実は戦車が開発されたのは結構早いんですよね。紀元前2500年頃のシュメー ル文明の墓の壁画に描かれています。 ちなみに鉄器で有名なヒッタイト帝国も戦車の威力で勢力を拡大しました。 べつに鉄器が強かったからというわけではないようなんですよ。実際、ヒッタ イトはプレヒッタイトと呼ばれている鉄器を発明した文明を征服して鉄器製造 技術を取得したわけですじ。 当時のオリエントは豊かだったのか、戦車の台数も凄いものだったようです。 クレタ島の記録には1200台の戦車の在庫があったというものが有ります。 シナ文明で戦車が使われるようになったのは紀元前1100年頃です。殷の後期 ですね。ただし技術的には高度なもので、同時期のオリエントのものよりも性 能は高かったようです。 ちなみにオリエントで騎乗が始まったのは紀元前1000年頃です。騎乗のほう が戦車よりもずっと新しいんですよね。(;^^) 記録にあらわれるもっとも初期の有力な騎馬遊牧民であるスキタイが紀元前 7世紀ですから……。 シナでは戦国時代にちょうの武霊王が胡服騎射の故事で知られるように、騎 馬民族から騎乗の習慣を取り入れたそうです。鞍を発明したのと同時期だそう です。 ちなみに鐙はかなり新しく、原形的な片側のみのものでも西晋のころといい ますから、AD300年ですか。(;^^) シナ文明で戦車が無くなるのはだいたい漢の時代のことだということです。
学研『戦略戦術兵器事典1 中国古代編』 雑誌69610-40 313-17760 T1069610401804 1800円 講談社『ビジュアル版世界の歴史10 草原とオアシス』山田信夫 ISBN4-06-188510-3 2200円 『スキタイ黄金美術展 目録』(京都文化博物館にて購入)
連絡先 / ディレクトリルートに戻る / 語り部総本部