エピソード21『いつもの一日』


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エピソード21『いつもの一日』

(某月某日朝
出雲の仕事場にて)
担当 
「(どんどんどんっ!) 先生、先生っ!」
大輔 
「げげっ! もう来たのかっ……まだ2ページしかできて ないのに……(大汗)」
担当 
「先生! 開けてください、早くっ! (どかどかどかっ)」
大輔 
「相当怒ってるな、これは……でも、どうしようもないぞ? こうなったら……逃げよう!!」
担当 
「(どんどんどんっ) 居留守はムダですっ!」
大輔 
「(ベランダから脱出中)」
担当 
「こーなったら合い鍵で…… (がちゃ) 先生、 原稿っ! ……ってあぁっ!! また逃げた!!」
同日昼前
ベーカリー楠にて
大輔 
「……というわけで、大変なんですわ、コレが(笑)」
観楠 
「なら……こんなトコにいてもいいんですか?(苦笑)」
大輔 
「まぁ……何とかなるでしょ。あれ? かなみちゃんはい ないんですか?」
観楠 
「いま幼稚園にいってますよ(笑) もうそろそろ帰ってく る頃ですが」
亜紀 
「(カランカラン) え、と……」
大輔 
「(あ! あれは…まずい!!)」

絶対ばれるのに何故か隠れてしまうのはテーブルの下……

観楠 
「いらっしゃいませ」
亜紀 
「あの……こちらに出雲先生はきておられませんか?」
観楠 
「出雲先生? あぁ、 少々お待ち下さい (営業スマイル) 出雲さん、お連れさんですよ……あれ? いない……」
亜紀 
「(つかつかつか…) ココかぁっ!!」
大輔 
「や、やぁ亜紀さん、奇遇ですねぇ(汗)」
亜紀 
「ふっふっふ。も〜ぉ逃がしませんよセ・ン・セ・イ」
大輔 
「あ、亜紀さん……穏便に、落ちついて……(苦笑)」
亜紀 
「コレが落ちついていられますかっ! さぁっ! 仕事場 に戻りましょうねぇ〜(悪魔の微笑み)」
大輔 
「いや、あの。これには訳があって、今、私の部屋には間 違えて呼び出した幻獣たちが山ほどいて、狭いスペースを占拠してしまったから、仕事ができなくて……いやぁ、つらいなぁ(笑)」
亜紀 
「その事なら、ご心配なく。まとめてお預かりして、校正 の方にちゃんと出しておきますんで、先生は目の前のお仕事にだけ集中してもらえればいいんですよぅ (悪魔の微笑み)」
観楠 
「しょうがないですねぇ(笑) お仕事、頑張って下さい。 あ、コレ……差し入れです」
亜紀 
「あら、どうもすいません(おほほ) お騒がせしました〜 さ! 先生、いきますよっ」
大輔 
「トホホ……」
亜紀 
「ホホホ……」

大輔は、捕まった家出猫が首の後ろを捕まれて連れ帰られるように、うなだれて「ベーカリー楠」を去っていった。

かなみ
「(カランカラン)父様、ただいまっ!」
観楠 
「おかえり、かなみちゃん(笑)」
(同日夜
出雲の仕事場にて)
素子 
「しっしょう〜、買って来ましたよ」
大輔 
(かりかりかりかり)「あ、ありがと……」(ふらふら)
素子 
「カップ麺にカロリーメイトに紅茶とウーロン茶のパック、 あと今日の夜食におにぎりとラーメン」
亜紀 
「素子ちゃんも、たいへんねぇ」
素子 
「いつもの事ですから(笑) さあ、師匠、ペン入れ終わっ た分貸して下さい。消しゴムかけますから。あと5枚ですよ、ファイトファイト!」
亜紀 
「先生、明日の12時がリミットですからね」
大輔 
(かりかりかりかりかり)「ああぁ……(目の幅涙)」

かりかりかりかりかりかりかりかりかりかりかりかりかりかりかり

大輔 
「……浅井ちゃん、"ストップ"って白魔法じゃなかったっ け?(ボソ……)」
素子 
「時空魔法(キッパリ)」
大輔 
「……そうかぁ……(カリカリカリ)……"スロウ"は?」
素子 
「同じく(キッパリ)」
大輔 
「………あ、そうだったかな……(カリカリカリ)…… "デ ジョン"は?」
素子 
「黒魔法。しかも特殊エリア内では、使えないでしょ」
大輔 
「チッ……あ、"ライブラ"は白魔法だ。亜紀さんの属性調 べて、弱点魔法で攻撃をしかけよう!」
素子 
「……無駄と思いますけど。亜紀さん、師匠のカーバンク ル手なずけてましたから、ホラ」
大輔 
「え!? あ、あいつ主人を敵に回すつもりだなぁ(怒)」



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