無限都市SG:学園の日常


目次



無限都市SG:学園の日常


無限都市とは何か


むげん・とし【無限都市】《世界設定》
	 夢の中のような異常な事柄が発生する、無限に広い現代日本風都市
	を舞台とした設定。取り合えず人間が絶対に死なない。
	 コードは IC 。

 語り部サプリメントとして構想されている中でも、おそらくはもっとも愚か
しい世界設定だと思われる「無限都市」のサプリメント化を開始します。
 そもそも「無限都市」は私が高校時代に文芸部の会誌用に書いた短編どたば
た小説をもとにした設定です。四話くらいは書き上げた記憶がありますが、残
念ながら今は手元には見当たらない。
 ……幾つか発掘してみました。完成品は見当たらないけど、下書きやプロッ
トメモなんかは残っているようです。でも、さすがにちょっとそのままでは使
えないなぁ。

 今思うと、非日常的な出来事があたりまえのように起こるという面では、か
なり狭間と似ていたりするので、違いを浮き彫りにしていきたいと思います。
 無限都市と狭間との共通点は以下のようなところでしょうか。

・舞台が現代日本をもとにしている。
・主に登場するのが日本人である。
・異常な自体が日常的に発生しうる。

 異なる点は、

・無限都市ではすべての人間が異常である。
・無限都市では人間は死なない。
・無限都市では空間配置・空間接続が簡単に無視される。
・無限都市ではオカルトは重要ではない。
・無限都市は現代日本と地理的に根本的に異なる。
・狭間より馬鹿馬鹿しい

 では、詳細に分析してみましょう。


すべての人間が異常である

 すべての人間は夢の中でのように奇妙な行動をとることが可能です。
 ジャンプをすればビルより高く跳べるとか、水中で呼吸がいらなかったりと
か、燃え盛る火の中でも焼けなかったりとかいった、普通でない能力を持って
いる事が多いんですね。
 そのうちでも誰もが持っている異常な能力が、次の項目の「死なない」とい
う能力です。


人間は死なない

 根本的に丈夫なので、爆心に居たくらいでは簡単に倒れてくれません。ギャ
グマンガの主人公のようなしぶとさをほとんどの人間が持っています。
 それでも物理的に死ぬことはあるんですが、毎晩12時になると前回の12時に
存在した場所で復活します。この時、死んだ日の記憶については残っておりま
せん。
 ……そうです、無限都市ではすべての人間は12時にセーブされているのです。
 このために、捕まって拷問されたりして12時を回ってしまうと悲惨なことに
なりますので、思い切り良く自殺することが生きる上での秘訣です。


空間配置・空間接続が簡単に無視される

 まず、無限都市の名の通り、舞台となる都市には果てがありません。空間が
閉じているかどうかは不明ですが、現在の観測ではこの都市は曲率が零の空間
に存在し、地面もまた平面であると考えられています。
 小さな家のドアを開けて入ると、いきなり大ホールであったりすることは、
あたりまえ。扉同士の接続関係も良く変化しますので、毎日同じところに向か
える保証はどこにも有りません。
 だいたい、夢の中で放浪している光景を想像してください。一瞬で周りの情
景が変化することって、良くありますよね。無限都市でも日常的に舞台の変化
が発生します。


オカルトは重要ではない

 狭間の設定のベースにはオカルトが存在しましたが、無限都市では特にオカ
ルト的な存在に重要性は有りません。
 オカルト的設定が関係してもかまわないけど、とくに考慮する必要はないと
いうことです。


現代日本と地理的に根本的に異なる

 狭間では一部の地形は変化させていたものの、日本的には現代日本ほベース
とした舞台設計がなされていました。
 しかし、無限都市は違います。無限都市と呼ばれる巨大な都市は、現代日本
的なガジェットを異常化させて大量にばらまいただけの世界なのです。
 詳しいことは次の項目をどうぞ。名所の設定などを参照して頂くと分かりや
いと思いますので。


狭間より馬鹿馬鹿しい

 狭間では元ネタなどが馬鹿馬鹿しくても、 うまくリアリティ(ただしオカル
ト的な)のあるように調整することが求められました。
 しかし、無限都市ではどんなに馬鹿馬鹿しい設定でも許されます。抑制は有
りません。
 無限都市にある唯一の学校である「学園」についての例を挙げてみましょう。

・各種「正義の味方同好会」
・傭兵集団「早弁組」
・ただひたすらにコンクリートの平面が続くだけの「屋上空間」
・扉の接続による事故に対抗する「扉対策委員会」
・無限の長さを持つ直線通路「100m廊下」
・延々と各種の門が連なる「万里の校門」
・死亡率98%を誇る「本家マラソン大会」
・最強最凶の軍事組織「報道部」
・弱い生徒のための「暗殺促進協会」

 などが昔書いた小説で出てきた設定です。
 ううむ、見るからに馬鹿馬鹿しい。我ながら今見るとちと恥ずかしいかも知
れない……。



その「学園」とは

 馬鹿馬鹿しい設定の例としてあげられた「学園」ですが、以前書いていた小
説は、すべてこの無限都市唯一の学校を舞台としていました。まあ、当時は高
校生でしたし、発表媒体が高校の文芸部の会誌だった以上は当然の選択だった
のかもしれません。(もう良く覚えていないけど)

 このサプリメントでは、この異常な学園を舞台としたハチャメチャギャグ
 最初のサプリメントでは、この異常な学園を舞台としたハチャメチャギャグ
アクションものをプレイできるようにしたいと思います。



無限都市の特性



移動は惑い

 無限都市においては、一般の移動では迷うことが本質と言えるかもしれませ
ん。《通路》の移動であればまだましですが、物理的制限を無視して二つの場
所を繋いでいる《扉》などは不定期に接続が変化してしまうため、目的地にた
どり着ける保証がまったくありません。
 迷わない(もしくは迷いにくい)のは《疾走》のみです。これは目を閉じて突っ
走ることで、勝手知ったる目的地に対してテレポート的に移動する能力です。
 ただし《関門》を経由した内部であると定義された場所については、《疾走》
によっては移動できません。《学園》にとっての校門は《関門》の一例です。
また、各部屋はなんらかの《扉》を経由してのみ侵入できるので、《扉》もま
た《関門》の一種であると定義できます。


死せざる人間

 無限都市では人間が本当の死を迎えることはありません。幾多の人々が真実
の死を求めて探索を行いましたが、得られたものはただの絶望のみでした。無
限都市で生きつづける苦しみから逃れることができる方法としては、《社会的
人格》に埋没した《エキストラ》となってしまい、考える必要も無い存在に自
己を解体する以外には見いだされなかったのです。
 しかし、真実ではない死、仮の死は存在します。いや、真の死が得られない
ために仮の死はあまりにもありふれた存在になっています。……では、仮の死
とは何なのでしょうか。無限都市でも人間は切り刻まれたりすれば肉体的な死
を迎えます。しかし無限都市では、この肉体的死が一時的なものでしかなく、
必ず深夜の零時には復活するのです。これを、仮の死と呼びます。
 この復活は各個人が前回零時に寝ていた場所で行われます。このため、零時
時点で相手を自分の知っている場所にとらえておくことができたなら、何度で
も好きなだけ相手をいたぶることができてしまいます。この恐るべき事態を避
けるため、睡眠場所は秘密にされます。

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