星間民族紛争 百科事典
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ん
- いさん
- 遺産《用語》
- 人類が地球から追い出された「大追放」によって、民族ごとの移民船団が編成されてそれぞれ別の星系に腰を据えました。そこで彼らが
発見したのが謎の星間国家の遺跡でした。
科学技術の抹殺を目標としていた当時の人類は、移民船の破棄と同
時に遺跡の破壊を行いました。
それらの破壊から、なんらかの理由によって生き残った遺跡から回
収された超科学の産物が「遺産」と呼ばれています。
人類が再び宇宙を駆け巡っているのは「遺産」のおかげだと言えま
す。科学技術は、知られている限りでもっとも進んでいる場所でも、
せいぜい二十世紀前半程度の水準にすぎませんから。
もっとも、表に出ない組織の中には、もっと優れた科学技術を保持
する集団もありますが。「遺産」の技術水準のほうが圧倒的に高いた
めに、「遺産」をめぐる各国・各組織の争いは絶える事がありません。
- いどうそくど
- 移動速度《データ》
- 超光速航行時、カタツムリで時速1光年、アローで時速 1.5光年が相場です。
- うちゅうこうこうみんぞく
- 宇宙航行民族《データ》
- 宇宙船製造装置を持つモンゴル人、ギリシャ人、ブギス族をはじめとして、バスク人、テュルク人、漢民族(特に華僑)等です。
彼らは有力民族ですが、宇宙航行を割と好んで行っているために他
の民族に嫌われています。
- うちゅうせん・の・にゅうしゅ
- 宇宙船の入手《データ》
- モンゴル船とギリシャ船は、製造装置の能力の高さもあいまって、大量に売られているので、割と手に入れやすい物です。
- かんおう・かんち
- 感応感知《超能力》
- テレパシーを用いて生命体の存在を検知し、その位置を判別する事ができる超能力。超能力と組み合わせると好きな人間のそばに出現す
る事が可能になる。
- ギリシャ・じん
- ギリシャ人《人種》
- 構成国家は、ギリシャ共和国連合。
惑星アテネに残された自動生産装置により、円盤状重力推進機を生
産して各国に売りさばいています。
商船を売りさばくだけでもうかるためか、それほど商売熱心ではあ
りません。
- ギリシャ・せん
- ギリシャ船《船種》
- 惑星アテネに残された自動生産装置により生産された円盤状重力推進機を取り付けた機体。
いわゆる転輪艇、俗称「カタツムリ」。
重力場をゆがめる、円盤状の発動機が特徴です。高速に達するのに
時間がかかる、燃費が悪い等の欠点もありますが旋回半径ゼロは大き
な魅力だといえます。
大型戦闘艦、大規模輸送船に向いています。
- けんじゃ・の・いし
- 賢者の石《道具》
- 移民船で使用された高度技術の一つでマイクロマシンの種。
音声入力による命令を受領して活性化し、与えられた目的を解決す
るためのシステムを作成するために増殖・自己再編成を行う。ただし
基本的には安全のために寿命が設定されており、定期的な寿命の再初
期化を行う「聖杯」と称されるコンピュータシステムを使用しなけれ
ば、活性化後一ヶ月前後で自己崩壊する。
本来はつくもがみ計画の派生物の一つである。
- こうらい・じん
- 高麗人《民族名》
- 国家名は高麗。主星は開京。朝鮮半島北方山岳地帯系。
百済との紛争が続いている。
- コンピュータ
- computer《解説》
- この世界では、コンピュータの存在は忘れられています。
考える機械があった事は知られていますが、それに対する嫌悪はも
のすごい物があります。
- じくうせんこうそうち
- 時空穿孔装置《解説》
- 宇宙は実は極微のワームホールで満たされているのですが、そのサイズがプランク長未満であるために通常はそれを利用する事はできま
せん。しかし物理法則を局所的に歪める技術を利用する事によって、
ワームホールを利用可能な状態にする事が可能です。これを行なう装
置を一括して時空穿孔装置と称します。
- しゅうり
- 修理《解説》
- 宇宙空間での修理は、組み立て式のドックを格納してあり、必要な時に展開、与圧してやると、宇宙服なしで船外での修復が可能になる。
構造的には、引っ張り強度の強い気球のようなものなので、切り裂
く力には比較的弱く隕石などに弱いため、用心のために宇宙服を着込
んでいる必要があります。
この宇宙服は基本的にそれほど行動の妨げにはならないものです。
- じゅうりょく・しょうへき
- 重力障壁《兵器》
- じゅうりょくしょうへき・はっせいき
- 重力障壁発生機《機械名》
- スコーピオン《武器名》
- セルジオのブラスター。三菱重工製。
重力波を投射して、潮汐力で破砕する。
- スペーススキン《道具名》
- 皮膚や衣服に張り付くように生成される簡易宇宙服。顔面以外は空気を事実上含まないために腕や指を容易に曲げることが可能で、細か
い作業も容易である。
温度調整とある程度の放射線防護が可能。呼気は別途用意する必要
がある。
- そうさ・きゅう
- 操作球《用具》
- 考えるだけで操作できる脳波感知型の操縦機構と、三次元ディスプレイを一体化したもの。
- タイ・じん
- タイ人《民族名》
- 国家はシャム王国。主星バンコクで、ほかには主要星としてアユタヤなどがある。女性優位。
- ダイレクトサイト
- direct sight《用語》
- いわゆる直観能力のことを指すピジン英語。
直観能力
- たしんつう
- 他心通《超能力》
- テレパシーのこと。本来は仏教用語。
テレパシー
- たんち・き
- 探知器《解説》
- 受動探知機は発動機の持つ重力場の歪みを捕えるものなので、大きな質量体のそばにいると発見されにくくなります。
能動探知機も、極小ワームホールを対象区域にばらまいて物質密度
を探るものなので、時空穿孔装置の例に漏れず重力場の強い所では使
えません。
- ちきゅう・ちせいか・けいかく
- 地球知性化計画《計画名》
- マイクロマシンと結晶電位式分散型コンピュータを使用して生活環境のすべてを人間に操作可能とするという計画。
この計画があまりにもうまくいきすぎたことが、人類が地球を離れ
なくてはならなくなる直接の原因となった。
つくもがみ計画
- ちょうこうそく・つうしんそうち
- 超光速通信装置《機械名》
- 超光速通信装置は、能動探知機と基本原理が同じです。相手との間にワームホールを開いて交信するものです。
- ちょっかん・のうりょく
- 直観能力《用語》
- 直観能力とは、初めて出会った対象の本質を見抜く能力の事です。どうやらある種の超能力らしいと考えられています。
出会った人物が、自分にとってどういう意味を持つのかや、初めて
手にした道具の使い方を理由もなく知る事ができる便利な能力です。
使用方法のまったくわからない「遺産」の利用が可能になった裏に
は、直観能力者の存在がありました。
「技術の僕」と糾弾され迫害されたてきたために、また様々な組織
が道具として利用しようとして来たために、直観能力者である事を明
らかにする人物はほとんどいません。
しかし遺跡調査を生業とする人々には、多かれ少なかれ直観能力が
あるはず。そう考える人々によって有能な発掘者の多くは追われてい
ます。
- つうしん・ぎじゅつ
- 通信技術《解説》
- 一般に宇宙船間の連絡用にはレーザ通信と無線を装備している。場合によっては発掘品の超光速通信装置も使えるかも知れない。
レーザ通信は相手の場所を正確に認識している必要があるものの、
ほとんど傍受できないという大きなメリットがある。
- つくもがみ・けいかく
- つくもがみ計画《計画名》
- いわゆる地球知性化計画の別称。生活環境のすべてをマイクロマシンと結晶電位式分散型コンピュータによって統括し、有効に活用でき
るようにしようという計画。
21世紀初頭の地球環境の壊滅的悪化と人類社会の崩壊への最終的な
対策として打ち出されたこの計画は予想以上に成功してしまい、最終
的に人類は地球から追放されることになる。
地球知性化計画
- ニップ《呼称》
- 日本人の蔑称。ジャップよりもきつい。
- にほんじん
- 日本人《民族名》
- 居住惑星、構成国家などすべてが不明。その科学技術は遺産のそれに匹敵・陵駕さえするという。
もっとも早く科学を復興させたと言われている。また「大追放」の
原因を作ったのは日本人であったと伝えられている。このため宙船乗
りの一部を除いて、すべての人間が嫌い、軽蔑している。
邪悪の根源、悪魔の顕現などと言われている。通称ニップ。
- のうどう・しょうへき
- 能動障壁《兵器》
- 重力駆動装置の漏洩振動を利用した重力干渉により、目標を破壊するバリアの一種。レーザを屈折させて、そらす事もできる。
ただし、射程はごく短い。
- バスク・じん
- バスク人《民族名》
- 国家名バスク共和国。主星はゲルニカ。
一般にカセリオという、田舎家にすむ。カセリオの相続権は、男女
を問わず、第一子に与えられる。
- ブギス・ぞく
- ブギス族《民族名》
- 構成国家はブージ王国。主星はパロポ。その他の主要星としてはウジュン・パンダンなどがある。
比較的早く宇宙航行に乗り出し積極的に宇宙を旅しているために、
他の民族からは嫌われている民族の一つです。独自の笹の葉型の宇宙
船を操り海賊すれすれの商売をします。もちろん時には海賊に早変わ
りしますから、商人兼海賊として怖れられています。
パロポにあった製造装置によって作られる、笹の葉型の船を操る。
この船は、アッラーのお恵みであると信じられているため、船を売る
事はない。また、報復を怖れて、中古市場で売買される事もない。そ
のため、笹の葉型の船をみたならば、たいていの人は急いで逃げ出す
ことが多いだろう。
もともとインドネシアの優れた海洋民族で、水田方式の米造りにも
優れた成果をあげていた。養蚕を行い、絹織物を作る。
敬虔なイスラム教徒。王の事を、ラジャと呼ぶ。女系家族制度。
義理人情が厚く、喧嘩っ早い。また宵越しの金は持たない楽天家で、
絶対に人の悪口を言わない。
自然と人間は調和する物であると考えている。自分達を迫害する者
には、断固たる報復(キサース)を行う。この報復はキサース・ブギス
として怖れられている。戦いにおいては、一人一殺・格闘第一主義で
夜襲を得意とする。弓矢は使用しないで毒液を塗った短剣(ピソ)を用
いる。
家屋は高床式てあり、屋根には日本の神社と同じ千木(ちぎ)をつけ
ている。
- ヘラクレス《艦名》
- ギリシャの最強艦として世に知られた発掘戦艦。
その装備は発掘兵器が多くて、最大性能はギリシャ人自体にもよく
は判らなかった。『宇宙戦艦ヘラクレスの生涯』
- ほうだい・の・うちかた
- 砲台の撃ち方《解説》
- 水晶玉のような重力探査装置などのディスプレイを操作して、焦点を合わせ、ペダルを踏むことで行います。基本的に視線照準です。
- マイクロマシン
- micro machine《技術名》
- マイクロメートル程度のサイズの機械とそれを作成するための技術をさす言葉。分子サイズの機械で静電気や化学反応を利用して動作す
るために、生体と似たような特性を持ち生体との親和性が高くできる。
また、自己増殖能力を持たせやすい。
星紛ではナノメートルクラスのナノマシンも含めてマイクロマシン
と呼んでいる。
- マッキンリー
- McKinley《艦船名》
- 来歴不明・高性能の特務母艦級の船で、シルビアの父の遺品。
自己修復・燃料精製までが可能な一種の万能艦で、戦闘艇を十機ま
で格納できる。居住性は異常に高く、30人程度まで陸上と変わりの無
い生活が可能なほど。
武装は、対レーザ能動位相障壁、対物粒子銃4挺、通信兼用大出力
レーザ砲6門、電磁式物質投射砲(電磁砲)2門。重力カタパルトに
より、機動爆雷の投射が可能。また、発掘兵器の閉重力爆弾2個、核
反応遠隔抑制装置1機を装備。
レーザ光圧により、光子帆船を推進可能。
ロケット推進による非重力推進を用いることで、受動探知機に引っ
掛らずに移動できる。
備品は、艦載機4機(最大搭載可能数は10)、特殊小艇6機、装甲車
2台、無人探査機4台および、それぞれの予備部品である。
- もんごる・じん
- モンゴル人《人種》
- 構成国家は、エヘ・モンゴル・ウルス。
惑星「大都」に産する自動生産装置により作り出された、時空穿孔
機を用いて、宇宙に乗り出している。主に、傭兵・星系守護(弱小星
にとっては、半強制)を仕事としています。
宇宙からの技術による支配であるために、モンゴル人はその国家そ
のものも一般に嫌われいます。
- もんごる・せん
- モンゴル船《船形》
- 惑星「大都」に産する自動生産装置により作り出された、時空穿孔機を用いて作られた宇宙船。細長い、割とスマートな船です。
その形状から、針状艇・紡錘艦・「ハーンの槍」・「アロー」等と
呼ばれています。宙船乗りは、一般にアローと呼んでいるようです。
自動生産装置製の船の例に漏れず、サイズはいろいろあります。
アローは高速で燃費もよいのですが、旋回半径が大きいために、高
速商船、一撃離脱型の小型戦闘艇に向いています。
- ワークバブル《道具名》
- 宇宙空間での作業用の大気のある空間を作り出すための道具。
可視光線に対してのみ透明なマイクロマシンによる泡上の膜を展開
して、与圧された作業空間を作り出す。
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