狭間から吹く風とともに:1997/12/21


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狭間から吹く風とともに:1997/12/21

狭間から吹く風とともにって?

 本メールマガジンは、創作TRPG語り部の世界設定のひとつ、現代オカルト物 である http://kataribe.com/HA/ 狭間さまよえるもの達  に関して、編集済みエピソードとちょっとした新聞記事ふうのシナリオフッ ク、追加設定や前日の情報についてまとめてお伝えするというものです。  記述方式は setext 形式で、対応ツールを利用することでより読みやすく、 利用しやすくなります。 http://www.age.ne.jp/x/sf/SETEXT/ setextについて  編集は sfこと古谷俊一、連絡先は sf@x.age.ne.jp です。  発送には、インターネットの本屋さん『まぐまぐ http://www.mag2.com/ 』を 利用させていただいております。前回の発行部数は132部でした。  また、語り部通信倶楽部やサイバラ電劇ネットのような草の根BBSなどでも 配布されております。  登録・解除は http://kataribe.com/HA/maga/ 狭間から吹く風とともに  の案内ページからお願いします。 > -【宣伝】----------------------------------------------------------- > ★☆ Net Novels News ☆★ オンライン小説の新作情報を貴方に! > インターネット上に広く存在するオンライン小説のホームページから新作の > 情報をまとめてお送りします。月一程度の特集記事では、独自の切り口でオ > ンライン小説の紹介を行なっています。 毎週金曜日発行。 > http://www02.so-net.or.jp/~inai-yo/magazine/ > --------------------------------------------------------------------

最近の狭間の展開

http://kataribe.com/ML/ 語り部メーリングリスト  を中心に、狭間について先日にあった活動をお伝えするものです。  新着ページについては http://www.mahoroba.ne.jp/~furutani/kataribe/KATA_NEW.html 語り部関連ページ新着情報  もご利用くださいませ。  新型オンラインコミュニティシステムが完成したら、紹介には集約リンクな どもつく予定です。今回は19、20日のできごとです。

コード06『キャラからのエピソード作成』

http://kataribe.com/HA/06/ ・エピソード『クリスマス前』  「羊ころころ」のタイトルで、花澄がクリスマスプレゼント用の手のり羊人 形を作っているのをみて、譲羽がプレゼントをねだるが……。「いい子にして いたらサンタさんがくれる」と言うと、サンタに譲羽はいい子だと言うんだと 主張する譲羽に、花澄も困ってしまいます。

コード14『霞ヶ池の影』

http://kataribe.com/HA/14/ ・エピソード『宴会はプレハブで』  「クリスマスの小人」の題で、花澄に渡された羊人形を前に悩む野枝実を描 いていますが……どこでどう悩んでいるのかが、単独では理解できないかも。 ・新規エピソード『クリスマス前夜』  売れっ子漫画家の姫野洋子のクリスマスイブは……。計画性のない漫画家の 締め切り前は、不幸以外のなにものでもないのであった……。

夕刊風都:1997年12月21日号

明神そごうリニューアル開店

 8月13日の失火と9月20日の爆発事故により工事が遅れていた、大手百貨店 そごうの明神店(吹利県明神市明神駅北口)は、予定より二ヶ月遅れてようやく 新装開店にこぎつけた。  明神そごうはJR・近鉄の明神駅ターミナルの複合ショッピング施設の主要構 成要素として建造されており、関係者は近年伸び悩みを見せている明神市の活 性化の起爆剤として期待している。

利用法

 まあ、買い物シーンにつかわせるというのが普通の使い方でしょうか。工事 が遅れた理由を考えると、シナリオが作成できそうですね。

最新編集済みストーリー:狭間14小説『鬼女の末裔』

http://kataribe.com/HA/14/N/ 霞ヶ池の影:小説集  に追加された編集済みエピソードです。  今回の話は、 http://kataribe.com/HA/14/N/HAN14_07.HTM  にHTML化して編集公開してあります。

影を目指す

 人にはそれ、永遠の相あり、という。  しかし何時からか、それは封じられ、影として人からは切り離された。  人の持つ生と、影の持つ永遠と。  それは、一つになるべきではないか……

裏影社

「名演説でしたねえ」  気の無い拍手と無邪気な笑いがどこかちぐはぐな印象を与える。 「思わず納得してしまいました」  背の割合高い女である。骨太の体格のせいか『大柄』という印象が強い。眼 鏡をかけた顔は、それこそ角を二回曲がれば一度は見受けられるような平凡な ものである。唯一目立つ特徴である長い髪は、後頭部で高く纏められ、そのま ま垂らされていた。 「……君の傀儡にされるよりはましだからね」  部屋に入って来た男は、女の顔を見るなり顔を顰めた。 「そうですねえ。首筋に紙を張っておくっていうのもなかなかうっとおしいも のらしいし」  とぼけた応えに男は溜息を吐いた。 「叶野、それで今日は?」 「ああ、貴方の喜びそうな話です」  女は組んでいた足を組み替えた。  飾りの無いブラウスとスカート。何故か、この女には女の匂いが無い。女性 の持つ柔らかさや艶めかしさなどはつゆほども見当たらない。 「神女が手に入りましたよ」 「ほう」 「禍つ神の封印を解く。その手伝いをしてくれ、ということでやって来るそう です。……ね、間違いではないでしょう?」 「封印を、ね」  男は苦笑した。 「影人の研究の方は?」 「それがうまく行けば、神女なぞに手を出したりしませんよ」 「それもそうだ」  女は椅子の背もたれと背中との間にはさまった髪を引っ張り出しながらくす りと笑った。 「いやまったく、あのお嬢さんどんな力を使っているやら。影人志願者は意欲 も充分。その意識を影に導き、融合させる、までは出来たんですがね」 「自意識と記憶の欠落。意欲の低下。従順なのがまだ救いかな」 「後は売られて行くばかり……やれやれ連中もかわいそうに」  しみじみと誠意の無い言葉である。 「あの、影猫が無ければな」  男の目に、奇妙な光がちらついた。 「あれは唯一の成功例。偶然かもしれないが、再現可能な偶然かもしれん」 「永遠を汝の手に」  からかうように言った女を、男はきつい目で見やった。 「そんな顔をしないでくださいよ、義兄さん。私も姉の為を思って手伝ってい る訳ですからね」 「……ふん」 「姉さんは相変わらずですか?」 「ああ……ところで」 「はい?」 「影人のほうは大丈夫か? あれを放ったはいいが、こちらに使われては堪っ たものではない」  くすくす、と女は笑い出した。 「……大丈夫ですとも。それくらいは考えてますよ」 「誰も彼もが君のような異能者ではないからね」 「大丈夫ですってば。私も下手な奴等に直実と清姫を使いたくはありませんか ら」 「そうか……で、そういえば神女はいつこちらに?」 「明日か明後日になるそうです。一族の処理がややこしいとかで」 「まさか」 「まあ、必要最小限のことでしょう」  さらさら、と女は言い、笑った。 「ご安心を、義兄さん」

紗耶

 部屋から男が出ていってしばらくの間、女は身じろぎもせず、椅子に座り続 けていた。 「清姫」  ふと、その口から低い声が漏れた。 「首尾は」 「上々に」  声は彼女の背後から聞こえる。 「見せて……いや、いいや。せっかくの楽しみだ」  眼鏡を取ると、女は一つ伸びをした。 「清姫、お嬢ちゃんのところにまた居候が飛び込んだって?」 「はい」 「お嬢ちゃんも物好きな。守るものが増えれば増えるほど律義に守る性質のく せに」 「如何様に?」 「そのまま」  あっけらかん、とした口調である。 「お嬢ちゃんはどちらにしろ逃げられない。……でも不運だったら無いね」  くつくつ、と笑いが宙を舞う。  返事はどこからも無い。 「不運だ。私はあのお嬢ちゃん好きなのに。何て言っても美人だ。ついでに恐 ろしく気が強い」 「如何様に」 「そのまま」  女は顔を上げた。笑みのこぼれる顔は、何故かしら背筋の寒くなるものがあっ た。 「しかた、ないよね。……せめて楽しんでさし上げようほどに」  くっと笑った顔は、その時確かに鬼面と化した。

解説

 いー・あーるさんによる http://kataribe.com/HA/14/C/HAC14_23.TXT 傀儡使い:叶野紗耶(かのう・さや)  の紹介ストーリー。影と化して、死を超克することを目的とする秘密結社で ある『裏影社』の長が、木崎野枝実と鬼李にたいして本格的な動きを見せる、 その背後での動きを描いたオープニングシーン的な内容です。  紗耶の配下のくぐつ http://kataribe.com/HA/14/C/HAC14_32.TXT 傀儡:清姫(きよひめ) http://kataribe.com/HA/14/C/HAC14_33.TXT 傀儡:直実(なおざね)  のうち清姫も登場していますね。 > -【宣伝】----------------------------------------------------------- > 姉妹誌紹介                 ものかきのひと、集えっ! > ** 文芸広報 ** http://www.age.ne.jp/x/sf/NOVEL/maga.html > 本メールマガジンは、情報の山の中に埋もれた創作文芸物を発掘し、読むこ > とを楽しみたい人々への指針となることを目的とする、オンライン創作文芸 > の宣伝告知サービスです。刊行ペースは週刊、毎週金曜日発行予定。 > --------------------------------------------------------------------


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