(某月某日午前)
- 観楠
- 「うーん……この辺りも久しぶりだな……」
- かなみ
- 「父様、朝兄様はどこにいるのっ?」
- 観楠
- 「えっと、もう少し向こうの……あぁ、あそこだよ」
- かなみ
- 「朝兄様、おきてるかな(笑顔)」
- 観楠
- 「かなみちゃんが声掛けたら、どんなねぼすけさんでも起
きちゃうよ、きっと(笑) あぁ、着いた着いた」
- かなみ
- 「父様、朝兄様のお部屋はっ!? ピンポン押すのっ」
- 観楠
- 「えーと、確か二階の左側……ココだよ」
- かなみ
- 「う、んっ! も、すこし……」
- ミか
- 「(かなみの頭へ)ん……、これ?」
(ピン……ポ、ーン)
- かなみ
- 「あぁーっ! ミか、押しちゃったぁ! かなみがしたかっ
たのにぃ(ぶー!)」
- 観楠
- 「あらら……(苦笑) さて。朝ぇ〜、おるかぁ〜」
- 女の声
- 「はぁーい……」
- 観楠
- 「はぁーい、って……え゛えっ……部屋、間違えたか?」
(がちゃん、きぃ……)
- 女性
- 「はい?」
- 観楠
- 「(…び、美人!) とと、す、すいません、部屋間違……」
- かなみ
- 「朝兄様いますか?」
- 女性
- 「朝……兄様?」
- 観楠
- 「あぁあぁ、いえ、その、あの……(大焦)」
- 女性
- 「ひょっとして …… かなみちゃん ? かなみちゃんで
しょ!?」
- 観楠
- 「は、はぁ?」
- かなみ
- 「うん、かなみよ!(笑顔) 兄様にあいきにたのっ!」
- 観楠
- 「あの……(困惑) ココって、日阪の……」
- 女性
- 「えぇ、あってますよ(笑) 湊川さんですね。お待ちして
ました。どうぞ、あがって下さいな」
- 観楠
- 「は、はぁ、どうも……(さらに困惑)」
- かなみ
- 「おじゃましまぁす!」
- 女性
- 「朝君、かなみちゃんが来たわよ〜。すいません、まだ寝
てるんですよ(苦笑) 昨日はかなり遅かったみたいで……」
- かなみ
- 「(ぱたぱた……からっ)あ! ねぼすけさんの朝兄様みー
つけたっ(笑)」
- 朝
- 「む……ん……ん? あれ、かなみがおる……なんで……」
- 観楠
- 「俺もおるぞ……おはようさん」
- 朝
- 「ふぁ……ぁ……ふぅ……」
- 女性
- 「はい、コーヒー」
- 朝
- 「……タバコ……」
- 女性
- 「だめよ。子供がいるんだから、ちょっと我慢!(笑)」
- 朝
- 「き、貴重な目覚めの一服が……しゃーない(こくっ)」
- 女性
- 「目、覚めた? 朝君」
- 朝
- 「ん……ありがと、桐子」
- 観楠
- 「(と、桐子だぁ?) おい、朝!」
- 桐子
- 「湊川さんも、どうぞ。かなみちゃんは、コレね」
- 観楠
- 「あ、こりゃ……どうも……いただきます」
- かなみ
- 「ありがとう! いただきまぁす」
- 桐子
- 「朝君、私ちょっと出かけるね、すぐそこまで……湊川さ
ん、どうぞゆっくりしてって下さいね」
(……かちゃん)
- 観楠
- 「さて……おいっ! お前っ……誰だよっ!」
- 朝
- 「俺は日阪朝やないか(笑)」
- 観楠
- 「んなこたぁ、わーってる! だから、あの……」
- 朝
- 「桐子のコトか? あれ、ゆーてなかったっけ?」
- 観楠
- 「しらん! ゆーてない! きーてもない!」
- 朝
- 「そーか(笑) まぁ……そーゆーこっちゃ」
- 観楠
- 「でもなぁ……なんであんな美人がお前なんかに……」
- 朝
- 「まぁ、普通に生活してるとやな、こういうコトもあるモ
ンや。誰かみたいに、そこかしこで手ぇ出してへんし(笑)」
- 観楠
- 「誰かって、こら! 俺かて普通の生活しとるがな!!」
- 朝
- 「隠し子まで作ってるくせに……(笑)」
- 観楠
- 「ちーがーう!」
- かなみ
- 「ねぇねぇ朝兄様ぁ」
- 朝
- 「ん?」
- かなみ
- 「桐子さんって、朝兄様のおよめさんなの?」
- 朝
- 「まぁ……嫁というかなんというか……」
- 観楠
- 「なんでや……納得いかんぞ…むぅ……」
- かなみ
- 「朝兄様、いいなぁ……あ、でもね! かなみもおよめさ
んになるのっ(笑顔)」
- 観楠
- 「!!(ぴくくっ)」
- 朝
- 「(コイツは……) ふーん、かなみは誰のお嫁さんになる
んや?(忍び笑)」
- かなみ
- 「あのね、かなみね!! とう……」
- 観楠
- 「ああーっと!!」
- 朝
- 「ど、どないしてん?」
- 観楠
- 「いや、あのその……なんだわ……あ、あぁ! ちと自販
機買い行ってくるわ……」
- 朝
- 「“自販機”買いにいくんか?(笑)」
- 観楠
- 「う、うるさいっ!」
- かなみ
- 「(きょとん)?」
- 朝
- 「難儀なヤツ……(まぁ、わかってたけどな)」
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