狭間から吹く風とともに:1997/12/27


目次



狭間から吹く風とともに:1997/12/27

狭間から吹く風とともにって?

 本メールマガジンは、創作TRPG語り部の世界設定のひとつ、現代オカルト物 である http://kataribe.com/HA/ 狭間さまよえるもの達  に関して、編集済みエピソードとちょっとした新聞記事ふうのシナリオフッ ク、追加設定や前日の情報についてまとめてお伝えするというものです。  記述方式は setext 形式で、対応ツールを利用することでより読みやすく、 利用しやすくなります。 http://www.age.ne.jp/x/sf/SETEXT/ setextについて  編集は sfこと古谷俊一、連絡先は sf@x.age.ne.jp です。  発送には、インターネットの本屋さん『まぐまぐ http://www.mag2.com/ 』を 利用させていただいております。前回の発行部数は136部でした。  また、語り部通信倶楽部やサイバラ電劇ネットのような草の根BBSなどでも 配布されております。ちなみに転載は自由、引用は出所を明らかにすれば問題 ありませんし、シナリオネタとして利用する分にはとくに断る必要はありませ ん。  登録・解除は http://kataribe.com/HA/maga/ 狭間から吹く風とともに  の案内ページからお願いします。 > -【宣伝】----------------------------------------------------------- > 〜 その国は、そこを訪れる全ての人々の為に、常にそこに在る…… 〜 > TRPGサークル『冒険帝国』では、月一度の例会に参加して下さる会員・ゲス > トの方を、常時募集しております。下記までお気軽にお問い合わせ下さい。 > → 代表への E-mail GFF02522@niftyserve.or.jp > → 『冒険帝国』Page http://www2.osk.3web.ne.jp/~gombe/TRPG/BOUKEN/ > --------------------------------------------------------------------

最近の狭間の展開

http://kataribe.com/ML/ 語り部メーリングリスト  を中心に、狭間について先日にあった活動をお伝えするものです。  新着ページについては http://www.mahoroba.ne.jp/~furutani/kataribe/KATA_NEW.html 語り部関連ページ新着情報  もご利用くださいませ。  新型オンラインコミュニティシステムが完成したら、紹介には集約リンクな どもつく予定です。今回は25、26日のできごとです。

コード06『キャラからのエピソード作成』

http://kataribe.com/HA/06/ ・新規エピソード『嘘を教えてはいけません』  神羅が御守にクリスマスについて間違った認識を植え付けようとする話。  ……クリスマスは生贄をささげる祭儀に由来するってのは、途中の省略が大 幅なだけでじつは間違ってはいなかったりするような……。 ・エピソード『不幸の見本』  神羅と御守がベーカリー楠に来る話。御守りの付喪神、社御守(やしろ・み もり)御守の紹介エピソードですね。 ・新規エピソード『パーティやろうぜっ!』  エピソード『クリスマス前』の直接の続編になりますか。クリスマス当日、 ベーカリー楠にて開催されたコスプレパーティーの話です。とりあえず参加者 がそろうまでの流れと、ひとまずケーキを食べはじめるシーン、サンタの格好 で寒空で待機する訪雪のシーンあたりが進行。 ・エピソード『クリスマス前』  葵一さんにより、現時点までの話の編集版が作成されました。今のところ、 800行超ですね。 ・新規キャラクター『練原努』  言葉に実体を与える能力や他人の夢の中に入る能力を持つ……予定。データ 的には調整が必要ですし、名前は……今の読みだと日本人っぽくないかも。 ・新規エピソード『生きていれば……』  東京にて、退魔な仕事に明け暮れざるをえない生活をしているみのると夏和 流との、クリスマスのひととき。 ・新規エピソード『門松は』  花澄はひさびさに実家に帰り、60を迎えた父に今までの礼を言おうと思って る、と兄に告げる。年の区切りの時期に、生きている時間というものに思いを 寄せる兄妹であった……。 ・新規エピソード『25日・瑞鶴風景』  12月25日に、本屋瑞鶴の常連を招いてささやかに開かれる宴会の話。

コード14『霞ヶ池の影』

http://kataribe.com/HA/14/ ・新規キャラクター『黄昏の司祭:中津幸隆』 http://kataribe.com/HA/14/C/HAC14_38.TXT  光と闇を支配し、操作することができるばかりか、魂を抹殺・昇華すること ができる異能者。 ・新規キャラクター『舞姫の守護者《炎》』 http://kataribe.com/HA/14/C/HAC14_39.TXT  キャラクターシートができました。

夕刊風都:1997年12月27日号

火事続発

 26日未明から同日夕にかけ、吹利市内で民家や工場などで五件の火事が相次 ぎ、二人が火傷などの怪我を負った。  同日午前三時頃、同市本町2丁目の無職梶本義男さん(78)方の民家から出火、 木造2階建て住宅約90平方メートルを全焼し、梶本さんが顔などに軽いやけど を負った。火の気のない玄関先から出火していることから、吹利署では放火と 見ている。  また、正午過ぎには、同市本町三丁目のプラスチック加工会社「株式会社ミ シマ」(三島清二社長)の工場兼住居で、出入り口に積まれていたプラスチック 材料が燃えた。出火当時、現場に火の気はなかった。  同市消防署によると、今年の年内火災発生件数は九百一件(昨年同期比二十 件増)。年の瀬に来て、さらに増加傾向にある。

利用法

 火事は異常事件の証拠隠滅の常套手段ですね。死亡にせよなんにせよ、異常 な原因・過程で殺害されたという証拠が燃えてしまえばどうにもならないわけ ですし。  ほかにも、発火能力者がらみの話、たとえば制御が未熟な発現したての能力 者に絡めたりするのも美味しいでしょうね。  逆に、狭間世界には消防庁特殊火災局なる部署もありますから、霊的・超常 的な原因により通常の消火ができないような事件に出動するという話も可能で す。

エピソード623『けむし』

登場人物

 小松訪雪(こまつ・ほうせつ) :松陰堂の若旦那。  本宮和久(もとみや・かずひさ) :スナフキン愛好会のひとり。苦労人。  富良名裕也(ふらな・ゆうや) :通称フラナ。スナフキン愛好会のひとり。  佐古田真一(さこた・しんいち) :スナフキン愛好会の会長。ギターで語る。  長沢凍雲(ながさわ・とううん) :松陰堂の先代。  譲羽(ゆずりは) :人形に宿る木霊。松陰堂に良く遊びに来る。  柳直紀(やぎ・なおき) :松陰堂に良く遊びに来るOL。

さんぽ

 夏の午後。愛用のママチャリで、吹利の街を飛ばす訪雪。歩道を歩く三つの 後ろ姿を見つけて、追い越したところでブレーキをかける。  SE :「ききぃぃぃっ」  訪雪 :「や、こんにちは。本宮君にフラナ君に佐古田君」  本宮 :「こんにちは。訪雪さん」  フラナ :「こんにちはっ!」  佐古田 :「じゃんっ」  訪雪 :「相変わらず元気そうだね、三人とも。ベーカリーへ行く :ところかね?」  フラナ :「ううん、ベーカリーはいま出てきたとこ」  本宮 :「公園でだべってから、ゲーセンでも行こうかと思って」  訪雪 :「ふうむ。この天気だ、しばらく散歩でもするかね?  : まあ、ちと暑くはあるが、ジュースくらいは奢ろう」  他愛ない話をしながら、四人で連れ立って、人気の少ない道を歩む。めいめ いの手には、冷えた缶がひとつずつ握られている。  フラナ :「訪雪さんって、彼女とかいないんですか?」  訪雪 :「彼女、か……ううむ、難しい話ではあるな」  本宮 :「難しいって、どういうことですか」  訪雪 :「君はまた、そういう突っ込みを。説明できるならとっく :に話しとるわい」  佐古田 :「じゃがじゃん(気になるう〜)」  桜並木の続く、閑静な通りの入口に来たところで、自転車を押していた訪雪 がぴたりと足を止める。  訪雪 :「ここは……やめよう(踵を返そうとする)」  フラナ :「訪雪さんどうかしたんですか?」  佐古田 :「じゃじゃん(いい場所なのに)」  本宮 :「別に怪しいところじゃないですよ」  訪雪 :「一見したとこじゃね。でも、駄目だ」  佐古田 :「……?」  こんもりと茂った枝を、敵でも見るような目で睨め据える訪雪。広い額を、 ひとすじの汗が流れる。  訪雪 :「あの木には、奴らが、巣食っとる」  フラナ :「奴ら?」  本宮 :「別にそういう気配はしませんが」  訪雪 :「そうか、君たちには判らんか。だが儂には判る。妙に赤 :茶けた下の路面、枝葉の間に見え隠れする白い塊……ここ :の桜には、奴らが……アメリカシロヒトリが、いる」  沈黙。  本宮 :「アメリカシロヒトリって……聞いたことあるけど、何だっ :たっけ」  フラナ :「アメシロのことでしょ? あの白くて、枝んとこにうじゃ :うじゃ固まって網張ってる毛虫」  佐古田 :「じゃんじゃがらん(夏になるといっぱい増える)」  本宮 :「訪雪さん、毛虫……そんなに、嫌いですか」  遠くの桜の枝から、小さく白いものが路面に落ちる。  訪雪 :「嫌いなんてもんじゃない。 : 六つの歳にチャドクガに全身ぶつぶつにされて以来、連 :中とは極力遭遇しないようにしとる。 : 連中を避ける術を探して、辞書を片手に害虫学の原書ま :で読んだくらいだ」  フラナ :「……なにもそこまで嫌わなくても(汗)」  本宮 :「好きな人でも、そこまで執着できないよな、普通」  佐古田 :「……(毛虫の歌を考えているらしい)」  訪雪 :「……駄目だ。連中のことを考えただけで、全身痒いよう :な気がしてきた。道を変えよう」  フラナ :「じゃあ、こっち(先に立って歩き出す)」  訪雪 :「そこのニシキギにはイラガの繭がついとる」  佐古田 :「じゃんっ(こっちは?)」  訪雪 :「先の角の松、ありゃ去年、マツケムシの大発生で枯れか :けた木だ」  三人 :「じゃあ……どっちへ行けっていうんですか!」

松陰堂で待つもの

 三人と別れて、松蔭堂へ戻ったあと。  凍雲 :「お帰り、訪雪。譲羽ちゃんが遊びに来ておるぞ」  訪雪 :「はいはい。私の部屋ですね?」  障子を開けると、木霊は広くもない部屋を全速で横切って駆けてきた。  訪雪 :「ただいま、ゆずさん。待たせてすまんね」  譲羽 :「ぢいぢぃっ(ゆず、いいものみつけたの)!」  訪雪 :「その顔、何か報告のある顔だね。見せてごらん」  譲羽は元気よく頷いて、後に回していた手を訪雪のほうに突き出す。  譲羽 :「ぢいっ(ほら、これ)!」  次の瞬間。  訪雪 :「う……ぐぎゃああああああああっ!」  木綿を引き裂くような茶色い悲鳴が、松蔭堂に響きわたった。  そして。  ばたばたばた。  直紀 :「こんにちわぁっ! ほーせつさん、ゆずちゃん遊びに来 :てますかぁ? : (ばたばた、がらっ) あれ……寝てるのかな。(つんつ :ん) 起きないや。どうしたんだろ……」  顔の上に乗っているものに気付く。  直紀 :「わぁ、しゃくとりむし。ゆずちゃん見つけたの?」

解説

 人物設定を生かした事件を考案してぶつけていき、コメディに仕立てたエピ ソードの典型でしょう。  個性を他人に伝えてキャラクターイメージを共有するためには、このような その事件に対する反応を記述することで行うのが最善の手段です。 > -【宣伝】----------------------------------------------------------- > サイバラの電脳通信網的擬似配役虚実演遊戯場ネット(サイバラ電劇ネット) > 03-3721-2501(アナログ14.4k)/03-5483-7408(デジタル非同期38.4k) > 電話代以外の料金は一切掛からない草の根無料ネットです。東京都大田区 > 語り部関係の各種資料転載しています。TRPG中心にMIDI,ANIME,CG,GAMEなど > ID"GUEST"で自動サインアップ、プロフィール確認後正会員登録です! > --------------------------------------------------------------------


連絡先
ディレクトリルートに戻る
語り部総本部