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向き合う男と女。
男の手には女から手渡されたラブレター。
男はしばし考え、それを女の手に戻す。
- 護牢:
- 「番長……じゃない、先輩の気持ちはありがたいが、これを受け取ることはできへん。」
女は戻された手紙をもう一度じっと見つめ、顔を上げる。
- 凛 :
- 「なぜだ?私に落ち度があるというなら教えてほしい、それを……」
すっと手を上げ、凛の言葉を遮る護牢。
- 護牢:
- 「先輩の責任やない」
- 凛 :
- 「じゃあ何故……」
沈黙。
凛の視線をまっすぐに受け止める護牢。
いつもは睨み合いにも見えるそれも、今は当人たちにしか分からない戸惑いがあった。
- 護牢:
- 「俺は……」
- 凛 :
- 「俺は?」
- 護牢:
- 「先輩とは生きる世界が違うんや。一時はよくても、必ず不幸にしてしまう。」
ふっと笑顔を見せる護牢。
強面が見せるその表情はいつになく優しい。
- 護牢:
- 「あんたのその真っ直ぐな視線は好きや。俺もできることならこの話を受けたいと思う。でもな」
視線をはずし空を仰ぐ。
頬に当たる風、空に流れる雲。
自分をじっと見つめている凛。
そして、今から口にする告白の言葉と決意をもう一度心の中で確認し、視線を戻す。
- 護牢:
- 「俺は極道“黒館組”の五代目組長、黒館護牢や。学校の門を出たら、先輩からみれば汚い世界も理不尽な生き死にの覚悟も受け入れて生きていかなあかん。」
- 凛 :
- 「……」
- 護牢:
- 「それにあんたを巻き込むわけにはいかん。だから」
分かってほしい。
先輩には悪いけど、これが侠なんや。
- 凛 :
- 「なるほど。己は人の業を背負い生きるから、近づけられないということか。それは確かに、私自身、供に進むか退くかの命題になりうるな。」
- 護牢:
- 「そうや。だから俺は……」
言いかけて、不思議な笑みを溢した凛に気づく護牢。
- 護牢:
- 「ん?なんや先輩?」
- 凛 :
- 「ああ、いやすまない。それは確かに、私自身も十分に検討するべき命題だな」
同じことを繰り返す凛を訝しむ護牢。
そして第六感が告げるキケンという声。
- 凛 :
- 「ところで……」
ゴウゴウ 素クールラブ (J) オチ
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