エピソード001『大仏、大地に立つ!!』
- 蘇礼院真慈海(それいいん・まじかい)
- 少林寺も手を焼く破戒僧。
- 吉海僧正(きちかい・そうじょう)
- お寺の偉い人。真慈海をいろいろ庇ってきたが……
吉海の部屋に吉海と真慈海の二人。
- 吉海
- 「……という訳だ」
- 真慈海
- 「わかりました。このままだと寺にやっかい事が降り掛かるのでは仕方ありますまい」
- 吉海
- 「すまんのぉ。……表向きは檀家を巡って布施を集めるということになる」
- 真慈海
- 「ついでに宇宙に蔓延る悪漢どもを退治し、御仏の威光を示してご覧にいれましょう(笑)」
- 吉海
- 「たのもしいのぉ(笑) …………事情が事情故、盛大に送り出す訳にもいかん。すまぬが我慢してほしい」
- 真慈海
- 「仕方ありますまい」
真慈海、部屋を出る。
部屋の外で怒号が飛び交う。
- 吉海
- 「……騒がしいのぉ」
部屋に、一人、僧侶が飛び込んでくる。
- 僧
- 「吉海様!」
- 吉海
- 「どうした?」
- 僧
- 「真慈海殿が!」
- 吉海
- 「!?……また何かやらかしたのか!?」
- 僧
- 「それが……」
- SE
- ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
- 吉海
- 「……何じゃ?」((((・・))))
- SE
- 何かが倒壊する音
- 吉海
- 「まさか……!?」
吉海、外へ出る。
- SE
- ガラガラガラ……(倒壊音)
吉海の目に写ったのは、本堂の壁を鉄拳で破壊し太陽の下へと現れた大仏の姿。
- SE
- ジャジャ−−−ン
両足で大地を踏みしめる大仏のボディが、陽光の下で眩しく輝く。
- SE
- ッズシーンッズシーン……(大仏が歩く音)
大仏(声・真慈海):「吉海様、餞別代わりにコレはお預かりします!」
- 吉海
- 「あ〜〜! お前、そんな勝手な!?」
- 僧
- 「少林寺最強の陸戦兵器が〜〜」
大仏(声・真慈海):「では、お達者で! うわははははははは!(高笑)」
- SE
- ズドーーーン
大仏、地面を蹴って跳躍。天空へと消えてゆく。
- SE
- ガラガラガラ……
跳躍の衝撃で寺の様々なものが倒壊。
- 吉海
- 「真慈海め、大仏ロボで空中戦がやれるのか!」
- 僧
- 「感心している場合じゃないです!」
こうして真慈海の宇宙を股にかける冒険の旅が始まった。
2150年 1月25日 地球の少林寺にて
少林時の陸戦兵器"大仏ロボ"を操り寺を出た真慈海。
果たして、これより如何なる事件が彼を待ち受けるのか?
『地球伝承 ペルセウス腕開拓史』次回お楽しみに!
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