エピソード『最初の一歩』
- 宮部晃一(みやべ・こういち)
- 超能力者。野枝実らに救出され同居中。
- 鬼李(きり)
- 影猫。性格的に一番おとなである。
- 鬼崎野枝実(きざき・のえみ)
- 影使い。
そと……。
青い空……ずぅっとずぅっと続いている空、一面の空。
初めて……『そと』にでた時。目の前に広がったもの。
動く景色。
鳥が飛んでる
虫が動いている
車が走ってる
草が揺れてる
道が続いている
生きている……外の世界。
- 晃一
- 『そと……鬼李、これが……そとなの』
- 鬼李
- 「そうだよ」
何もかも……はじめて見たものばかりだった。
そして……お姉ちゃんの部屋。雑然と置かれた服、散らかった本があちこちにある……。
- 晃一
- 「物がいっぱいある」
- 鬼李
- 「これが標準ではないぞ……ここは特別散らかってるだけ
だから」
散らかっているらしい部屋を見回す。机、引き出し、タンスが見える。
引き出し……色々なものが入ってる。
不思議……引き出しを開けるたびに……僕の知らない何かがある。タンス、引き出し、押し入れ……開けると、そこに知らない世界があるような気がする。見たもの全部あけてまわっていたらお姉ちゃんに怒られた。
- 鬼李
- 「ゆっくりでもいい、自分で見て触わっていけばいい」
- 野枝実
- 「あと、出したものはしまうこと」
- 晃一
- 『うん』
初めて触れた外の世界、広い世界。今まで自分がいた……自分にとってすべてだった世界がとても小さなものだったという事を知った。
小さな……最初の一歩だった。
時間的にはプレイエピソード『水を恐れぬ超改研』の直後ということになると思います。
超改研では殺風景な一室に閉じ込められていた晃一は、普通の生活というものを知らないわけで……。その彼が日常を知り、友人という概念を理解していく過程が、実際にプレイされている分の中ではストーリー的に重要な要素になっています。
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