彼は、怒りを静める方法の代わりに、怒りを起こさない術を身につけた。誰かがいる前
では最低限の会話しかしなくなり、最低限の行動しか取らなくなった。笑い話に誰もが笑
う中、一人だけ無表情を保った。誰もが涙を流すような感動話に、眉毛一つ動かさなくなっ
た。
 彼は、以前とは違う意味で忌み嫌われるようになり、いつしか、完全に一人でいるよう
になった。

 一人でいたから、いたかったから、誰にも会おうとしなかった。会おうとも思わなかっ
た。
 遊ぶ時も、そうだった。誰もいなさそうな場所、誰もいなさそうな時間に、一人で訪れ
た。
 例えば、それは、大量のゴミが打ち揚げられた海岸だったり、枯れ葉の積もった遊歩道
だったり、静かな静かな神社だったり。
 おおよそ、人の影が見えない場所で、日が傾き、影が伸び、その黒い分身が闇に飲まれ
るまで、たった一人で遊んでいた。
 そして、何をするにも、一人だった。
 日常生活の小さな悩みから、集団生活に支障をきたす事まで、誰も気づかぬフリをして、
助けようとしなかった。
 そして、全てを自分一人で片付けるようになった。
 怒りという苦しみが、いつしか、寂しさと名を変えていた。
 しかし、その苦しみを感じる心を、彼は、すでに失っていた。

 そんな中、時を経る度に変わっていく物があった。
 初めは、何か浮いている物があると思うだけだった。しかし、そのうちに、感じる以上
に見えるようになった。
 それは白かったり、赤かったり、青かったり……。発光もすれば、色は様々だった。形
も、ぼやけていたり、何かの動物や、見覚えのある物体だったりした。動くものもいれば、
静止している物もあった。
 不思議な、光景だった。

 いつしか、彼は、それらと一緒に遊ぶようになった。
 海岸へ行けば、浮遊する球体がいた。遊歩道を歩けば、たくさんの小動物達がいた。神
社には桜が舞い踊るように、さまざまな物が一面を飾っていた。
 ただ、これは、誰にも見えていないようだった。自分以外の、誰にも。
 そして、それが彼の日常と化していった。

 それから数年。人間ではないにしろ、『友達』のようなものを持った彼は、どんどん人
間らしくなって行った。小学校卒業次点では、すでに『普通』と言われてもおかしくない
ほどとなった。
 それは、とても遠回りな『普通』だった。
 そして、年を取るごとに、そのなんだか分からないものも、やがてはっきりと姿形を見
られるようになった。海岸で浮遊する球体は、どこか火の玉のようであった。遊歩道を歩
いている小動物は、皆どこかしらに致命傷を負っているようだった。神社に降る桜のよう
なものは、貝殻を砕いたような破片らしかった。
 さらに、彼は、見たくない物は見ないようにする事もできるようになった。明らかに危
ないと思える物や、精神的に見ない方がいい物を見ないようにする事で、普通と呼ばれる
ようになった精神を守れるようになった。

 そんな彼も、ついには高校生となった。
 やっと得た平穏。それはどんどん彼を人間らしく彩っていった。
 冗談が言えるようになった。軽口が言えるようになった。人間の友達もできた。
 しかし、その背景には、手に入れる事ができた平和の代わりに、何かを得ようという態
度を捨てる事だった。
 人数の多い方に付き、勢力の強い方に付く。何を言われても、何をする事になっても、
決して、逆らおうとはしなくなった。
 ――全て、流されるままに。
 それが、たった一つの、平和を守る術となっていた。

 ある日、気の向くままに、昔訪れた神社へとやってきた。
 そこは、以前と何も変わっていなかった。人がいなさそうな時間を狙わずとも、日中で
あるにもかかわらず、人っ子一人いなかった。
 そう、人間はいなかった。
 何年生きたか分からないような巨木の傍、社の石造りの階段にひとがたの何かが座って
いた。
 その手には、布らしい物で包まれた『何か』を持っていた。
 そのひとがたは、彼が来るのを待っていたかのように、彼の姿を見つけると立ち上がて
近づいて行った。
 彼は、別段不気味にも思わず、そのひとがたが近づいてくるのをただ見ていた。
 人型は、彼の前までやってくると、手にしている物を押し付けるように彼に渡した。
 渡した瞬間、そのひとがたは、霧が霞んだように段々と姿が薄れていった。そして、そ
んな姿にもかかわらず、何かを伝えようと口を開いた。
「これは、あなた、の、為、に……」
 しかし、ようやく咲いた桜が散るように、成虫となったセミが息絶えるように、その姿
は恐ろしいスピードでぼやけていき、言い切る事もできずに消え去った。
 彼は、訳も分からず、そして、仕方なくその布を広げてみる。
 ――中から現れたのは、包丁ほどの大きさのナイフ、いや、短刀、と言える代物だった。
木製の柄を持つ一枚刃、そして、その刀身には、文字が刻まれていた。
 『炎(ホムラ)』と。

 ――彼が失った物は、平穏な幼い日々。
 ――彼が手に入れた物は、見えない物を見る技術。
 ――そして、自分にしか見えない短刀。

 ――沢山の物を失って、彼、『焔』は、高校生という新しい生活を営んでいく――。

-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 余力 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
余力総計[15]  体力[8] 集中力[7]
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 特徴 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
社会的特徴:日本人:1  吹利高校1年生:1
身体的特徴:左利き:1  冷笑:1  視力0.5:1  発声力:1
      聴力弱し:1  多い独り言:1
精神的特徴:演技派:1  躁鬱病気質:1  物事の奥を見る目:2  後ろ向き:1
      いじめられていた記憶:1  冗談好き:2  暑さに弱い:1
      寒さに強い:1
その他特徴:ゲーム好き:1  幼い頃の絵画賞賛暦:1
      嫌いな人はとことん嫌う:2
      限度を知らない:2  なんにでも手を出す:1  首も突っ込む:1
      噂好き:1  同族嫌悪:1  今時携帯をもっていない:2  眼鏡:1
      水泳:1  妙なネーミングセンス:1
一時的特徴:
交友関係 :桐村駿(愛称ボブ):1
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= 技能 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
複合的技能:キャラ画描き:8  小説書き:8  幻視:13  幻触:13
      幻聴(病気にあらず):13
行動系技能:運動能力:9  バスケ:8  ブラインドタッチ:10
      人付き合い:9  足が速い:10  両利き予備軍:9
      自己流剣術:10  無表情への高速切り替え:10
知識系技能:一般常識:9  PC専門知識:9  理数知識:9  言い回しの知識:9
      掃除・洗濯・料理の知識:9  作り笑顔の見分け:10  毒舌:10
生活技能 :レシピ通りの料理:10  レシピ以外の破壊的料理:10
      部屋掃除:9
      洗濯:9  なんだかよく分からないものとお友達:11
言語技能 :日本語:10  英語:8  フランス語:7
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- 所持品 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
衣類:規定の学生服  その他自分の服
道具:謎の短刀『ホムラ』
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作品リンク


関連リンク


連絡先 / TRPGと創作の語り部総本部