エピソード『出会い――晃一と麻衣』
- 宮部晃一(みやべ・こういち)
- 強化超能力少年。
- 本宮友久(もとみや・ともひさ)
- 空間操作能力者、野枝実の家に居候。
- 鬼李(きり)
- 野枝実の相棒の影猫。友久を拾ってきた。
- 長谷川伴緒(はせがわ・ともお)
- 友久の相棒。長谷川郷の武芸者。
- 谷山麻衣(たにがわ・まい)
- 天才的な才能を持つ(鎮魂の)舞姫
ピンポーン……チャイムが鳴る。
サンハイツ吹利103号室。伴緒がドアを開けたその前に晃一の手をつなぎ、懐に鬼李を入れた友久が立っている。
- 伴緒
- 「様になってるな」
- 友久
- 「ほっとけ」
- 晃一
- 『伴緒お兄さん、こんにちは』
- 伴緒
- 「元気か晃一」
- 晃一
- 『うん』
にっこりと嬉しそうに笑う晃一。
- 伴緒
- 「よく笑うようになったな」
- 友久
- 「ああ、そうだな」
- 晃一
- 『お邪魔します』
その時、甲高い女の子の声が聞こえてくる。
- 麻衣
- 「ねぇお客さん?」
奥からぱたぱたと走りよってくる足音が聞こえ、色白でおかっぱ髪の女の子がひょっこりと顔を出す。
- 晃一
- 『!?』
驚いて思わず友久の後ろに隠れてしまう晃一。
- 友久
- 「伴緒……その子は?」
- 伴緒
- 「ああ、この子は」
- 麻衣
- 「谷山麻衣ですっ! はじめまして」
にっこりと笑い、元気よく自己紹介する。
- 友久
- 「元気がいいな(笑)」
- 晃一
- 『……』
あいかわらず友久の後ろに隠れている晃一。不思議そうに晃一覗き込む麻衣。
- 麻衣
- 「ねぇ……お名前は?」
- 晃一
- 『……』
- 友久
- 「(ぽむぽむ) ほら、名前は」
- 晃一
- 『……宮部晃一』
- 麻衣
- 「晃一だねっ、あたし麻衣。よろしく」
にぱっと笑う麻衣。つられて晃一も笑顔になる。
- 晃一
- 『うん……よろしく』
- 麻衣
- 「ね、晃一遊ぼ。こっちこっち」
- 晃一
- 『え……あ……待って』
そのまま、ぐいぐいと晃一を部屋の奥に引っ張っていく。
- 友久
- 「元気な子だな」
- 伴緒
- 「誰とでも打ち解ける子だからな」
- 友久
- 「あいつには丁度いいかも知れないな」
- 伴緒
- 「父親じみてきたな」
- 友久
- 「……うるせえ」
今後の霞ヶ池の本筋の話の中で重要な役割をになっていくことになる、谷川麻衣の登場エピソードです。
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