2009/12/04 00:00:00 00:13:11 Morris -> MorrisZZZ 00:58:31 ! Tihiro ("もう歳かもしれない……") 2009/12/04 01:00:00 01:05:44 <#HA06-01:gombeLOG> ---- 01:05:56 <#HA06-01:gombeLOG> とある時、とある処 01:06:13 <#HA06-01:gombeLOG> 中世欧州風の、城のような大きな石造りの館 01:07:47 <#HA06-01:gombeLOG> 周囲を囲む緑豊かな森、遠くにきらめく湖の水面 01:09:12 <#HA06-01:gombeLOG> その全ては夕闇に沈もうとしていて 01:10:05 <#HA06-01:gombeLOG> 夕日の光の最後の一条が今まさに、途切れようとする寸前で視界を朱色に埋め尽くしている 01:10:18 <#HA06-01:gombeLOG> その館の離れのように張り出した、基礎の大きな塔のような建物 01:10:57 <#HA06-01:gombeLOG> その上層のバルコニーから夕日を見送ろうとしているひとりの男 01:11:08 <#HA06-01:gombeLOG> その耳に 01:12:03 <#HA06-01:gombeLOG> 女の声:「……様? ……ョール様」 01:12:18 <#HA06-01:gombeLOG> 塔の中から呼ばわる声 01:12:45 <#HA06-01:gombeLOG> 男:「ここにいる」 01:13:28 <#HA06-01:gombeLOG> 男は、魔術師のような長く厚い衣に身を包んで、バルコニーから振り返って中に応える 01:14:59 <#HA06-01:gombeLOG> 先触れの女官が進み出て、訪問者の来訪を告げる 01:15:24 <#HA06-01:gombeLOG> 女官:「御館様がお出ましです」 01:15:36 <#HA06-01:gombeLOG> 男:「……何」 01:16:44 <#HA06-01:gombeLOG> 明らかに動揺した男が視線を動かすと、そこにはもう、続く一団が姿を現していた 01:18:16 <#HA06-01:gombeLOG> 幾人もの女官を従え、現れたのは高貴な身なりのひとりの少女 01:19:29 <#HA06-01:gombeLOG> 男:「姫。このようなところへわざわざお出ましいただくとは」(かしこまって最敬礼) 01:20:54 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「ヴィトョール。そんなにかしこまらなくともよいのですよ」 01:21:08 <#HA06-01:gombeLOG> 片手をあげ、苦笑しながら歩み寄ってくる 01:23:07 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「ルディアンなら、いつも大喜びで出迎えてくれますよ」(苦笑しながら) 01:24:59 <#HA06-01:gombeLOG> 男=ヴィトョール:「奴はわきまえなさすぎなのです。子どもの時と同じというわけには」(憮然) 01:27:18 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「どうでしょう。謁見の間にいない時の私を目にすると、昔一緒に皆で遊んだ時のことを思い出すのかも知れませんね」(面白そうに 01:27:52 <#HA06-01:gombeLOG> ヴィトョール:「……そうかも知れません。全く不遜な奴だ」 01:28:19 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「……」(笑いながら見ている、でも何か言いたそうに 01:29:08 <#HA06-01:gombeLOG> 姫は10歳ちょっと、男は20代の働き盛りと見える 01:30:08 <#HA06-01:gombeLOG> しかし、館の女主人でもある姫との会話は、どう見ても大人と子供の会話ではない 01:30:32 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:(ふと、眩しそうに目を細める) 01:30:43 <#HA06-01:gombeLOG> バルコニーに足を進めて 01:31:20 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「ああ、間に合いました」(気持ちよさそうにバルコニーから辺りを見晴らす) 01:32:28 <#HA06-01:gombeLOG> ヴィトョール:「姫……?」 01:34:05 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「今日はきっと、夕日がきれいだと思ったのです。あなたの塔の、このバルコニーからの眺めは特に」 01:35:57 <#HA06-01:gombeLOG> ヴィトョール:「……ああ、仰る通りですね。今日は天気も空気もよく晴れていました」 01:37:02 <#HA06-01:gombeLOG> ヴィトョール:「今日はきっと、星も綺麗でしょう」 01:37:10 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「まあ」 01:38:35 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「今日の夕食は少し遅らせてもらおうかしら」(にこやかに、背後の女官たちへ 01:39:04 <#HA06-01:gombeLOG> 女官のひとり:「申し伝えて参ります」(恭しく頭を下げ、退出 01:39:41 <#HA06-01:gombeLOG> ヴィトョール:「今日は気温も下がります。お身体に障っては」 01:40:53 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「良いのですよ。元より、あなたの貴重な研究の時間を取ってしまうわけにはいきませんから、ほどほどにします」 01:42:37 <#HA06-01:gombeLOG> 会話の間に、姫が見守るうちに、夕日は湖の向こうの稜線の彼方に沈み、辺りの景色は濃い藍色の中に沈んでいく 01:43:35 ! Suo (Ping timeout) 01:45:20 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「……ほら、あれが一番星ですね」 01:46:27 <#HA06-01:gombeLOG> ヴィトョール:「今日であれば、城の裏側にすでにゼウスの星が見えておりましょう」 01:47:15 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「まあ」 01:47:43 <#HA06-01:gombeLOG> 軽く噴き出すように 01:51:05 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:(改めて、まだ朱い西の空と、美しいグラデーションを描く天空と、黒く際立つ西の山から続き藍色に混沌とし始めた景色と、を見渡して) 01:51:25 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「やっぱり来て良かった」 01:53:27 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「ここからの眺めは、私の中では一番の景色のひとつです。いつ来ても」 01:54:20 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「気分が落ち着くような気がするのです」 01:55:00 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「……また、来ても良いですか?」(振り返って、ヴィトョールに 01:55:32 <#HA06-01:gombeLOG> ヴィトョール:「ご自由に、My Lady。この城の全てはあなたのものです」 01:57:19 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「……自由にならないものは多いのですよ。自由にしようとしてもかなわず、もどかしい思いを抱くことも……。それより」 01:58:00 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「私がここに来た時は、また、私の相手をしてくれますか」 01:58:41 <#HA06-01:gombeLOG> ヴィトョール:「……仰せのままに。我が姫君」 01:59:14 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「……ありがとう」(にこり 01:59:33 <#HA06-01:gombeLOG> 姫:「星が……出てきましたね」 2009/12/04 02:00:00 02:00:59 <#HA06-01:gombeLOG> ヴィトョール:「……」 02:01:10 <#HA06-01:gombeLOG> 二人で見上げる 02:01:34 <#HA06-01:gombeLOG> ---- 02:02:00 <#HA06-01:gombeLOG> SE:(耳をつんざく爆発音) 02:02:23 <#HA06-01:gombeLOG> 第二次大戦前半、ドイツ北部 02:03:03 <#HA06-01:gombeLOG> とある街の駅前広場 02:03:42 <#HA06-01:gombeLOG> 駅舎の向こうの高い三角屋根が吹き飛び、瓦礫が飛び散るのが見える 02:04:19 <#HA06-01:gombeLOG> 駅前広場の中央にも着弾し、辺りは惨憺たる光景 02:05:04 <#HA06-01:gombeLOG> 街灯の明かりは爆風の影響で失われ、あちこちをなめる炎がかすかに辺りを照らし出す 02:05:45 <#HA06-01:gombeLOG> ヒルダ:「少佐!」 02:05:55 <#HA06-01:gombeLOG> オットー:(我に返る 02:06:23 <#HA06-01:gombeLOG> 爆風からヒルダを守って抱え込むように伏せ 02:06:58 <#HA06-01:gombeLOG> 爆風の直撃を受けたオットーの背中が、時間を戻すかのように見る間に治癒していく 02:07:16 <#HA06-01:gombeLOG> オットー:「……大丈夫だ。私は心配ない」 02:07:29 <#HA06-01:gombeLOG> オットー:「君は、怪我は無いかね」(自分で身を起こし、ヒルダの肩を支える) 02:07:48 <#HA06-01:gombeLOG> ヒルダ:「はい……はいっ」(泣きそう) 02:08:36 <#HA06-01:gombeLOG> 涙を浮かべるそのあどけない表情が 02:09:07 <#HA06-01:gombeLOG> 先程の幻で視た姫の面影と重なる 02:09:22 <#HA06-01:gombeLOG> 全く似ても似つかないはずなのに 02:09:38 <#HA06-01:gombeLOG> オットー:「(……姫)」 02:10:08 <#HA06-01:gombeLOG> オットー:「立てるか」 02:10:22 <#HA06-01:gombeLOG> ヒルダ:「少佐……は」 02:10:30 <#HA06-01:gombeLOG> オットー:「私は大丈夫だ」 02:11:07 <#HA06-01:gombeLOG> ヒルダ:「私も、大丈夫です。……少佐のおかげで……」(立とうとする) 02:11:45 <#HA06-01:gombeLOG> オットー:(ヒルダを支えつつ、自らも姿勢を整え、頭を切り換える) 02:13:04 <#HA06-01:gombeLOG> オットー:「動ける者は館に連絡を取れ! 負傷者を一旦防空壕に収容しろ!」 02:13:58 <#HA06-01:gombeLOG> オットー:(素早く視線を巡らし、ふと顔をしかめて、ヒルダをかばうように立ち位置を変える) 02:14:22 <#HA06-01:gombeLOG> そこには、自分たちを先導した担当将校の無惨な姿が 02:15:37 <#HA06-01:gombeLOG> 兵士:「少佐! 女史がこちらに!」 02:16:03 <#HA06-01:gombeLOG> オットー:「! 今行く!」 02:17:13 <#HA06-01:gombeLOG> ヒルダを抱えるようにして広場の端の方へ走ると、無事だった兵士のひとりが壁際に倒れているケーゲルを介抱している 02:18:04 <#HA06-01:gombeLOG> かなりの距離を吹き飛ばされて気を失っていたり、瓦礫に潰されていやな形に足が曲がっていたりするが、少なくとも命に別状は無さそう 02:18:37 <#HA06-01:gombeLOG> オットー:「運べるか? 衛生兵とも連絡を取れ」 02:18:43 <#HA06-01:gombeLOG> 兵士:「はっ!」 02:19:41 <#HA06-01:gombeLOG> 辺りの他の兵士たちにも指示を飛ばし、ヒルダを安全なところへ導く 02:19:55 <#HA06-01:gombeLOG> ---- 02:20:07 <#HA06-01:gombeLOG> とりあえず2時も過ぎていたので切る 02:20:30 TK-Leana -> TK-Sleep 02:20:33 ! Hisasi ("いなずまいれぶん〜") 02:20:46 <#HA06-01:gombeLOG> 半年ぶりにお話を進めた(ぉ 02:21:12 <#HA06-01:gombeLOG> http://kataribe.com/IRC/KA-06/2009/03/20090309.html#020000 02:21:17 <#HA06-01:gombeLOG> ここの続きで 02:21:32 <#HA06-01:Toyolina> もう半年になっていまsちあか 02:21:34 <#HA06-01:gombeLOG> http://hiki.kataribe.jp/HA06/?PrincessInTheCage 02:21:45 <#HA06-01:gombeLOG> これの関連のお話 02:21:58 <#HA06-01:gombeLOG> 半年以上でした。サバ読みイクナイ 02:24:14 <#HA06-01:gombeLOG> 最初のお城のシーンは、言わずもがなですが、爆撃直後の一瞬に幻視されたシーンです 02:24:49 <#HA06-01:gombeLOG> 挟もうかどうしようか迷いましたが、書いてみることに 2009/12/04 03:00:00 03:03:52 ! gombeLOG ("Leaving..") 2009/12/04 04:00:00 2009/12/04 05:00:00 2009/12/04 06:00:00 2009/12/04 07:00:00 2009/12/04 08:00:00 08:04:17 ! kisito ("Leaving...") 2009/12/04 09:00:00 09:00:01 ! kataribe ("auto down") 09:01:09 + kataribe(~kataribe@sv1.trpg.net) to #HA06-01 09:01:17 Mode by kata_cre: #HA06-01 +o kataribe 2009/12/04 10:00:00 10:00:01 [!] auto down 2009/12/04 10:00:03 10:00:03 [!] ./madoka.rc updated 10:00:03 [!] Start: madoka 4.2.10 with perl 5.8.8 10:00:04 [!] server: irc.cre.ne.jp(6667) 10:00:04 plugin new: ./plugin/yuurii/convnick.mpi 10:00:04 plugin new: ./plugin/yuurii/autoans.mpi 10:00:04 plugin new: ./plugin/yuurii/ans_action.mpi 10:00:04 plugin new: ./plugin/yuurii/bot.mpi 10:00:04 plugin new: ./plugin/yuurii/autoaction.mpi 10:00:04 plugin new: ./plugin/yuurii/.botrceuc 10:00:04 plugin new: ./plugin/yuurii/.botrcjis 10:00:04 plugin new: ./plugin/yuurii/dengon.mpi 10:00:28 + kata_cre(~kata@ns.cre.ne.jp) to #HA06-01 10:00:43 Mode by kataribe: #HA06-01 +o kata_cre 2009/12/04 11:00:00 2009/12/04 12:00:00 12:15:39 MorrisZZZ -> Morris 2009/12/04 13:00:00 2009/12/04 14:00:00 14:05:08 Morris -> MorrisAFK 2009/12/04 15:00:00 2009/12/04 16:00:00 16:41:17 + MOTOI(~MOTOI@219-117-185-245.cnc.jp) to #HA06-01 2009/12/04 17:00:00 17:14:47 MorrisAFK -> Morris 17:40:43 + kisito(~kisito@60-32-211-1.ip1.george24.com) to #HA06-01 2009/12/04 18:00:00 18:58:52 + meltdown(~meltdown@wd28.AFL27.vectant.ne.jp) to #HA06-01 2009/12/04 19:00:00 2009/12/04 20:00:00 20:55:51 Morris -> MorrisAFK 2009/12/04 21:00:00 21:12:52 fukaGuten -> fukaFuton 21:26:15 MorrisAFK -> Morris 21:28:27 + Suo(~username@ppxi060.enth.cli.wbs.ne.jp) to #HA06-01 2009/12/04 22:00:00 22:36:26 + Hisasi(~hisasi@115.CH575a.cyberhome.ne.jp) to #HA06-01 2009/12/04 23:00:00 23:02:54 + Luna(~luna@219-117-185-245.cnc.jp) to #HA06-01 23:04:31 ! 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