しゅぺる :1996年、4月21日。
:エピソードの性格について、今回は阪井六郎と対談します
阪井六郎 :エピソードはなにかと対比して関連させればわかりやすい
:かな。あれってつまり「ト書き」の集まりなわけでしょ。
:芝居の台本とかと本質的には変わらない。それを読んで楽
:しいものにしようとしたら、こりゃストーリーを楽しませ
:るしかない。演劇や映画なら視覚的な楽しみがあるし、小
:説なら文学的な楽しみがあるけど、ト書きはそういうのか
:ら純粋にストーリーだけを抽出したようなもんだから、こ
:りゃぜひともストーリーを面白くしなきゃならない。
しゅぺる :ストーリーを楽しませるということで発展させていくとそ
:れは既にト書きではなくなるような。あ、ト書きってのは
:ストーリーの台本という意味で使ってるのかな。
阪井六郎 :むむ。ト書きって台本じゃなかったの?(汗)
しゅぺる :ト書きって、ストーリーの最初につける紹介文みたいなの
:じゃないかい。ちょっと調べて見よう。……やはり「台本」
:で良いようだ。(笑) 話を戻そう。狭間エピソードの発展
:にはストーリーがよかったという点がある。多人数で書い
:たにもかかわらずだよ。よくうまくいったものだなと思う
:のだけど、どうしてうまくいったのか。
阪井六郎 :そりゃストーリーがいいからでしょ(笑) ……まあでも、こ
:のト書き形式ってのは書きやすいというのもあるだろーね。
:ストーリーだけ純粋に書くんだから、だれでも気軽に書け
:る。で、だれでも気軽に読める。それでいてストーリーが
:面白いってんだからこりゃ発展もする。
しゅぺる :ストーリーを毎回ぶつ切りにしてみるとどうだろう。エピ
:ソードを単発で見てみる。するとやはり魅力というか面白
:さが半減するね。けどそれは、エピソードが過去のものか
:ら繋がっているという事を示しているわけで、TRPGでいう
:と、立派にキャンペーンプレイになっている。ネット上で
:は単発プレイもままならないのに、キャンペーンになって
:しまうというのは魚雷やね。
阪井六郎 :ネット上でキャンペーンが成立しないのは時間がかかるか
:らでしょ。EPはいわば一つの話を一人が一気に書き上げ
:てしまうわけだから、この時間の壁はクリアできる。
:A KIND OF MAGIC における THE BELL THAT RINGS INSIDE
:YOUR MIND IS CHALLENGING THE DOOR OF TIME ってなもん
:だ。(?)
しゅぺる :ピーチクパーチク。で、しかも面白かったから続いたとい
:うわけだね。結局エピソードの成功は「おもしろかったか
:ら」というのが大きなファクターだね。
阪井六郎 :それも確かに大きな因数(ファクター)だけど、他にもいろ
:いろありそう。
しゅぺる :そこで(笑) エピソード書きとキャラとの因果関係につい
:て触れてみたいのだ。要はこれが言いたかった。キャラに
:感情移入するのは当たり前なんだけど、今回の場合、長く
:続いたことによって更に感情移入が深まった。らぶらぶな
:んてのは、まさにそのあらわれだ。恋や愛だけは、面白半
:分で扱えるテーマではないし。そういう気持ちがあるから
:こそ、「観楠」があれほど悩んだりするんですよね。
阪井六郎 :面白半分で扱っているような気もしないではないが(笑)
:感情移入についてはまさにその通りだとおもう。分身とし
:てるのがだいぶきいてる。で、さらに愛着が深まるっての
:は、他の人からのつっつきで変わっていくというのも考え
:られるけど、なんといっても理想をキャラに反映してるか
:らってところもありそう。こんな能力があったらいいなあ、
:ってのを全部付けてしまう。そー考えると浅井素子なんか
:は女性化願望ってのか(笑)
しゅぺる :じゃあ美々ちゃんとかは、どうなるんだ。朝氏と関係した
:い一心でいずみさんが創造したのか。(爆笑)
阪井六郎 :いや、そりゃキャラの独り立ちってやつやろ(笑)……と思
:う(笑) としておこう(爆笑)
連絡先 / ディレクトリルートに戻る / TRPGと創作“語り部”総本部