- 彼方
- 「(トントントン) 美樹さん、いるかい? 留守かなぁ
……今日中に会わないといけないのに、何処行ったんだろ(溜息)」
留守だった……しかたなく、美樹の所属しているSF研の知り合いに電話をしてみる。
- 電話の人
- 「え? 狭淵? なんか、彼なら今日は吹利学舎へ行くと
か言ってたなぁ……なんでも、近場のパン屋がどうとか」
- 彼方
- 「パン屋ぁ!? なんです、それ?」
- 電話の人
- 「さぁ、よくわからんケド……かなり遅くなるって、言っ
てたよ」
- 彼方
- 「そうですか、どうもありがとう……しょうがないですね」
- 寮生
- 「いやいや、どういたしまして。じゃ……(がちゃん)」
- 彼方
- 「(吐息)……吹利かぁ……パン屋だって? なんだかなぁ
……とりあえず、行って見るかな? まだ時間あるし……」
吹利駅にて……
- 彼方
- 「取りあえず来てみたけど、パン屋って何処だろう?
『ベーカリー楠』だったっけ?」
ふらふらと歩きながら、それらしいパン屋を探して廻る。
で、気がつくと、自分の居場所が分からなくなっている。
いつもの事である。
ようやく立ち止まり、辺りを見回す。
- 彼方
- 「日が暮れて、きた。どうしよう?……しょうがない、人
に聞いてみよう。……すいません、『ベーカリー楠』ってどこにあるか、知りませんか?」
- 三彦
- 「ああ……それなら、ここから1/3浬ほど南南西にいっ
た所にだな……さらばだっ!」
- 彼方
- 「……行ってしまった。あ、あの、『ベーカリー楠』って
どこにあるか知りませんか?」
- 三郎
- 「日本!」
- 彼方
- 「まともな人はいないのか? ここは……? あ、あの人
なら大丈夫かな?」
- 朝
- 「『ベーカリー楠』……? あ? ああ観楠のところね?
今からちょうどいくところやから、いっしょに行く? しかし、あんなところになんの用事なん?」
- 彼方
- 「狭淵さんが、そちらにいると聞いたんで。たいした用
じゃ、ないです」
- 朝
- 「まあ、ええけど。すぐ近くやし」
数分歩く
- 朝
- 「ここやで」
- 彼方
- 「『ベーカリー楠』……ここですね」
- 朝
- 「……そうゆわんかったか?」
- 彼方
- (聞いてない)「狭淵さん、狭淵さん……いた。狭淵さ
ん!」
- 狭淵
- (本を読んでいる)
- 彼方
- 「狭淵さん!」
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