- 素子
- 「ひまですねえ……」
- 観楠
- 「暇だねえ……」
- 素子
- 「あ、店長。お客さんですよ」
- 観楠
- 「おや?、始めて見る顔だね」
- 素子
- 「めずらしいですね、いつものメンバー以外の人が来るの」
- 観楠
- 「素子ちゃん、それはちょっと言い過ぎじゃない(苦笑)」
- 素子
- 「(無視) 何かお探しですか、喫茶でしたら右に回って下
さい」
- お客
- 「あの……店長さんは……」
- 素子
- 「店長ですか? てんちょー、お客さんのご指名」
- 観楠
- 「あ、はい。なんでしょう」
- お客
- 「あなたがここの店長さんですの?」
- 観楠
- 「そうですが……なにか?」
- お客
- 「ああ……会いたかったですわ、お父様!」
- 観楠
- 「は、はい?(汗)」
- お客
- 「まさかお忘れになったんじゃ、そんな事あるわけござい
ませんわね。よろしいでしょう。教えてさし上げます。わたくしは“かなみ”。あなたの娘ですわ!」
- 観楠
- 「と、言われましても……(汗)」
- かなみ1
- 「思えば長い道のりでした。あれはそう、わたくしがまだ
幼稚園に通っていた頃……(うだうだ)……」
- 素子
- 「娘って……まさかほんとにお子さんなんですか?!」
- 観楠
- 「ちがーうっ! 断じて違う!!(ハアハア)」
- 素子
- 「あ、店長。また、お客さんですよ」
- 観楠
- 「(助かった……) いらっしゃませ……え?」
- 客2
- 「ああ、会いたかったぜぇ。観楠ぃ」
- 観楠
- 「ちょ、ちょっと、いきなり抱きつかないで下さい」
- 客2
- 「いいじゃないか、あんたとあたしの仲なんだからさ」
- かなみ1
- 「ちょっと! お父様から、離れなさい! 汚らわしい!」
- 客2
- 「お父様ぁ、何言ってんだい。こいつはお前の親父じゃな
くて……」
- 観楠
- 「そうですよねぇ(ほっ)」
- 客2
- 「あたいの親父なの(うふ)」
- 観楠
- 「ちがーうっ!(目の幅涙)」
- かなみ1
- 「まっ、この“かなみ”のお父様を、自分の親父だなんて。
そんなことありえませんわ」
- 客2
- 「かなみだぁ? なんでおめえが“かなみ”なんだよ。
“かなみ”ってのはあたいの事だって、きまってんだよ」
- かなみ1
- 「まっ! “かなみ”といえば、このわたくしです」
- かなみ2
- 「おれだ」
- かなみ1
- 「わたくしです」
- 客3
- 「あのー、すいません。店長さんは、どちらにおられるん
でしょう」
- 観楠
- 「(ハアハア) はい、なんですか」
- 客3
- 「ああ、なんて感激なんでしょう! お父さん、私です
“かなみ”です!」
- 観楠
- 「はぁ?」
- 客4
- 「へえ、あんたが私の父上?……まあまあってとこね。あ、
一応自己紹介しとくわね。私はあんたの娘の……“かなみ”ちゃんって呼んで!(キラキラ)」
- かなみ
- 「ただいまっ、父様っ!……なにやってるの?」
- かなみ1
- 「お父様!」
- かなみ2
- 「観楠ぃ」
- かなみ3
- 「おとうさん!」
- かなみ4
- 「父上、」
- 観楠
- 「ああぁぁ……夢なら早く覚めてくれぇぇ……」(目の幅血の滝涙状態)
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