キャンペーン08第一話『食欲の3人 慈母の涙と馬面男』


目次


キャンペーン08第一話『食欲の3人 慈母の涙と馬面男』

 プレイ時期:1993/08/15

 コード:08

主要登場人物

 幻真転法の家系の没落貴族の剣士:カイラス・ラ=ルーテ

 占い師でもある従者:イラーク・イスティーム

 色力象呪を使う貴族令嬢:イシェナ・ハールアイム

 ルコンヤの魔剣に乗っ取られる仮面の剣士:クセル・コーアスタ

 微笑み魔神なグロウスの司祭:フィッツ・アルク

 逃げ足の速いスケベなワルガキ:ラン・ウルト

シナリオメモ

・黄金パターンで行こう!

・ねじ込む相手は、内職の依頼主?

依頼

・アリアネの依頼を受ける。偽名はアリア。

・不良品を抗議に行ったら、けんもほろろにあしらわれたらしい。

「『小娘と交渉する気はない』って言うのよ。言葉で交渉する気がないなら力で交渉するしかないでしょ? 穏便に済ませるためにも、腕が立つって分かりやすいあなたたちを雇ったわけ」

・実は、店に残る霊気が気に入らなかった。

・この事は、店で一戦交えてから、話すかもしれない。

「実はね、ここに潜んでる怪しい奴を引っ張りだしたかったのよ。でも、思ったより用心深かったようね」

ラブコメネタ

 イシェナ「カイラス、あなた、こういったのが趣味だったの!?」

背景の敵とプロット

・影から操る、悪代官と悪徳商人。

・社に眠る秘密を狙う。「レーム」

・「慈母の涙」の秘密を狙い、悪代官が策を練る。

・その陰には、豪商の姿が。

・社を守る、神官。その娘。

・神官を陥れようとする陰謀。

・失敗し、やけになって娘をさらう、手下。

・それが原因となり、計画が崩れていく。

事実関係と展開のガイドライン

・社に、盗品がおかれていたのを「偶然」発見したレノンが、お上に訴えた。

・実は、それを仕組んだのは、ユシャムであった。

・ケレトの所から盗まれたという、二百万の髪飾り。

・妻の遺産だという、代々伝わってきた貴重な品で、一目でそれと分かる代物。

・こんな物、盗んでどうなる物でもない。売れっこないからだ。

・レノンは気付いて、盲進し、捕まる。

・ラモンを引っ立てようとする。

・助けたりしている隙に、ナーラトが真珠を盗み出す。

・ネティアが気付いて、訴える。

・しかし、ユシャムが握り潰す。

・レノンを乗っ取ったナーラトが、部下のチンピラに襲わせる。

・偶然、助ける。

「神のお導きでしょう。お助け下さい」

・影に消えるレノン。

・怪しむサレス。

・一行にに相談を持ち掛ける。

・相談している間に、ネティアがさらわれる。

・ユシャムは、気付かれたと思うと、ラモンを人質に取る。

お約束

「この御方をどなたと心得る! 恐れ多くも、サロウェル九公家が一つ、ラ=ルーテ家の当主、カイラス様にあらせられるぞ!」

設定など

ファランセ・こうこく
ファランセ公国《国名》
 ユーロ王国の西南西、ロー・フィーム湖の東岸に位置する大国。もともとは大ユーロ期のユーロ王国の一部であった。ユーロ地方では現在のユーロ王国に匹敵する国家規模を誇っている。
 指導者は4106年時点でファランセ公クリィカ・タットゥ・ユナファ。タットゥ家はユナファの分家であり、ユーロ王国の継承順位も持つ。
 産物としてはロー・フィーム湖の魚介類を用いたものが有名。
 西にはロー・フィーム湖。北には紅蓮戦争で亡んだソーン王国連合の首都クノイック・トゥムのあったクノイック山がある。
 首都は登録人口35万人のファランス。他に大規模な都市としてはマシェカン、トリィーアなどがある。
ファランス《都市名》
 登録人口三十五万人のファランセ公国の首都。政庁はファランスの丘と呼ばれている。百年前、ファティ・タットゥ・ユナファにより、「繁栄の礎石」の力を借りて興された町。
 貝紫染め、貝の干物を特産とする。
 4107年時点の指導者はファランセ公クリィカ・タットゥ・ユナファ。  双船亭などがある。
ファティ・タットゥ(・ユナファ)《人名》
 ラティス・ナティスやカティア・ナーフィールと共に、探求者をしていた。百年前ファランスの町を「繁栄の礎石」の力を借りて興した功績者。
クリィカ・タットゥ(・ユナファ)《人名》
 ファランセ公国の支配者ファランセ公。ファランセ公国ファランス出身。47才。
 凡庸な君主であると言われているものの、国家を安定して発展させた功績は大きい。
ラセール・ヨーム《人名》
 ファランスの辣腕宰相。ファランセ公の為ならば、独断でも行動する。ファランセ公に絶対の忠誠を誓っており、ユーロに独断で暗殺の手を伸ばしたこともある。
 実はファランセ公クリィカの私生児であるが、クリィカ自身はその事を知らない。愛した女性の息子なので取り立てて見たら、有能だったので重用しているだけである。
 父クリィカ、養父マーセン。ファランセ公国ファランセ出身。27才。切れ長の目を持つ、鋭い雰囲気の美男子。
イシェナ・ハールアイム《人名》
 ひ弱なお嬢様に見える。しつこい。嫉妬深い。おっちょこちょい。涙もろい。許嫁を追いかけている。
 サロウェル九公家の一つハールアイム家の令嬢。
アリアネ・クイノ《人名》
 父アキウについて来た、ニモト人。
 13才で小柄でかわいいらしく、将来が楽しみであるらしい。
 好奇心旺盛で活発。やたらと元気。場を盛り上げるのに精を出す傾向があり、はずむような調子でまくしたてる。身振りが激しい。
 予知の成績は悪かったとはいえ、ニモトの学問一通りを学んでいるのでかなり強い。
 カイラスらにはアリアとマクワウィア風の名を名乗り、ニモトの信用通貨単位を報酬として提示した。
ラモン・レィシャム《人名》
 親族としては娘ネティアがある。
 ファランセ公国レクト=カナ出身の「命抱きし水の母」サーシャレィの神官。42才。
 どこか苦悩を隠せない表情を持つ。頑固で厳しく、若気の至りを許せないタイプ。ときどき不意に口篭る。
 サーシャレィの神力と癒しに熟達している。
 「慈母の涙」を持ち逃げして、ナーラトを開放する遠因を作った。その事を恥じて、残る二つの「慈母の涙」を守ってきた。ナーラト開放事件の時に知り合った女性と結婚した。
ネティア・レィシャム《人名》
 ラモンの娘。詣でに来る人にはラモンの嬢ちゃんなどと呼ばれている。ファランセ公国ファランス出身、4089年282日生まれの17才。
 肩までの黒い直髪で、痩せ型。
 献身的なたちで、どんなに苦しくても耐え抜けるだけの強さがある。辛い事があると、髪の毛の端をギュッと握り締める癖がある。
 料理と家事が得意。サーシャレィの神力もかなり扱える。まだ気付いていないがエフェクの光の異能を持っている。
 母は、彼女を産んだ時に死亡した。
ケレト・セラム《人名》
 豪商。材木問屋と服飾屋を経営している。
 ロー・フィミク出身の53才。
 太っている。がらがら声。残忍。容赦を知らない。こびながらも、相手を操ることに長けている。裏では召喚術も多用している。
 炎の蛇×2、粘液獣を配下とし、黒魔ナーラトを呼び出す壷を持っていた。
 実は魔物と結んでおり、これまでに六人の女性を生贄にささげて来た。魔物に放火させ、立て直しでぼろ儲けして資金を作った。
ユシャム・マーハト《人名》
 ファランセ公国ファランス出身の騎士で、巡回検察官。43才。
 長細い顔立ちで、いわゆる馬面。陰湿で調子に乗りやすい。権威をかさにきる癖がある。
 剣術と馬術はなかなかのものであるが、賄賂とゴマスリで出世した。
レノン・ラート《人名》
 通称先走りのレノン。双子の弟サレスがいる。
 ファランセ公国ファランス出身の19歳。おっちょこちょいで、思い込みが激しく、正義感が空回りしやすい。
 剣術と体術に長けている、ちんぴらどものリーダー。
サレス・ラート《人名》
 通称後の祭りのサレス。双子の兄レノンがいる。
 ファランセ公国ファランス出身の19歳。
 優柔不断で、考え過ぎて好機を逃す傾向がある。
 地のリーアと体術を使う、ちんぴらどものリーダー。
ローレン・アイルハート《人名》
 流しの傭兵で用心棒。23才のごつい大男。
 無口で、喋らないせいで酷い目に巻き込まれた事は数えきれない。剣術と体術、操念法を操る。
 ケレトの用心棒をしていた。
ナーラト《魔人》
 黒魔ナーラト。酷薄で裏切りを好むことで知られる。
 闇に同化して攻撃を無効にすることができ、人を乗っ取る能力を持つ存在。

プレイレポート

前書き

 8月15日のセッションの報告です。

 人数は、5名。いずれも結構長い事TRPGをプレイしてきた友人達です。

 東京から帰ってきた友人を迎えるため、新しいキャラクターでプレイする事にしました。

 没落貴族の当主で、再興のために金を稼ぐ、女嫌いで誇り高く、高慢で、卑屈な(生活のためなら……)、幻身転法と剣術の使い手、カイラス・ラ=ルーテ。

 カイラスの従者で、再興のために胃を痛めながらも働く、卑屈な平和主義者で、占術とシハート系符術の使い手、イラーク・イスティーム。

 カイラスの許嫁の従者で、剣の影響で人格が変わり、挙げ句の果てに、仮面の剣士に変身させられる、離婚暦のある雇われ剣士、クセル・コーアスタ。

 許嫁のもう一人の従者で、常に笑顔の変わらない、「暗黒の支配者」グロウス(別に邪悪な宗教ではない。人間の暗黒面を、真面目に見つめるのが教義)の司祭で、にこにことした微笑みと、酷薄な言葉とが、相手の恐怖を誘う、ほほえみ魔人こと、「狂気の笑顔の」フィッツ・アルク。

 今回の舞台、ファランセ公国首都ファランスのチンピラ、ケチでスケベで、せこくて自信過剰の、スリ師、ラン・ウルト。

 以上がPCでした。

 常駐NPCは、カイラスの従者で、もとお目付役の、忠義一徹の守銭奴、爺ことハーク=マイ・イスティーム。

 カイラスの許嫁で、逃げるカイラスを追いかけている、しつこく、嫉妬深く、直情型で、すぐに涙ぐむ、色力象呪、催眠術、操念法の使い手で、名門貴族の三女、イシェナ・ハールアイム。

 依頼者で、謎の力を行使する、十三才の少女、アリア。

 これらのメンバーで、パーティが構成されました。

展開

 初夏の陽光の元、一隻の貨客船が、桟橋にその身を横付ける。荷物を降ろす船員以外に、客が三人。カイラスとイスティームの爺さんと、イラークである。

 ファランセで宿を取ったカイラス一行が、爺の尽力でアリアの依頼を受けた所でイシェナ一行が追いついてきて、すったもんだの末に合流した。

 案内人として雇ったランと共に、アリアに不良品を売った服飾店への抗議をするのについて行く。

 用心棒に遮られ、睨み合う。そこに兵士(警察)を率いた騎士(刑事)がやって来る。

 いさかいがあった後、いったん引き上げる途中で、影に消える能力を持つ、謎の追跡者の干渉を受ける。

 そのあと、騎士といさかいを起こしているうちに消えた用心棒達が、「命抱きし水の母」サーシャレィの小神殿を、包囲しているのに出くわす。

 兵士がやってきて救出を妨害したが、連れ去られようとする神官を救出する。

 ランの隠れ家で、神官に話を聞く。

 服飾店の主人の持つ、代々伝わる珍しい形式の首飾りが盗まれて、それが神殿の祭壇に隠されていたのだという。それで容疑者として連行するからとのことで、服飾店の用心棒が来たらしい。

 狙われる心当たりはないかとの問いに、魔物を封じた大きな川真珠を持っていることを明かす。真珠の回収と娘の救出を請負い、隠形の呪符を作って神殿に向かうと、すでに荒らされていた。

 あまりに都合よくあらわれる馬面の騎士と豪商との関係に不信を抱き、姿を隠したまま店に向かう。店を出て来る馬面を見つけ、後をつける。

 娘を人質に、神官に、真珠を作り出す呪具のありかを教えさせようとしていることが分かる。

 結界を張り、その中に騎士と護衛の兵士を引きずり込み、馬面を捕まえて尋問する。豪商が、真珠の事を教えたことを白状する。

 幻身転法で、馬面とその部下に変身して、豪商の店に乗り込む。娘を救出後、豪商に戦いを挑む。豪商は、実は召喚術者であったが、苦戦の末に倒す。

 かつて真珠に封じられていた魔人に、カイラスが乗っ取られる。十八年前に神官が誤って開放した魔人だった。カイラスの体を抜ける時に、意地と誇りの力でカイラスは真珠を奪い取り、魔人は逃げ去った。


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