エピソード４『かなみ争奪戦幕開け』

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エピソード４『かなみ争奪戦幕開け』

かなみ

「(緊張している)」

大輔　

「カリカリカリカリ(……スケッチ中)……よ、よい、の…… よいっと、さぁできた」

かなみ

「ふぅっ、(緊張したぁ……)　大輔兄様ありがとう(喜)」

素子　

「どれどれ……へぇ、さっすが師匠！　可愛く描けてるよ、 かなみちゃん(笑)」

大輔　

「ふはははは！　このくらい朝飯前だわ!!」

素子　

「でも……何でSDキャラになってるんですかぁ？」

大輔　

「は……(硬直)」

かなみ

「父様、父様ぁ!!(嬉々)」

観楠　

「はあい、はい……(厨房から出てくる)なにかあったのか な？」

かなみ

「あのねあのね！　大輔兄様ってすごいのっ！　兄様、魔 法使いなのよっ(興奮)」

観楠　

「(笑)？　えっと……(なんの事だろ)」

かなみ

「あのね、かなみを描いてくれたの。そして画用紙をポン ポンって叩いたらこのお人形が挨拶するのっ！」

観楠　

「へ？　へぇ……(ますます判らないぞ？)　このお人形が 喋るのかな？」

かなみ

「でね、この子一人で動けるのよ！(さらに興奮)」

観楠　

「(ダメだ……さっぱりわからん……)」

素子　

「店長、店長！　あのですね……(云々)　というわけなん です。かなみちゃん、そりゃもう喜んじゃって(笑)」

観楠　

「なるほど。出雲さん、お世話かけまして……どうもすみ ません(笑)　かなみちゃん、ちゃんと『ありがとう』は言ったかな？」

かなみ

「うん！　大輔兄様、ありがとう！……(チュッ)」

大輔　

「え……(照れっ)」

観楠　

「!!　(ひきぃっ)」

その他

「おぉお〜(拍手＆口笛)」

素子　

「わお。師匠ってばやっるぅ〜(笑)」

朝　　

「(カランカラン)　観楠ぃ、おるかぁ〜」

観楠　

「!!(ばきどかぼかげしげしげしっ)　ふぬぅーっ！(怒)」

朝　　

「いきなりなにすんねん！　やり返すっ!!(怒)　うりゃ！ ほりゃ！(ばきばきどかどかっ)」

三彦　

「あれって、店長の……(笑)」

素子　

「うん、決定的。ヤキモチね……店長ってば(笑)」

朝　　

「ぜぇぜぇ……いきなりなにすんねん！」

観楠　

「し、知らん！　ぜぇぜぇ」

朝　　

「どうせかなみがらみのことなんやろ？　例えば……」

かなみちゃんがいることも知らずに、思いっきり父親であることを否定してしまう観楠の姿が頭の上の空間に浮かび……

朝　　

「これか！」

観楠　

「ちゃうわい！」

朝　　

「それやったら……」

店に来たちょっとかわいい女の子と、親しそうにしゃべっている所をかなみちゃんに見られて誤解されるの図が……

朝　　

「これやな！ お前ってやつはほんまに……」

観楠　

「ちがーう!!」

朝　　

「じゃあなんや！ ゆーてみー！」

観楠の首をがしがし絞める……

朝　　

「よし、作戦変更。かなみちゃーん、なにがあったのか　 なー？」

かなみ

「あのねぇ、大輔兄さまってすごいのよっ！(云々……)」

素子　

「で、店長がね(笑)」

朝　　

「(にやり……)　ほぅ、そろそろ父親としての意識が出始 めたかぁ？　それとも、まさか……？」

観楠　

「で、この子の名前はなんて言うのかな？」

かなみ

「えーと……」

人形　

「かなみちゃんってゆーのよ」

かなみ

「ダメ！　それはわたしの名前だモン！　父様と同じなん だからぁ。ネ！　父様」

観楠　

「はは……そーだね……でも、別に良いと思うんだけど？」

人形　

「良いと思うんだけど？」

かなみ

「ダメっ！　絶対にダメなのっ!!」

観楠　

「(……割と頑固な子だなぁ)　じゃぁ、どうしようかな？」

朝　　

「そぉやなぁ……“ミニかなみ”、はどぉや？」

素子　

「“プチかなみちゃん”、とか……？」

美樹　

「“ちびかな”……で、いいんじゃないかな……(本をめ くる)」

三彦　

「“マイクロかなみちゃん”、とか」

三郎　

「おぉ！　なら“極小かなみちゃん”でもいいかもしれ ん(笑)」

大輔　

「……小さくすれば良いってモンでもないと思うけど？」

文雄　

「まったく。もっとわかりやすく……そーだな。人形のか なみちゃんを略して“にんかな”はどうかね？」

三郎　

「うーん、かなみちゃんのバリエーションということで　 “バかな”なんてのはどう？」

観楠　

「三郎君！　それはあんまりだぞっ!!　人形といえ、かな みはかなみ！ 娘の悲しみは、親の悲しみだっ！」

一同　

(沈黙(^^;)

大輔　

「あのぅ、店長？　描いた(呼び出した)の一応私なんスけ ど(^^;　どっちかというと、私の娘じゃないでしょーか　ねぇ??　アハハハ……」

かなみ

「もうっ！　『かなみ』は、かなみと父様だけのなのっ！」

人形　

「だけなのっ！」

三彦　

「うーむ……かなみちゃんと、この人形って……(苦笑)」

素子　

「そうよねぇ〜、結構いいコンビに見えるよね(笑)」

三郎　

「しかし、根本的な問題が解決しとらんが」

観楠　

「……じゃぁ“ミか”はどうかな？　かなみって使ってな いよね？」

かなみ

「みか……(考えてる)　うん、それにする！　父様ありが とう！　いーい？　これから“ミか”って呼ばれたら返事するのよ？」

観楠　

「(つ、疲れた……)　良かったね、かなみちゃん(笑)」

各人元の場所に戻る

朝　

「…………なぁ、観楠」

観楠

「あぁ？」

朝　

「あのネーミングって……『ミニかなみ』の『ミ』と『か』 をつけただけちゃう？」

観楠

「ばれたか……まぁ良かろ？　喜んでくれたし……」

朝　

「……おやじやな(笑)」

観楠

「なんとでも言え(笑)」

翌日……

素子　

「かなみちゃん、かなみちゃん」

かなみ

「なぁに？　素子姉様」

素子　

「これなーんだ？」

かなみ

「わあ、ちっちゃなお洋服。……わかった！ この子のお 洋服ね！」

素子　

「ぴんぽーん！……欲しい？」

かなみ

「うん！」

素子　

「はい、どうぞ(笑)」

かなみ

「素子姉様、ありがとう！(笑)」

観楠　

「へえ……素子ちゃんってそういうの得意なんだ」

素子　

「実は……違います(笑)　家にあった人形の服の中で、母 が作った仕立てのいいのを持って来たんです。もうあたしはいりませんし」

かなみ

「じっとしててね。うーんと手をここに通して……あ！　 動いちゃだめ！……ほらそこは頭のとこでしょ、もう」

素子　

「かなみちゃんも喜んでくれてますし(笑)」