エピソード4『貼り紙の価値』
- ホレス・ハムト
- 書道の超達人。ヒソール宅の管理人。
- メレア・エレス
- ヒソール宅に居候する少女。
- シェネア・フェルス
- ミアネの上級使徒。
- ヒソール・ラルシュ
- 近衛騎士団長。超絶天才剣士。
ヒソール宅に、泥棒が入った。
- メレア
- 「ホレスさんが大変なの!」
- シェネア
- 「何、事件?」
- メレア
- 「……って、事件っていうほどじゃないんだけど…… と
にかく責任とって切腹するって、もう朝から大騒ぎなのよ!(泣)」
- シェネア
- 「また切腹ね……(嘆息) で、今回は何やったの?」
- メレア
- 「それが、昨晩うちに泥棒が入ったらしくって……」
- シェネア
- 「泥棒? 何か盗まれた?」
- メレア
- 「ううん、金品とかの被害は全然なし。あるのは、とりあ
えず夜中に入られたって痕跡だけなんだけど……ね」
- シェネア
- 「……気付かなかった自分に責任があるって?」
- メレア
- 「そう、ホレスさんが……」
- 二人
- 『はぁ……』
- シェネア
- 「被害がなかったならラッキーじゃん」
- メレア
- 「言っても、もう聞こえてないみたい……」
- シェネア
- 「やっぱり(苦笑)」
- メレア
- 「……勿論、ホレスさんの気持ちも分かるんだけど……」
- シェネア
- 「いちいち後向きに考えてたら疲れるっての、本人も周り
も!(苦笑)」
結局盗まれたのは(というか、無くなっていた物は)ホレスが書いた「廊下は走らない」などの貼紙が数点のみと判明。
ホレス以外の者は、とりあえず被害が無かったことに安堵する。
- シェネア
- 「入ってくるのとか、ヒソールも気付かなかったの?」
- ヒソール
- 「俺? ……いやぁ、昨日は家に帰るのが遅かったから」
- シェネア
- 「ふーん、じゃ、それ以前に侵入したのかぁ……」
- ヒソール
- 「だと思うぜ。俺が帰った時には、入られていた痕跡があっ
たもんなぁ」
- シェネア
- 「え?」
- ヒソール
- 「侵入経路なんかは消そうとしてたみたいだったし、こそ
泥というよりプロじゃないかな」
- シェネア
- 「気付いて、警備とかにすぐ言わなかったの!?」
- ヒソール
- 「メレアちゃんたちの(寝室がある) 二階に上がってなかっ
たし、俺も眠かったしなぁ。面倒だから、そのまま寝ちまったけど」
- シェネア
- 「面倒でも、うちに来てくれたら行ったのに」
- ヒソール
- 「夜中に女の子を起こすのは、俺のポリシーに反する(笑み)」
- シェネア
- 「被害が無くて良かった(苦笑)」
- ヒソール
- 「まぁ、確認はしたけどね」
- シェネア
- 「……結局、貼紙数点だけかぁ」
- ヒソール
- 「貼ってても邪魔だったし、無くなってよかったんじゃな
いか?(笑)」
- シェネア
- 「プロが入ったんだったら、本当に謎ね(悩)」
その頃、盗まれた貼紙は闇ルートを通じて、高値で取り引きされていた。購入した美術愛好家は、わざわざ額にいれたりしている。
- 美術愛好家
- 「これはホレスの最近の作でね、手に入れるのに苦労した
よ。フフフ……」
わざわざヒソールの居ない時間帯を狙って侵入するなど、確かにプロの仕業ではある……。
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