エピソード33『(仮称)かなみちゃん誘拐事件』


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エピソード33『(仮称)かなみちゃん誘拐事件』

観楠が一人で歩いていると、スーツ姿の男が近寄ってくる。

「湊川観楠さんだね? 私は、こういうものだが (警察手帳を見せる)ちょっと、そこまでおつきあい願いたい」

男は、観楠を車に乗せて、つれていこうとする。

観楠
「はぁ? あの、なにかの間違いじゃないですか?」
「あんた、“みなとがわかなみ”なんだろ? じゃぁあってるんだよ。とにかく来てもらおうか?(威圧)」
観楠
「ちょ……ちょっと待って下さいよ! 私がなにをしたって言うんですかっ!? 痛た、放して下さいよっ!!」
「(観楠を引き寄せる) お前、娘がいるな? しかもごく最近から」
観楠
「な……(どきっっ)」
「単刀直入にいおうか。命が惜しいなら、娘を渡してもらおう。あれは、お前如きが扱えるモノじゃない」
観楠
「……何者だよ、あんた? 警察じゃないよな……」
「質問してるのはこちらだ。さぁ、答えを聞こう」
観楠
「答えは……こうだっ!! (腕を振りほどいて逃げようとする)」
「逃げられるかっ!!(足払い)」
観楠
「あっ!(転倒)」
「お前、命が惜しくないようだな?(観楠の頭を鷲掴み)おい、こいつを車に!」
観楠
「う……あの娘を……あの娘を渡すもんかっ!」
男2
「うわぁぁぁっ!」
「どうしたっ!!」
竜胆
「ふぅ。今日はヤケに邪な波動が多いわねぇ…… (振り向きざま)甘いわっ!」
男3
「(消滅)」
観楠
「り……竜胆……ちゃん?」
「邪魔が入ったか……(ちっ)命拾いしたなっ! (消える)」
観楠
「た……すかった(吐息)」
竜胆
「店長さん? だ、大丈夫ですか?」
観楠
「まぁ、なんとか……助けてくれてありがとう(笑顔)」
竜胆
「お怪我はありませんか? 偶然ですけど、助けられてよかった。それにしても……今日は変ですね。あちこちで邪な気を感じます。なにかあったんでしょうか?」
観楠
「さ、さあ。急にやつらが脅してきたからね……」
竜胆
「とりあえず、お家に戻られた方が良いと思います。バイクの後ろでよければ、お送りしますけど」
観楠
「……お願いしようかな……竜胆ちゃん、僕の家を知ってたっけ?」
竜胆
「知りません(きっぱり) はい、ヘルメット。ちゃんとあご紐を締めて下さいね」
観楠
「り、竜胆ちゃん? 知らないのにどうやって……」
竜胆
「ここで曲がるとか、後ろで言っていただければ、だいたいわかりますから」
観楠
「……(不安)」
竜胆
「早く乗って下さい。また、変なのが来たらまずいです」
観楠
「う、うん。ところで、どこを持ってたらいいのかな?」
竜胆
「ジーンズのベルトループのところを親指で引っ掛けるようにして下さい。あと、曲がる時は、恐いからって、傾いてる方と逆に向いたりしないでくださいね。こけちゃいますから。じゃ、行きますよ」
「仲間がいたとは、予想外だった。……こちら三班。目標Aは、バイクで南西に逃走中。ナンバーは○○○○。尚、人間を消滅させる能力を持つ仲間と合流している。われわれは追跡に向かう。応援をこう。どうぞ」
???
「わかった。確保作業の終了した班は、直ちに目標Aの確保に移れ。ただし、目標Aは能力者一人と合流した模様。十分に注意せよ。発砲は許可する。以上」
「了解」
竜胆
「……(ミラーを見て)店長さん! つけてきてます!」
観楠
「えっ? 何か言った?」
竜胆
「さっきのやつらが! 跡を! つけてきてるんです!」
観楠
「ええっ?(後ろを向く) 本当だ……」
竜胆
「抜け道に入りますか? それとも、このまま振り切りましょうか?」
観楠
「え、どうすればいいんだ? 竜胆ちゃんに任せるよ!」
竜胆
「はい! じっとしてて下さいね!」

それまでは素直に道路を走っていたが、竜胆は追っ手を振り切るため、「すり抜け」を始めた。
 ちなみに、タンデムの「すり抜け」は、危険ではある。

竜胆
「うーん。振り切れない……! 店長さん。もしかすると、戦闘に入るかもしれません!」
観楠
「ええっ、そんな……」
竜胆
「つけてきた時点で、おかしいとは思ったんですけど、なにかやらかしたんですか?」
観楠
「……実は……」
竜胆
「店長さん、先に聞いておいてなんですけど、お話はあとにしましょう。本気出しますから。ここで振り切っておかないと……」
観楠
「竜胆ちゃん!」
竜胆
「はい!?」
観楠
「そこ、右へ曲がって……で、次のカド左に……おわぁっ」
竜胆
「しっかりつかまってて下さいねっ!」
竜胆
「で、次はどっちへいけばいいですか?」
観楠
「ちょっと待ってて……(隠れて様子を見る) 店の方はダメか。さっきの黒服見たいのがいる……ごめん、マンションまでお願いできるかな?」

2人は観楠のマンションに向かったが、そこにも黒服たちの姿が……

竜胆
「(あれは……) 店長、まずいです!」
観楠
「くそっ、こっちもか!……竜胆ちゃん、幼稚園……伝明寺幼稚園知ってる?」
竜胆
「パン屋からなら……踏切越えた向こうですね?」
観楠
「そう。かなみちゃん迎えに行きたいんだ……勝手ばかり言ってほんとにごめんね」
竜胆
「乗りかかった船ですから(笑) あとで、ちゃんと事情を説明して下さいね」
黒服
「……C班から本部。目標はポイントCを通過、ポイントDに向かう模様」
応答
『了解。そちらは既に手を打ってある。C班は目標追跡に移れ』
黒服
「了解」
観楠
「先生、みどり先生!」
みどり
「あ、あら? かなみちゃんのお父さん!?」
観楠
「あの、かなみを迎えに来たんですが」
みどり
「え!?」
観楠
「え!? って、なんですか?」
みどり
「あの、先程警察の方が来られて……お父さんが事故に遭ったからって、かなみちゃんを迎えに」
竜胆
「それって……店長さん!」
観楠
「やられた……あぁ、なんてこった!!」
みどり
「あ、あの……まさか……(動揺)」
観楠
「あぁ、いえ。なんでも」
「みどりぃ、誰か来てんのか? あれ、かなみの父ちゃん?怪我はいーの?」
観楠
「望……(苦笑) まぁね……お邪魔しました。いこう、竜胆ちゃん……」
竜胆
「……これからどうしましょう? どうにかして、竜王様たちに連絡が取れないでしょうか?」
観楠
「無理なんじゃないかな……くそっ!」
竜胆
「店長さん……あの黒服の狙いは、かなみちゃんですね?」
観楠
「……そうみたいだね」
竜胆
「……大丈夫ですよ。かなみちゃんは生きてるんですから。これから、かなみちゃんを迎えにいく計画を立てましょう」
観楠
「……ありがとう、竜胆ちゃん」
三彦
(うむ、今日は良い買い物をした。ちょいと修学旅行で余った金を使って、ガス手榴弾5,霧マスタード噴霧器、パチンコ1、それに……念願の三八式歩兵銃 (無可動実銃) を買ったのだ!!……金は完全に無くなってしまったが、良い買い物をした……む、彼方より爆走バイクが?!)
竜胆
「あれ? あれって酒井君じゃ……」
観楠
「ほんとだ。どうしてこんな所に……」
三彦
(む……む……見た所豊秋殿のようだが…… 後席は一体誰だろう)
竜胆
「!!」
観楠
「ど、どうし」
竜胆
「酒井君の後ろ!!」
三彦     :(……6時方向?!)(SE
ギィィィィイ)
竜胆
「奴らの車だ!……くそっ、道を塞がれた」
観楠
「下りて来る!」
三彦
「(ほー、 ブローニングハイパワーか……え? 黒のモデルガン……は、規制で無くなったし……)  店長、どうなされた」
観楠
「酒井君、また後で!」
竜胆
「方向を変えます! つかまってて下さい!」
「止まれ! 撃つぞ!」
観楠
「うわっわ……」
竜胆
「しゃべると舌かみますよ!」
観楠
「2人とも銃向けてる!」(ちゅーん)
三彦
(撃った?!)
観楠
「ダメだ、次はほんとに撃たれる!」
竜胆
「これで全力です! (こんなことなら加速仕様にしておけばよかった……)」
観楠
「……あれ?」
竜胆
「どうしました?」
観楠
「2人、きゅうに咳き込みだしたけど……」
三彦
「店長、状況はどうなっているのでありますか」
観楠
「あれ?! 三彦君……その原付は?」
三彦
「路上放置車両の撤去に協力したまでです」
観楠
「あ、そう……それより後ろの2人、君がなにかしたの?」
三彦
「ああ、霧マスタードの溶液瓶をあの2人の足元に叩き付けまして……おかげで3800円プラス消費税の損害ですね」
観楠
「そう……とにかく追われてるんだ!」
三彦
「店長が? それとも豊秋殿が? あの連中にでありますか?」
竜胆
「私が走ってたら、店長が追われているのに出会って……」
三彦
「そうでありますか……ブローニングハイパワーといいあの黒服といい、これは内閣調査局か公安か……陸幕はワルサーを好んで使うのでちがうでしょうが、とにかく大きな組織であることは変わりませんね……ブローニング・ハイパワーか……これならその道のプロもよく使ってますね」
竜胆
「その道って……」
三彦
「殺り屋さんとか、ボデーガード……要するに用心棒……とか、その辺の方々も……ただ、ブローニングを使うのは、古手の手練であることが多いですね……ところで、敵軍は何者か解って無いのですか?」
観楠
「ん……まあ……どうやら、かなみちゃんを狙ってるらしい……ことは解ったんだけど……」
三彦
「厄介ですね……これはまた」
竜胆
「早くしないと、また奴等が!」
観楠
「ち、ちょっと待って! えーと、えーと(焦) 三彦君、免許は!」
三彦
「『原付の操縦』は可能であります」
観楠
「よし。竜胆ちゃん!」
竜胆
「えぇ、行きますっ!」
黒服1
「げぇっほぉ! くそったれ!(涙目)」
黒服2
「かはっ。と、とりあえず連絡だ……こちらD班。ターゲットをロスト……うっ! げほげほぉっ!!」
竜胆
「で、これからどこへ?」
観楠
「(ここは確か……) じゃぁ、次の信号で左、そう、そこのカド。で、曲がったらコンビニの前を右折ね!」
竜胆
「わかりました!」
三彦
「……やはり原付ではムリがある……おぉ曲がったぞ。急がねば」
観楠
「(振り返る) うん、 まいたみたいだね。 三彦君は……あぁ、来た来た」
竜胆
「ここって……高級マンション? はぁ〜」
観楠
「うん。確か朝がいるはず……」
竜胆
「朝さんって、1人でこんな所に住んでるんですか?」
観楠
「いや、正確にはそうじゃなくて……もう一つ向こうのカドを左に入って、そうそう」
竜胆
「(朝さんってスゴイのねぇ……)」
桐子
「朝君。お昼、なにがいい?」
「ん? そーやなぁ……」
桐子
「なんでもいいっていうのは無しよ(笑)」
「見抜くか……(笑)」
桐子
「和・洋・中。お望みは?」
「じゃぁ……和にする」
桐子
「はい、良くできました(笑顔) 和食、和食っと」
「(さて一服)……ちょっと出てくるわ」
桐子
「すぐにできるわよ?」
「いや、タバコが無いから……買〜てくる」

(ぴぃぃぃぃぃぃんぽぉぉぉぉぉぉぉん)

桐子
「朝君、おねがぁ〜い」
「誰やろ……はい?」
観楠
『あ、朝? おったか、よかった。開けてくれ、早く!』
「なんや観楠か。どないしてん?」
観楠
『すまん、あとで話すから!』
「……ちょっと待っとき。桐子ぉ」
桐子
「なぁに〜?」
「観楠が来よったから……入れたってええ?」
桐子
「私はかまわないわよ。人数が多いのもたまにはいいわね」
「許可が出た。開けてやろう」
観楠
『あと2人おる!』
「そーゆーのは先に言え。で、誰?」
観楠
『竜胆ちゃんと三彦君!』
「……また妙な組み合わせやな。娘はおらんの?」
観楠
『その話はあと! とにかく早く開けてくれ!』
「(えらい慌てとるなぁ)……ほれ」
観楠
「サンキュ!」
竜胆
「今の所って……『隅田』って……あぁ、なるほど(笑)」
観楠
「そういうこと。とりあえずだけどね、これからのこと考えよう。……三彦君は?」
三彦
「バイクを隠さないと、と思いまして。やっておいたであります」
観楠
「ありがと。さぁ行こうか」
「観楠とあと2人くるから、5人やな」
桐子
「めずらしいわねぇ……こんな時間に。なにかあったのかしら?」
「よーわからん。なんか慌てとったけど……あ、来たみたいやな。どないした……(ドアを開ける)」
観楠
「おわぁ!(開いたドアに顔をぶつける)」
「……なにしてんねん(呆)」
観楠
「お、お前って、お前って……(目の幅涙)」
竜胆
「こんにちはぁ」
三彦
「失礼します」
桐子
「朝君、できたわよぉ〜」
観楠
「なに? 桐子さん、いたんか!?」
「ここはあいつの家やからな。許可が出たとゆーたやろ。まぁ、あがり」
観楠
「……すまんね、邪魔する」
「邪魔されよう(笑)」
桐子
「さぁ、どうぞ召し上がれ(笑顔)」
観楠
「あ、どうもすいません。いただきます」
「で、一体なにがあったんや? 」
観楠
「あ……」
「……」
観楠
「う……と……」
「なにかあったんやろ? で、ここに来たんとちゃうの?」
観楠
「それは……そうなんだ……けどな」
「とにかく喋ってくれな、こっちもなにも言いようがない」
観楠
「……」
「普段揃うことのないミョ〜な面子で他人の家に転がり込むんやから……ははぁ。お前、なんかしたかされたかあったやろ?……あ、かなみ……」
観楠
「(!!)」
「に、悪さしたな? (笑) 違う? じゃぁ、また 『大嫌い!』とか言われて落ち込んでたとか?(大笑)……冗談や。で? 」
観楠
「……お前を巻き込むコトになるかもしれん」
「はぁ? 」
観楠
「でも、どうしても信用できる人間の助けが欲しい」
「?? よーわからん」
観楠
「……あの子が、かなみが……さらわれた」
「ちょ……はぁ!? それって……??」
観楠
「助けにいかなきゃならないんだよ! あの子……くっ!」
「落ち着け。状況がようわからん(竜胆を見る)」
竜胆
「あ、えーと……かなみちゃんが、誘拐されたかも知れないんです。はっきりしたことはわかんないんですけど、90%間違いなさそうですね」
三彦
「誘拐とは物騒な。……犯人はあの黒服達ですかな?」
「誘拐? 黒服? おい、観楠」
観楠
「(吐息)今日、お昼頃。迎えにいったんだよ、幼稚園まで。その途中に……変な男が声かけてきて……警察だ、と言ってたけど……で、いきなり連行されそうになった。で抵抗したんだけど……」
「かなわんかった、と」
観楠
「あぁ。で、そこで偶然」
竜胆
「わたしが通りがかって……今日はなんだかあちこちで忙しくて。で、お助けできたんですけど」
三彦
「結果、彼らに追われていると言うわけですな」
「ふぅん…… 黒服の方は…… わかった (俺もあったもんなぁ。幻術で逃げたけど) でも、肝心なところがわからん」
三彦
「娘さんはどこで絡んでくるのでありますか?」
観楠     :「それは……(黒服
『あれはお前如きが扱えるモノじゃないんだよ』) 組み合った時に言われたんだよ。娘は預かったって。まさかと思って、幼稚園に急いだんだけど……」
「遅かった、というわけか。……なぁ観楠」
観楠
「?」
「それで全部やな? 」
観楠
「お……おぅ」
「(なにかあるな、まだ) さて。これからどーすんの?」
竜胆
「竜王様とか、大輔さんとかにも知らせた方がいいんじゃないですか?」
三彦
「確かに。救出作戦を展開するにもこの人材、人数、装備ではチト不安がある。……多すぎるのも問題だが」
観楠
「警察に頼むわけにはいかないし……かといって電話を使うのもなんだか不安だし」
「盗聴の危険性は無いと思うけどな……ここは桐子ん家やし。まぁ、なにかあるわけにはいかんからなぁ」
竜胆
「あ、弾き語りNETでメールするのはどうです? 」
「なるほど、いい考えかもしれん……けど送った相手がアクセスせえへん可能性は十分にあるな。でも、なにもせんよりはましやろ……打てるだけの手は打っとこう」
三彦
「単独行動をとれそうなのは面が割れてない日阪殿だけですな。ここに(メモする)連絡を」
「どこの番号?」
三彦
「部下達に召集をかけて下さい」
観楠
「あまり君たちを巻き込むようなことは……」
一同
「もう、巻き込まれてるって(笑) 」
三彦
「知り合いの非常時に協力できないような輩は帝國軍人として見過ごすわけには。来なかったら銃殺だ」
竜胆
「乗りかかった船、じゃないですか(笑) 大丈夫、かなみちゃんはきっと無事です」
「まぁ、暇つぶし……にはちょっとハードやけどな。しゃーない。つきおうたろ(笑) 」
観楠
「(すまん……)」

 MAIL FROM (CHO)

 観楠に非常事態。下記へ連絡されたし!(大至急)

 ▲▲▲▲−●●−■■■■


「こんなもんでええやろ。事情は……来てから説明するんやな?」
観楠
「うん……それしかないかな(焦)」
「まぁ人が集まるまではおとなしくしとこ。焦ったらあかん」
観楠
「それはそうだけど……(深呼吸)」
「ほなちょっと行ってくるわ……電話」
三彦
「お願いします!」

万が一の盗聴の危険性を考えて公衆電話から連絡する事にし、朝は表に出た。

竜胆
「さて。これからどうしましょぅ? 」
観楠
「竜胆ちゃん……相手の位置がわかるとか言ってなかったっけ」
竜胆
「うーんとですねぇ。正確に言うなら霊体を感じるコトができるってトコです。個人個人に多少違いはありますけど、彼らみたいに毛色の違うヤツなら一発です」
観楠
「ふ、ふぅーん……霊体ねぇ。そんなに違いが出るモノなんだ? 」
竜胆
「わかりやすく言うと☆ 良い霊と悪い霊……悪霊ってやつですね。コレって根本的に違いますから、探し出すのも簡単楽勝! 私から逃れられる悪党なんていないのよっ!この……天才! 最強! そして『絶世の美少女』転生戦士豊秋竜胆が、極楽へ行かせてあげるわっ! おーほほほほほほ!! 」
観楠
「り……竜胆ちゃん??(大汗)」
三彦
「あいかわらずですな」
竜胆
「それはさておき。まずはやってみましょうか。……更ちゃんでいいや。……いた! えーっと、駅前かな? 」
三彦
「……動かない斥候だな」
観楠
「ほんとにわかったの? 」
竜胆
「ホントですって。すいませ〜ん、電話おかりしまぁす」
観楠
「どこへ?」
竜胆
「彼の携帯電話です ……あ、 これテブラコードレスですね……もしもし更ちゃん?」
剽夜
『なんだ、あきりんか』
竜胆
「今どこにいるの?」
剽夜
『吹利の駅前だ。それがどうかしたのか?』
竜胆
「それだけ。じゃぁね☆」
剽夜
『約束の時間はもうすぐだぞ……って聴いて』(プチッ)
竜胆
「ね?」
三彦
「ほぉぉ〜これはスゴイ」
観楠
「約束の時間とかなんか言ってたみたいだけど …… 切っちゃっていいのかな?(苦笑) 」
竜胆
「約束……あぁっ!(焦) えと、まぁこんなモノです」
観楠
「なるほど。なら、あの子をさらった奴等の居場所もわかるね、よかった……」
竜胆
「えぇ、そりゃもう(笑) えーっと……かなみちゃん、かなみちゃん……あ、あれ? 」
観楠
「どうしたの?」
竜胆
「ちょっと待って下さいね……(ブツブツ)……なんでぇ!?」
観楠
「なにが……!? 」
竜胆
「見つかりません! なにか……なんだろ?」
観楠
「ま、まさか……」
竜胆
「大丈夫です! 店長さんが考えてるようなことは決して無いです!……多分」
三彦
「……やっかいですな。敵がどこにいるか判らぬ以上、こちらから出向いて探すしか無いのだが……この数では各個撃破されるのがオチだな」
竜胆
「朝さんが帰ってくるまで待ちましょう。私ももう一度やってみますから……これは私に対する挑戦ねっ! (めらめら)」
黒服
「御館様」
「……?」
黒服
「先程入った連絡によりますと、『本体』を手に入れることに成功。程なく帰還する、と」
「『本体』? 『器』の方はどうした? 」
黒服
「それが……どうやら逃げられた様でして……」
「……愚か者がぁっ!! 両方揃ってこその『力』であろうが!!」
黒服
「も、申し訳ございません。目下、全力を挙げて捜索中でございますので、『器』が揃うのも時間の問題かと(汗) 」
「ふん、どうせ逃げられはせんのだ……なぁ、本家よ……くっくっく……」
黒服
「……(汗)」
「本家の自覚も無くまた実力、資質ともに劣り、使命すら忘れた貴様がこのまま『力』の所有者であって良いわけがない。より優れた者が持つからこそ『力』なのだ! よいか! 全力で『器』を確保せよ。多少傷つけてもかまわん。が、殺すな。必ず生け捕りにせよ!!」
黒服
「ははぁっ! ところで、街中に確認された『雑種』共はいかが致しましょう? 」
「そうだな……あって困ることはないからな。可能な限り確保せよ」
黒服
「承知しました」
「くっくっく……分家として受けた屈辱、じっくり晴らさせてもらうぞ……湊川観楠! 」
竜胆
「あ〜、ダメだぁ! 」
観楠
「困ったな……」
三彦
「別の方法を考案せねばいけませんな」
観楠
「そうなんだけど……うーん……(大悩)」
三彦
「娘さんは何故誘拐されたんでしょうか?」
観楠
「営利目的……かな? 」
竜胆
「なら、脅迫電話が入りますよね……パターンだと」
観楠
「そうだね。でも、ここじゃなくて家か店にくるだろうから……」
三彦
「……営利目的の誘拐犯が多数で襲いかかって来たのでありますか」
観楠
「だから、理由は判らないってコトだよ」
竜胆
「あ、メールはどうかな? ……まだ反応ないみたいですね」
三彦
「……思うのでありますが」
観楠&竜胆
「?」
三彦
「見た所、店長殿も狙われているのではないか、と」
観楠
「え、そ……そうか、なぁ? でも……」
三彦
「理由がない。確かに理由はわかりませんが」
観楠
「?」
三彦
「……虎穴に入らずんば虎児を得ずという言葉通りに行動するのも手かもしれません」
竜胆
「えーと……?」
三彦
「敵の位置を特定できない。なら偵察するしかない。幸い……失礼ですが、店長殿が狙われていると仮定して話します。もしそうなら、外を出歩けば必ず敵側からコンタクトして来るはず」
観楠
「なるほど……おそらく、あの子の居場所へ連れて行かれるだろうね」
三彦
「接敵直後から豊秋殿が追跡を開始。位置が特定できたところで、救出作戦を展開する」
竜胆
「でも……危険すぎるわ!」
三彦
「かなり無茶かも知れないのは判っておりますが」
観楠
「でも、それだと確実かもね」
竜胆
「店長さん!?」
観楠
「大丈夫……って自信は無いけどね(笑) 」
三彦
「サポートをしっかりできるよう、作戦を立てます。豊秋殿、よろしいか? 」

(ぴぃんぽぉぉぉん)

桐子
「あれ?誰かしら……はぁ〜い(ガチャ)なっ、あなた達!?」
黒服達
「(どかどかと上がり込む)」
観楠
「なんだろ? あの、どうかしました……」
三彦&竜胆
「店長、下がって! (戦闘態勢をとる)」
観楠
「え……?」
黒服1
「(部屋に入ってくる)貴様ら、動……」
竜胆
「(首筋に一撃)」
三彦
「(よろけたところをねじ伏せ、銃を奪い取る) 抵抗するな!」
観楠
「あ、と、わわ……(動転)」
三彦
「貴様……誘拐犯の1人か? 」
黒服2
「そうだと言ったら?」
桐子
「い、痛っ……放してっ! 」
竜胆
「桐子さんっ! 」
黒服3
「(銃をかまえる)と言うわけだ」
竜胆
「女性を人質にとるなんて最低ねっ! 」
黒服3
「なんとでも言え。貴様ら『力』を持つ者に、なりふり構うほど頑丈じゃないんでな。銃を捨てて、そいつを解放してもらおうか?」
三彦
「……」
黒服3
「さぁて。抵抗しないならこの女は無傷だ。それと……判っているな、湊川観楠! 」
観楠
「……」
黒服3
「ふん。手間かけさせてくれたな……(殴りとばす)」
竜胆
「店長っ! ちょっと、ひどいじゃない!? 」
黒服1
「おい、傷つけていいのか!?」
黒服3
「生きていれば問題はない……手間賃だと思えば安いもんだ」
黒服2
「こいつはどうする? 」
黒服3
「保証代わりに連れていく……おおっと、妙なまねするなよ」
竜胆
「(こんなとき……更ちゃんならどうするだろ)」
三彦
「パン屋の父娘を誘拐してどうするつもりだ!?」
黒服3
「貴様如きに話すことなどない。撤収だ!」

(黒服達、観楠と桐子を連れ去る)

三彦
「……無念! 豊秋殿」
竜胆
「大丈夫、追跡はかけてるわよ……にっ! しっ! てっ!もっ! 一生の不覚ね……許せないわ、絶対! 」
「なんや、ドア開けっ放しで……」
竜胆
「あ、朝さん! 観楠さんが! ……それに桐子さんも!」
「しまった、ここも嗅ぎ付けられたんか!」
竜胆
「すいません……」
「しゃあない、気にせんとき。相手はプロみたいやし……」
三彦
「まあ、これでとりあえず、予期していなかったとはいえ作戦の第1段階は達成できたわけですな」
竜胆
「え?」
三彦
「店長殿を罠として敵位置を探査する、という計画では?」
竜胆
「……そうね……今はなんとかこの状況に対処しなければ」
「そんな計画しとったんか?(笑)」
三彦
「こんなこともあろうかと……朝氏、電源コンセントはどこに?」
「あ?……ああ、そこのタップにつないで」
三彦
「……発信機を付けておきました。店長に」
竜胆
「いつの間に……」
三彦
「これで半径20km以内に店長がいれば探知可能……な……はずなんですが」
竜胆
「で?! どこにいるか解った?」
三彦
「輝点が……無い」
竜胆
「ええっ? 場所、解らないの? まさか、もう20km以上も離れてる……とか?」
三彦
「いや……その可能性よりもむしろ」
竜胆
「むしろ?」
三彦
「発信機の電池が無い……可能性の方が」
竜胆
「……」
「……」
三彦
「と、とにかく、いくら電池が少なくなっていてもある程度の距離まで近づいたら解るはずです……500m以内とか……役には立たんな」
竜胆
「追いかけるのが一番かな……やっぱり」
「みんなは呼ばんでええんか?」
三彦
「……携帯があるんなら、追いながら支援要請をするのが一番なのでは。この状況では、店長達を見失ってしまうとどうにもならない」
竜胆
「ところで、携帯って、誰が持ってるの?」
三彦
「え……更毬殿が持っておられるのでは?」
竜胆
「更ちゃんのは着信専用だよ。かける時は公衆電話使ってるの」
「……自分が持ってるのは何や?」
竜胆
「あ、PHSです。これって、 走りながらだったりすると使えないんですよ」
「誰が走りながら使うねん」
竜胆
「ですから、車とかに乗りながらは使えないんです」
「……どないせいっちゅうねん」
竜胆
「……」
三彦
「……役に立たんでありますな」

しばらく考えた結果、竜胆と三彦が捜索するということになり、朝は桐子の家から応援を要請するということになった。

竜胆
「じゃぁ、私と酒井君であと付けますから! 連絡係、よろしくお願いします!!」
三彦
「(お……じ、女性と2人乗り……む、むむむ……)」
竜胆
「いい? いくわよ!?」
三彦
「どうぞ(汗)」
竜胆
「……ちゃんと捕まってて……そんなトコ持ってて落ちても知らないわよ? ちゃんとここに……(腕を掴む)」
三彦
「あ、あの……(大汗)」
竜胆
「 いい? ここんトコに親指引っかけて。 曲がるときは (云々)」
三彦
「り、了解であります(脂汗)」
竜胆
「じゃぁ、行って来ます!(出発)」
「行ったか。さて……観楠は帰ってきたら90発くらいかまさんといかんな。桐子まで巻き込むか……」

所変わって片山邱。片山慎也がベッドでうなされている。片山慎也は未来を見透かす夢「予知夢」を見ることができる特殊能力を持つ高校生である。

慎也
「(飛び起きる)……なんか、すんごい嫌な夢見た……」
摩人耶
「お兄ちゃん、電子メールきてるよぉ」
慎也
「……お前ね。人の道具を勝手に使うなといつもいっつも」
摩人耶
「使ってないんだからいいじゃない。だって……」
慎也
「わかったわかった、みなまで言うな。で、誰から?」
摩人耶
「CHOって人から」
慎也
「あ、そぉ。ふーん、なんだろ……」
摩人耶
「なになに?」
慎也
「……人のメールを読むんじゃないよ!」
摩人耶
「けち」
慎也
「そーゆー問題じゃないでしょーが……!? 摩人耶、電話とって」
摩人耶
「自分でとればいいじゃない」
慎也
「早く!」
摩人耶
「なに焦ってんのよ……はい」
慎也
「ありがと。(発信音) ちょっとはずしててくれる? あ、もしもし……片山ともうしますが、朝さんは……」
『あ、もしもし? 俺、日阪やけど』
慎也
「メール読みました。で……店長になにかあった……」
『詳しいことはあとや。いまから出れそう? 人手が欲しいから……』
慎也
「わかりました。顕にも連絡とってみます。三郎とかは?」
『酒井君だけやな、他はまだ。んじゃ、いつものトコで』
慎也
「すぐ行きます! (チン)さて……(ごそごそ)」
摩人耶
「なにがあったのよ?」
慎也
「ちっと出かけるわ。誰かから電話あったら……パン屋に行ったってゆーといて」
摩人耶
「あ、わたしも行こうかなぁ」
慎也
「あかんて!……んじゃ行ってくるから、後よろしく!」
摩人耶
「なによ、一体……ふ〜んだ」

慎也は急いで家を飛び出したが、ふと気が付いたことがあり、家に戻る。

慎也
「あ、慌てて出て来たから装備忘れてた(汗) 念のために装備整えてから行こう」
摩人耶
「あ、何や。戻って来たの? ん? ちょい待ち、慎也。人の大事なマウンテンバイクを勝手に乗ってぇ!」
慎也
「ちょっと忘れ物を…。あ? 自転車? まあ、気にしない気にしない」
摩人耶
「何ィ〜! 待てい!」
慎也
「お兄さんは それどころでは ないのだ 。 装備を整えんと……」
摩人耶
「……ま、いっか。(鍵かけとけ(笑))」

慌てて家に入り階段をかけのぼって自分の部屋に入る。装備を整えてるらしく部屋から、ごとごと、物音がする…。

慎也
「とりあえすぅ〜と、 まずMP5は必要だな。カバンに入れてぇっと、で、隠し持つ為にPPKも必需品っと。 念のために簡単な工具類も持って行こう。しかし、これじゃあサバゲ行く時と変わらんなあ(苦笑) よーし! 再出撃だぁ!」
慎也
「とんとんとんっと(階段降りて来る)、じゃあ行って来るわ」
摩人耶
「あ、 いってらっしゃ〜い(うふふ) まあ行けたらね(ぼそっ)」
慎也
「(マウンテンバイクのスタンドを上げながら) なんかいったか? あれ? 動かん。あ、お前鍵かけたな、番号は?」
摩人耶
「え? さ〜ね〜(にこにこ) 連れてってくれるなら教えるけどぉ」
慎也
「分かった、連れてくよ (ふっ、番号聞いたらさっさと行ったれ) で、番号は?」
摩人耶
「そーこなくっちゃ。貸して(番号合わせる) ほいっと、じゃ私これ乗るから、お兄ちゃんあっちね」
慎也
「はっ、(すっかりコイツのペースに乗せられている……)あうっ! おいらはアホやぁ……(がくっ)」
摩人耶
「お兄ちゃ〜ん、行くよぉ!(嬉しそう)」
慎也
「(ああ〜、最近こんなんばっかしやぁ) お〜け〜 (元気なさそうに)」

所変わって長瀬邸。長瀬顕はネットを自在に操る弾き語り通信クラブSYSOPの高校生。彼ははCHOこと日阪朝からのメールを受け取り、電話をかけようとしていた。

「CHO さんの番号はっと……@@@@-@@-@@@@ってか。 (プルルル)」
「はい」
『そちらに(CHO)……じゃなくて、日阪朝さんは……』
「俺。えーと……長、瀬君……やったかな?」
「あ、はい、すぱるです」
『メールを読んだんですが……非常事態というのは……』
「ああ、メール読んでくれたんやね」
「一体どういうことでしょうか?」
「事情は後で説明するから、パン屋へ来てくれへん?」
「何か緊急事態であれば、円滑に連絡をとる方法があるんですが」
「……というと?」
「弾き語り通信倶楽部は、僕の能力を使えば精神世界にも干渉することができるんです。つまり、会員がネットにテレパシーを飛ばして相互に連絡を取るための仲介役となります」
「なんやようわからん」
「そうですね、ようは弾き語り通信倶楽部の特定の会員に一時的にテレパシー能力を付与できるんです」
「そ、それってすごくないかい!?」
「ただ、こちらからの送信はテレパシーで出来るんですけど……僕はネット操作にかかりっきりになるので、こっちの世界には干渉できませんがね。用意ができたら会員さんにテレパシーを送ります。送り先は僕に委任させて下さい」
「わ、わかった」
「では、のちほどアナザーワールドで(含み笑い)」
「じゃ、じゃあ……(チンっ)」

(トゥルルル……トゥルルルル……)

「もう、忙しなぁ……はい、日阪……ああ、出雲さんか」
大輔
『やっとつながったか……あーっと、ども、まいどです』
「ああ、まいど」
大輔
『いやぁね、メール見たんですけど、やっぱ何か起こったんですか……その、パン屋の方で?』
「……まぁ、観楠が面倒なんに巻き込まれてな」
大輔
『ああ、やっぱりか』
「……ん、知ってたん?」
大輔
『ええ、まぁちょっと心当たりがあって……』
「まぁ、身から出た錆とは、よう言うたもんや」
大輔
『キツいなぁ(苦笑)……でも、観楠さん、何故朝さんの所から?』
「ああ、あの竜胆とかいう子と、酒井くんと一緒に、俺の家に来たからな。 解決するのに頭数少ないのもなんやし、仲間集めようか思うて、弾き語りにメールだしてん」
大輔
『何人かに?』
「集まりそうな何人かにな。今、片山君と長瀬君の二人か
        ;ら、電話もろうたわ」
大輔
『で、場所は何処って? 朝さんの所?』
「まぁ、とりあえず2人には『パン屋の方へ行ってくれ』言うたけど。出雲さんも、俺の家知らんやろ? 他に知ってる言うても、観楠ぐらいやったからなぁ。なら、分かる所の方が良いかなと思うて……」
大輔
『うっ……でも、それマズいかもしれませんよぉ(悩)』
「なんで? 何かあるん?」
大輔
『ええ、まぁ。……というのも、今、うちに浅井ちゃんが来てるんですわ』
「へぇ……それで?(悩)」
大輔
『本来なら、今日パン屋のバイトの日でしょ? それがうちに来てるんですわ』
「行って、観楠がおらんかったから、帰ったんちゃうの?それがパン屋行ったらあかんというのと、どんな関係があるんや?」
大輔
『本人から聞いたわけではないんで、確実な事は分からないんですけど……浅井ちゃん、どうも観楠さんがいないから帰ったわけではなくって、行った先で誰かに何かをされて、必死に逃げてきたみたいなんですわ』
「誰に? もしかして黒服?」
大輔
『ええ、たぶんそうです。……そうかやっぱ、そっちとも関係あったか』
「観楠が狙われるなら、パン屋の方もマークされてて当然か。しもたなぁ、アホな事言ったかもしれんなぁ」
大輔
『ちょっとマズいかもしませんねぇ』
「しゃーない、すぐ電話かけなおすか……って。……でも、本人が何があったか言わんって、どういうことなん?」
大輔
『うちまで来て、倒れたんです。だから、何があったのか聞こうにも聞けなくて……』
「そうかぁ。 なお、厄介やなぁ」
大輔
『どうします? 2人に電話かけなおします?』
「その方がええかもしれんなぁ。 出てたら、難儀やし」
大輔
『じゃあ一端切って、後でかけなおしてもらえます?』
「番号何番か教えてもらえる?」
大輔
『朝さん、市内でしたっけ? うちは@@@-@@@@です』
「OK。……そういや、長瀬君、さっき何か言うてたなぁ」
大輔
『何です?』
「……いや、それが……」

その時、朝と大輔の脳内部にいずこからか語りかける声が響いた。その声の主は、先程精神干渉波でネットを開いた長瀬顕こと、SYSOPのすぱる元帥であった。

大輔
『え?……うわぁっ!?』
「ん、どないしたん? ……って、うっ、何や!?」
「弾き語り通信倶楽部システムオペレーターのすぱるです。唯今より精神干渉モードを発動します。5・4・3・2・1……」
大輔
『い、いきなり、頭が……ううっ』
「さっき、長瀬君が言うてたヤツか……」
大輔
『え、何!? 今、急に頭が痛くなって、朝さんの声が聞き取りにくくなってるんですけど……(痛)』
「いや、さっき長瀬君ちに電話かけた時に、これをやるって言うてたん聞いてんけどな……まさかこんなんとは……」
大輔
『……頭の中に、直接メール送ってきてるんか……でも、これキツいですねぇ……おもいっきし、酔いそう(泣)』
「……そやな。でも俺、だいぶマシになってきたわ」
大輔
『こっちは、まだキツい……(痛)』
「一端、こっち切ろか?」
大輔
『そうですねぇ……こうキツいとかなわないからなぁ(泣)……あ、こっちから、すぱる君とこにメール送れるのかな?できるんなら、こっちで話がまとまるまで、パン屋集合は一端ストップかけた方が良いこと、伝えてもらえるけど』
「……やってみるわ。ここまでやるねんから、レス厳禁って事はないやろ(苦笑)」
大輔
『……頼みます。 では、切りますね。(痛)』
「じゃ」

 (……カチャン)

★弾き語り精神干渉モードにアクセス

「さてと……ホストアクセスはどうやるんやろ? テレパシーやから考えるだけで、ええんか?」

  (………………)

「……やっぱ、そんなうまい話があるわけないか。直電で聞いてみよ……えーと、電話、電話と」

  (トゥルルル、トゥルルル……カチャ)

(おお、こっちはちゃんとかかった(笑))
モデム
「ピーガー♪〜♪〜♪〜♪〜」
「(ズッ!)……なんで、モデムが鳴るんや。 電源消してなかったんは、別問題にしても(苦笑)」
『(カチャ)……はい、弾き語り通信倶楽部……』
「(立ち直り)ああ、長瀬君か? 実はな……」
『ID確認、パスワード確認……会員制限時間は15分です』
「(笑) ……おーい、聞いてるか?」
『メール送付状況……前回アクセスからの未読数……書き込みがありません……』
(……倒れている(笑))
『=HOSTから電報です!= sysopとの会話を希望する場合は、 "C"コマンドを指定してください』
「……"C"? チャットとか言うつもりか?(苦笑)」
顕      :『=日阪朝(CHO)
Chat in =
       : =HOST    
Chat in =……』
「……おいおい(苦笑)」
顕      :『sysop
ああ、朝さん(笑)』
「…………やっと、まともに話できるんやな、これで」
顕      :『sysop
はい、チャットですから(笑)』
「しかし……その"sysop"ってのは……(苦笑)」
顕      :『sysop
我慢してください、こういう仕様ですんで(笑)』
「……分かった、もう聞かん(苦笑)」
顕      :『sysop
で、開局してみましたが、どうです?』
「どうって、何が?(苦笑)」
顕      :『sysop
まんまの感想が聞きたいです(笑)』
「そやなぁ……いろんな意味でキツかったかなぁ(苦笑)」
顕      :『sysop
開局直後時とかですか?』
「まぁ、それもあるけど」
顕      :『sysop
気分悪くなったとか?』
「俺は、そうでもない。 ……ただ出雲さんは、さっきのでダウンしてたみたいやな。 電話の向こうで、泣きそうな声出してたから(苦笑)」
顕      :『sysop
どうも慣れないとつらいみたいですね。 接続設定を変えるわけにいかないというのが、悲しい(笑)』
「……なぁ、無理にこっちでつなげんでも、構わんのと違うか?」
顕      :『sysop
いや、こうしておかないとできない事ってのが、幾つかあるんで……(苦笑)』
「ふーん……」
顕      :『sysop
私から会員に直接メールを送って、注意を呼びかけることができるでしょ? ……今回みたいに』
「普通にホストで受け取って、何かあった時にだけ、長瀬君が直接メッセージ送るとかにしたら良いと思うけど」
顕      :『sysop
それはそうかもしれませんが……ホストの切替えは疲れるんですよ(笑) それにこれだと、端末がなくても情報交換が出来るので……』
「そんなもんなんか(苦笑) ……ところで、ここへアクセスするのはやっぱり電話せんとあかんの?」
『ええ、こちらからならテレパシーでつながるんですけど、みなさんはテレパシー能力を持ってないので……』
「わかった……」
顕      :『sysop
ところで……わざわざ電話してくるって、何かありましたか?』
「ああ……さっき出雲さんと話をしたんやけど、パン屋集合がマズいかもしれんから、別の場所にしようかと思うねん」
顕      :『sysop
まずい?』
「まぁ、いろいろあってな」
顕      :『sysop
で、場所変更しようかと』
「そういうことやな。 一応……先に連絡があった君ら二人に、電話で伝えようかなと思ってたんやけど……さっきの話やったら、これで片山君に連絡つける事もできるんかな?」
顕      :『sysop
強制メールという形で確実に届きますが……』
「彼、もう出てるかもしれんから、これで頼めるかなぁ?」
顕      :『sysop
はい、そうですねぇ……って、せっかくですから、弾き語りの会員、全員にメールを送りましょう(笑)』
「片山君だけにと思ってたけど……ええんかな?(苦笑)」
顕      :『sysop
構わないでしょう。 朝さんの所に電話していない会員も、まだメールを読んでない会員も、とりあえず皆が読むことになるでしょうから。 強制送付です(笑)』
「まぁ、それでもええか……で、テキスト送信はどうやんの?」
顕      :『sysop
一度メインに戻って、emコマンドにしてください。会員指定はこっちで打ちますし、文面も口で言ってもらえれば、こっちで処理します』
「分かった、その辺りは頼むわ(苦笑)」
顕      :『sysop
あ。 ここは"//"で抜けることができます(笑)』
「おっけぃ……//……(苦笑)」
顕      :『=日阪朝(CHO)
Chat Out =
       : =HOST    
Chat Out =……』
「……何かなぁ(苦笑)」
『……em;……』
「で……文面か、えーと……」

☆Private Message is from: HG0033 日阪朝(CHO) to: HG00@@ ○○○○
☆Time: 95/@@/@@ @@:@@:@@
☆Subj: ちょっと待ってな

    何人かに言った、パン屋集合の件やけど……
    いずもさんの話では、あそこはヤバいかもしれんから、別の所にし
    た方が良いかもしれん、という事らしいわ。
    数集まりそうなら、パン屋でも構わんけど。

    今、どこにするか決めるから、向かっている人は悪いけどその場で
    待機しといて。

        :        :日阪朝(CHO)

「一応確認したほうがええかな? ええっと……"C"」
顕      :『=日阪朝(CHO)
Chat in =
       : =HOST    
Chat in =』
「へろー」
顕      :『sysop
文面、完全に普段の口調ですね(笑)』
「台本があるわけやなし、しゃーないやろ。 まぁ、それはともかくこれで送れるんかな?」
顕      :『sysop
はい、後はこっちで出しておきます』
「……じゃ、俺の方も出雲さんと話して、すぐかけなおすと思うから」
顕      :『sysop
でわ、後ほど』
「……//……か(苦笑)」
顕      :『=日阪朝(CHO)
Chat Out =
       : =HOST    
Chat Out =』
「……で、回線切るのは"Q"か?(笑)」
『Q……お帰りの際に一言……』
「そうやな……“うきょぴー”とでもいれといて」
『……』

★苦しむ素子

大輔
「……痛つっっ……やるなら、やるって最初に言ってくれないとなぁ。あ、言ってはいたか……(泣)」
素子
「……う、ううっ! あ……う、ううっ!!」
亜紀
「素子ちゃん!? 素子ちゃん!? しっかりして、どうしたの!?」
大輔
「ああっ、こっちもか! ……とはいえ、どうにもしようがないしなぁ(悩)」
亜紀
「あ、出雲さん! 素子ちゃんがうなされて……突然!」
大輔
「ええ。 でも、もうすぐしたら治まりますよ。 まぁ、いきなりでつらかっただろうけど……」
亜紀
「?」
大輔
「今、パソ通のシスオペが、パソコンなしでネット開くって無茶なことやったんですわ。それで会員の頭にメッセージを直接送ってきたんで……ちょっと混乱しただけです」
亜紀
「そんな事が……?」
大輔
「できるみたいですよ。私も初めてだったんで、彼がこん
        ;な事をやるとは全然知りませんでしたが(苦笑)」
亜紀
「熱にうなされてる子 にまで 、そんなモノを送ったりして……ちょっと無茶がすぎません!?」
大輔
「ごもっとも。私も、頭がガンガンしてますわ……(苦笑)」
亜紀
「えっ……お薬飲みます?」
大輔
「いや、いいです。『通信酔い』なんてのに効く薬があると思えないし……(苦笑)」
亜紀
「言われてみれば……見ても、症状に『通信酔い』なんて書いてませんねぇ」
大輔
「……うーむ。 亜紀さんも、だいぶん私の冗談が通じるようになってきたみたいですね(苦笑)」
亜紀
「誰に毒されたとおもっているんですか!(苦笑)」
大輔
「ふぅ、やっとマシになってきたなぁ……(コキコキ)」
亜紀
「こっちも治まったみたいですね、良かった……」
大輔
「今の強制アクセスはしかたなかったとしても……どうな
        ;んです、浅井ちゃんの容体の方は?」
亜紀
「熱が……九度五分。下がるどころか、どんどん高くなっているみたいで……ちょっと心配ですね(嘆息)」
大輔
「そうですか。 やっぱり、パン屋へ行って何かされたのは、間違いないわけか」
亜紀
「ええ、普通の熱には思えませんし……。 出雲さん達の、その『通信酔い』とかと一緒でお薬が効かないとしたら、どうにも看病のしようがありませんね」(ギュッ……ポタポタ)
大輔
「自然に熱が下がるのを、期待するしかないか……」
亜紀
「でも、その間、何もしないわけには……」
大輔
「まぁ、そうなんですけどね」
亜紀
「……あっ、氷代えたいんですけど、取ってもらえます?」
大輔
「ああ、ハイハイ。よっこらせっと(……トタトタ……)」
亜紀
「……」
大輔
「……(ガラガラガラ)……」
亜紀
「……」
大輔
「………ハイ、氷です」
亜紀
「あ、すみません……」
大輔
「……」
亜紀
「……」
大輔
「……」
亜紀
「……」
大輔
「……あのぉ、亜紀さん?」
亜紀
「え、はい? 何です?」
大輔
「えーっと、あの……すんません。仕事で来てもらったのに、こんなことお願いしちゃって……」
亜紀
「まぁ、事が事だけにしかたがないでしょうね。幾ら仕事があるからって、素子ちゃんがうなされているのを、このまま放っておくわけにもいきませんし。……それに出雲さん一人だったとしたら、どう診てあげていいのか、分からないんじゃないですか?(苦笑)」
大輔
「いやぁ、おっしゃる通りで(苦笑)」
亜紀
「やっぱり、男の独り暮らしは……(苦笑)」
大輔
「治るまで寝る、とか(笑)」
亜紀
「もう(笑)……でも、これも打合せに来た時だから、まだ
        ;よかったですね。締切り前だったとしたら、対処のしよう
がなかったかもしれませんよ(苦笑)」
大輔
「“アシスタント急病につき……”」
亜紀
「そんな作家さんは、他にいません!(苦笑)」
素子
「うっ……あんっ……や……来ないで……」
亜紀
「?」
素子
「嫌……やめて……いや! 嫌ぁ!!(びくん)」(バチッバチパシッ)
亜紀
「なんなの!…… 素子ちゃんしっかりして ! きゃっ!……電気!?」
大輔
「どうしました……な!?」
素子
「嫌嫌……う、うううあああ……う、あうっ!!」(バシッバチバチバチ)
シュウウウウウウウ(煙)

素子
「(パシッ)……ここは……?(パシピシッ)……」
大輔
「大丈夫か、浅井ちゃん!」
亜紀
「大丈夫よ、素子ちゃん。ここは出雲先生の部屋よ。熱を出して家の前で倒れたのは覚えてる?」
素子
「アサイ? モトコ?……なるほど……それが我名か……」
大輔
「どうした? まだ頭がはっきりしないのか? (肩に手を置く)」
素子
「……我に触れるでない!!(ドンッ)」
大輔
「わっ!(バンッ……がつんっ) いてててて……」
亜紀
「出雲さん!……素子ちゃん、あなた何をするの!」
素子
「……我に触れる事がかなうのは我が主のみ。……この体、まだ完全には馴染んでおらぬか……」
亜紀
「……素子ちゃんどうしたの? あなたなにか変よ?」
大輔
「お前は……浅井ちゃんじゃ、無い……?」
素子
「(微笑) いいや、我こそがアサイじゃ」
大輔
「この……!」
素子
「我は主の元へ向かわねばならぬ。……おぬし等と遊んで
        ;いる暇は無い(体が透け出す)」
大輔
「待て! お前、浅井ちゃんを……」
素子
「……」(完全に消える)
亜紀
「出雲さん……今のは……素子ちゃんは……」
大輔
「……あれは浅井ちゃんじゃ無かった。……くっ……(バンッ)」
亜紀
「出雲さん……」

そのころ、チャリを飛ばす慎也は……

慎也
「なんか、慌ただしかったなぁ。エマージャンシー (緊急
        ;事態)か…… 三彦がいないこんなときは、アイツを呼ん
どいた方がいいかもしれないなぁ。ア、公衆電話だ。よいしょっと……」

 ツルルルル……カチャッ!
  ピーキューーーーガーーーーーーーーーーーーーギュルリーーーー

慎也
「あ、あのバカこんな大事な時にネットなんか……」

カチャ

琢磨呂
「HELLO? 大尉だ。どちらさん?」
慎也
「わちしだ」
琢磨呂
「何だ、シンか。いまレス書きで忙しいんだ。急ぎでなければ……」
慎也
「十分急ぎやわい!」
琢磨呂
「な、ななな、なんやぁ〜? どないしてん!」
慎也
「ちょっと友達がなんかヤバいからすぐに集まれ言うて連絡してきたんや」
琢磨呂
「……ほぉ〜〜〜〜。んでおれに撃てと?」
慎也
「……まだ何もいってへんぞ」
琢磨呂
「……」
慎也
「……」
琢磨呂
「沈黙2秒間を察すに、図星やな。報酬は?」
慎也
「うーん……可愛い女の子紹介するってんどーや?」
琢磨呂
「……うむ。許可する。合流セクターの司令を。指定された場所だと、ハッキングされて地雷が仕掛けられているかもしれんぞ。いちど私と合流するのだ」
慎也
「それはいい考えだな」
琢磨呂
「では、例の紅茶店の前で」
慎也
「OKだ」
琢磨呂
「あと、ラジオは持ってるか?」
慎也
「FMならウォークマンに付いてるぞ」
琢磨呂
「何かあったら送信する。FM805 に固定しておけ。そっちがヤバくなったら、805のまま電源のON/OFF でモールスを打つのだ。貴様なら可能だな?」
慎也
「とーぜん。まっかせて!」
琢磨呂
「じゃ、そゆことで」
慎也
「! そうだ、対妖魔弾頭と対人弾頭、両方持ってきてね」
琢磨呂
「弾薬、おまえの分も要るか?」
慎也
「一応持って来といて。あるにこしたことないから」
琢磨呂
「おっけ〜、じゃ、オヴァー」
慎也
「おう。じゃ! (がちゃ)じゃ、いこうか」
摩人耶
「うん」

少し走り出して…。

摩人耶
「なあ、兄ちゃん」
慎也
「ん? どうした?」
摩人耶
「さっきから気になってたんだけどさあ、後ろにいる車、付けて来てるみたいやわ」
慎也
「ん? どれ? (鏡を出して、相手に分からないように後方を見て見る) ああ、あれかぁ。そう言えばさっきからゆっくり走っとったな。抜かさんとこ見たらそうかもね」
摩人耶
「さては兄ちゃん、なんかしたんやろ?」
慎也
「あほ! 俺が付けられるような事をするわけが……う〜ん、ないとは言えんな(汗)」
摩人耶
「なにしたんよ?」
慎也
「う〜ん、 なにしたんやろね。 多すぎて思い出せませんわ(汗) ところで、お前こそどうやねん?」
摩人耶
「私? わたしがそんな追っかけられるようなことするわけ……でもまあモデルかなんかのスカウトなら考えられるな(自信ありげ)」
慎也
「あ〜あ〜、そうだといいね(あきれてる)」
摩人耶
「真面目に聞け! て、それより何とかしようよ」
慎也
「ふっ、こういう時の対処法を教えてしんぜよう。まずだな……」
摩人耶
「ふんふん」
慎也
「お前の場合、ギヤを高速仕様にチェンジだ」
摩人耶
「したよ」
慎也
「そしてだ、後は簡単、力の続く限り全速力で走るのだ!」
摩人耶
「……ぜんぜん解決なってないやん! 慎也のアホぉ〜!」
すぱる
「(精神電波送信! 大尉! 聞こえるか?)」
琢磨呂
「うむ……慎也の友人達に何かあった……か」
すぱる
「集合場所、セクターVC74。オーヴァー」
琢磨呂
「VCの74だぁ?……(作戦地図を探す)……何だ、慎也が言ってたパン屋じゃねぇか。そう言えばネットの知り合いがどうの、パン屋がどうのっていってたな。一応ヒキ通 (弾き語り通信クラブ)に入会した事だし、CHOさんとかにもあってみたいしな……しかし、今のすぱる、なんかすごく動揺していたような気がするな……気のせいかな? 素直にパン屋に行っていものだろうか。慎也はパン屋に行くのは危険かもしれないといっていたしなぁ……」


 顕      :「弾き語り通信倶楽部システムオペレーターのすぱるです。
        :唯今より精神干渉モードを発動します。5・4・3・2・
        :1……」)


竜胆
「うにゃ?(ぐらっ)」
三彦
「と、 豊秋殿! おおう、 これはしばらくぶりの電波!そうか、まだ豊秋殿はこれを受信した事がなかったな……って、言っている場合ではない! ここで倒れては帝国軍人の名折れ! 豊秋殿! しっかり……」
竜胆
「……△β……」
三彦
「豊秋殿……おおうっ(ぐらっ)」
竜胆
「くうぅぅぅっ、なんとか……持ち直したぁ……しかし、このの声はいったい……?」
三彦
「豊秋殿、大丈夫ですか? ……ふんふん、わかった」
竜胆
「酒井くん? ごめんね……で、この声はいったい何なの?」
三彦
「詳しい事情はあとで話しますから、前を向いて運転してくださらぬか?」
竜胆
(わたたたた)「そ、そうね」

顕と三彦が交信している最中、琢磨呂は精神電波送受信で三彦と連絡を取ろうとしていた。

琢磨呂
(サカイ! サカイ! 返事をしろ! サカイ!)
三彦
(…… むぅ? ワーレン大尉からも?)」
三彦
「ぐ、ぐおおおおお!頭の中で混線がぁっ……(2秒経過)……うぐおおおおおおおお! 黙れェェェェェェェい……ハァハァ……」
竜胆
「三彦君! どうしたの! しっかりして!」
三彦
「ずごばひょぉぉ〜〜〜!」
竜胆
「三彦君ったら!」
琢磨呂
「VD77ポイント、反応在り! やった!サブの居場所が解ったぞ………R166を北上中速度約60Km/h……バイクか……ン? 待てよ? サブは免許持ってなかったはずだ。ということは、2人乗りか。あいつ1人だったらほっといても死にはせんのだが、足手まといを抱えるとなるとちょっと心配だな。……行って見よう」
琢磨呂は、精神電波を送信した。

琢磨呂
「(慎也! 慎也! サカイを追う。 パン屋を見張ってくれ。オヴァー) よし! スクーター でもかっぱらって追うか……手頃なところに、迷彩塗装されたZXがあるな。知り合いがいいバイクだっていってたっけ。よし! これだ」

チャキチャキ……チャキッ……ドルン!ドルルルルン!)

琢磨呂
「OK! 掛かった。失礼だがちょっくら拝借するぞっ」
竜胆
「……(ぶろろろろろ)」
三彦
「と、豊秋殿……!」
竜胆
「なぁに?」
三彦
「もう少し、スピードを……おうわっ」
竜胆
「喋ってると舌かんじゃうよ?」
三彦
(こ、これは困った状況だ…… じょ、女性にこんなに密着申し上げていいものかっ?)
竜胆
「……あれ?」
三彦
「ど、どうされた」
竜胆
「ちょっと止まるね……(ききーっ)」
三彦
「おうわっ(がつん)」
竜胆
「あいたたた……一人で乗ってる時のくせで、つい……大丈夫?」
三彦
「へ、平気であります! して、なぜゆえ止まられたのでありますか?」
竜胆
「あの車、横手さんの……」
三彦
「そうでありますか? 私は見たことがないのでなんとも」
竜胆
「そうだったっけ? うん、あのナンバー、確かにそうだ……竜王様の家で見たから、間違いないわっ」
三彦
「コンビニで買い物でもされているんでしょうな」
竜胆
「戦士として最高の能力を秘める彼なら、きっと心強い味方になるわっ! 酒井くん、ちょっとバイク見ててね」
三彦
「了解であります……ふー、ろくに武装もないしなぁ……黒服はヤバそうな組織だし。とりあえず……カバンに入れた防弾板と、改造南部14年式、それと38年式銃剣のみか……38年式銃剣のほうはもう相当古いからあまり使えんし、ナンブも頼りにはならんな。うーむあとは……自作無旋長銃用の弾薬だけか。話にならんな。む? そういえば豊秋殿は何か武装しているのか? 帰って来たら聞いて見よう」
寿
「さて、シートもコピーしたし、今度のシナリオの準備はバッチリだな……」
竜胆
「(きょろきょろ) あ、いた。横手さん?(ぽん)」
寿
「わっ……! と、豊秋さん……(汗)」
竜胆
「こんにちわっ(ふかぶか)」
寿
「こ、こんにちわ……(今度は何だ……?)」
竜胆
「(にこにこ)ちょっとよろしいです? お時間」
寿
「え、ええ……(汗)」
竜胆
「……というわけで、今は一人でも多くの力ある戦士を必要としているんです」
寿
「店長さんが……」
竜胆
「戦士として、最高の能力を秘めるあなたなら、きっとあたしたちの心強い味方になってくれると思うんです。だから、一緒に来て下さいませんか……?」
寿
「……しかし、僕は戦力にはならないと思うんですが」
竜胆
「謙遜なさらないで下さい。あたしにはわかります。あなたに眠っている能力を全て引き出した時、あたしなんか問題にならないくらいの存在になると」
寿
(この勘違いは相変わらずだな……)
竜胆
「あたし、どうしても店長さんとかなみちゃんを助けたいんです。お願いします……」
寿
「……一つだけ、聞いていいですか」
竜胆
「はい?」
寿
「そこまでして、どうして店長さんを助けたいんですか」
竜胆
「……店長さんと初めて会った時、あたし、店長さんを殺しかけてしまったんです……でも、店長さんは勘違いだとわかったら許して下さいました。ただの一言の文句も、今まで言われてません。それに、かなみちゃんも、あたしのこと、姉さまって呼んで慕ってくれてます……あたし、店長さんにあの時のお詫びがしたいんです」
寿
「そうですか……わかりました。僕でよければ……」
竜胆
「ありがとうございます! あたし、信じてました……」
寿
「はは……そんなに感激されるとこっちが照れちゃいますよ。それで、これからどうするんです?」
竜胆
「とりあえず、店長さんの跡を……」
三彦
「豊秋殿! あまり時間をかけていては……」
竜胆
「わかったわ。横手さん。とりあえず、あたしのあとについて来て下さい」
寿
「あまり飛ばさないで下さいね」
竜胆
「努力はします……(きゅるきゅるきゅる、ぶをををん)」
黒服
「おとなしくしていれば怪我することは無い」
観楠
「……(さっき殴っておいていまさら……)」
黒服
「あと、我々に協力的なら命の心配は極端に減るだろう」
観楠
「命……だって?」
黒服
「言うことはそれだけだ」
観楠
「一方的……すぎるじゃないか!」
黒服
「それがどうかしたのか? 自分の立場を考えてみることだな」
観楠
「あぁ、それはわかってる! でも……この人は関係ないだろう!? 狙いは俺と……俺だけじゃなかったのか?」
黒服
「……お前に関わったことを不幸と思うんだな」
観楠
「ちょっと待てよ、そういう言い方は無いだろう!?」
桐子
「大丈夫よ、観楠さん。あなた達が何者かは知らないけれど、私にこんなコトをして……あとで絶対後悔するわね」
黒服
「これは…… なかなか勇ましいな。 少しは見習いたまえ『湊川君』」
観楠
「……桐子さ……あ、と。隅田さん、すみません。巻き込んでしまって」
桐子
「桐子、でかまいませんよ(笑) 大丈夫です、きっと……(朝君……!)」
黒服2
「後ろに2人乗り! つけられてる!!」
観楠
「まさか……竜胆ちゃん?」
黒服
「ふん、仲間か。振り切れそうか?」
黒服2
「状況次第だ……ん? なにかトラブったようだ」
観楠
「(竜胆ちゃん……っ)」
黒服
「ふん、役に立たない仲間だな(嘲笑)」
観楠
「貴様ぁ!」
電波
《%&@☆○◎◆■▲▽∞∴♀°″℃¥−×*#¢》
観楠
「なっ……(なんだぁ!? アタマの中かき回して……)」
黒服
「……気分が悪くても吐くことは許さんぞ」
観楠
「(くそったれ! なんだよ、この感じ……)」
桐子
「大丈夫ですか!?」
観楠
「な、なんとか……」
『こちらすぱる。店長、聞こえますか?』
観楠
「け……顕君?」
黒服
「けんくん? それはなにか意味があるのか?」
観楠
「(やばっ) あぁ。あまりに乗り心地が悪いもんで、思わず呻いたんだよ」
黒服
「ふん」
観楠
「(……今のは一体?)」
『ああ、やっとつかまった……店長、聞こえますか? こちらすぱる、応答を……って、あぁ。声は出さなくていいから、テレパシーみたいに言葉を思い浮かべて、私に送るようにしてみてくれますか?』
観楠
『こ……こうかな?』
『上出来。あとで、弾き語りのメンバーにも店長のメッセージを伝えますから……どういう状況か説明してもらえますか?』
観楠
『説明って言っても……先にこれがなんなのか教えてくれるかい?』
『まぁ、ちょっとした《技》ってやつです。ネットの書き込みをすると思ってやって見てください』
観楠
『なるほどね、了解。さて……こっちの状況を説明……するけど、大丈夫なの? ホントに?』
『システムは正常に作動中です……問題なし』
観楠
『わかった』
観楠
『今から状況を説明するから、皆、よく聴いてほしい。まず、きちんと説明しなかった事を謝ろうと思う。この黒服たちの目的だけど、どうも……かなみちゃんらしい。僕は信じたくなかったから……言えずにいたんだ。まさか、あの子がこんな事に巻き込まれるなんて。すまないと思ってる。で、今の僕の状況だけど、僕は心配ない。桐子さんも無事だ。こいつらは、かなみちゃん、正確には、かなみちゃんの能力が目当てらしい。何か、とてつもない能力を秘めてる……そういうようなことを言ってた。僕じゃ扱い切れないとかね。たぶん、このまま連れて行かれれば、かなみちゃんの所に連れて行かれるのかもしれない。その後どうなるかは判らないけど……』
『……す、すいません。さすがに媒体の無い強制アクセスではこの辺で精一杯です……とりあえず今の“書き込み”を皆さんに伝えるようにします……皆さんの“レス”は、また機会を見つけて送るようにしますけど……なにしろ居場所が特定できない強制アクセスは難しいもので……』
観楠
『ありがとう、みんなによろしく言って……あ! 竜胆ちゃんたちに、気づかれてるって言っ……』

(カチッ、ツーツーツー……)

観楠
「(“切れた”……のかな?)う、気分悪い…… (窓によりかかる)」
桐子
「観楠さん? 大丈夫ですか?」
観楠
「え、ええ」
「ふぅ……後味の悪い切り方をしてしまった……おっと、こんな事をしている場合じゃなかったな。とりあえず誰から伝えるか……竜胆さんと三彦が追跡がばれてるって言ってたから……って、また探さないといけないのか……三彦の方が見つけやすいか……? いた! ……」
三彦
「……? うおぅ! これはすぱるの電波!」
竜胆
「!」
『店長さんの“書き込み”をもらった。みんなにも急いで送信しないといけないから、詳しくは“書き込み”を読んでくれ!』
三彦
「店長からの? ぐおぅ!! と、突然送信するなー!」
竜胆
「なにっ! 何が送られてきたの!?」
『(よし、送信完了……) 竜胆さんにはお前から伝えてくれ、体力がもたん』
三彦
「あ! まて! “気づかれてる”って……」

(カチャ……ツーツーツー)

三彦
「切れた……」
竜胆
「何だったのさっきのアクセス!? 私の方には聞こえなかったけど!?」

三彦はさっき送られてきた書き込みの内容を竜胆に説明し、追跡が気づかれているらしいと言うことも伝えた。

竜胆
「どうする? このまま追跡する?」
三彦
「それでは埒があきません。ここは一つ、わざと泳がせては……」
観楠
『どういうこと?』
三彦
「つまりです。一度、私達はそちらを見失ったふりをして、離れたところから追いかけるのです」
竜胆
「そうね、このままじゃあ仕方ないわ。じゃあ、一度離れるわ。見失わないようにね」

わざとスピードを落とし、竜胆はバイクを路肩に止めた。
 ガソリンタンクの左側下の、コックをひねる振りをする。
 ガス欠の振りをしたのだ。

黒服
「はっ。よろけたと思ったら、ガス欠か。頼りになるお友達だな?」
観楠
「(……さっきのメッセージが届いたのかな?)」

◆剽夜への電波

一方

「ちっ、こう伝える人間が多いと、誰から捕まえるか迷うな……とりあえず見つかった人から……これは、更毬さん?って、この事件のこと知ってたっけ? ま、いいか、応援には心強いだろう……」
剽夜
「むむ、これは……すぱる君の電波だな……(静聴) なるほど、あきりんがいないのはそういう訳か……おーい、すぱる君……と呼んでも聞こえるわけないか……電話してみよう……と、私の携帯は着信専用だったな。こんなときに役に立たないとは(ぶつぶつ)……それにしてもあきりんのやつ、いったい何をしているのだ……」

剽夜は近くにあった電話をとって顕に電話をかけた。朝の時と同じくNETのような応対がなされ、チャットに入って会話を始めた。

剽夜
「パソコンなしでチャットか………あまり気乗りすするものではないが、よい経験にはなるな」
『更毬さん、ごたくはあとにしてですね、実は(事件の内容を説明いする)……ということで、いきさつは分かってもらえましたか? 大事が起こっているらしいんです』
剽夜
「ふむ。では今から車を出すから、とりあえずどこに行けばいいか教えてくれぃ」
『では、CHOさんの家、 御存じですか? そちらに向かって下さい。どうもパン屋の方は危ないらしいので』
剽夜
「別宅の方だな(笑) では、そちらに向かうから、伝えてください」
『了解です』
剽夜
「さてと。今日は車で来てよかった。電車だったら、困っていたところだ……しかし、あきりんのやつ、そんなことに巻き込まれているならば素直にそう言えばよいのに……」
慎也への電波

「次は……慎也か。やつは同種の能力をもっているからアクセスも楽だな……」
慎也
「(きこきこきこ)……なるほど」
『ということだ! じゃな!』
慎也
「おい! まて! あっ切った……」
摩人耶
「慎也? なに独り言言ってンの?」
慎也
「なんでもない!」
摩人耶
「変なの」
慎也
「それより、まー坊。急ぐぞ(きこきこきこ)」
摩人耶
「あたしより速く走ってから言え(しゅーっ)」
慎也
(ちくしょーっ)
摩人耶
「やば、さっきの車追い付いて来た!」
慎也
「ど、どうやらそうらしいな……(もうすぐなんだけどな)」
摩人耶
「やばいってば、どうすんのよ!」
慎也
「お、見えて来た。まー坊、そこの角の小さい道に入れ。岩沙とのコンタクトポイントになってる『アオダマ』の前に出るんだ」
摩人耶
「ラッキー! ここね(道に入る)」
慎也
「この広さじゃ、あのタイプの車は入ってこれないからな。何とかまけたかな」
摩人耶
「これで一安心ね」
慎也
「まあね ( 取り敢えず、 顕の奴にもう一度連絡してみる
        ;か……あいつ、あの『技』使ってる時は寝てるのと同じ状
態だからな、俺の 『ちから』 で干渉出来るはずなんだけど……っと)」

   『ツー、ツー、ツー、ツー。BUSYです』

慎也
「なめとんかぁ! ったく」
摩人耶
「なにがよ。あ、それより慎也、危ない!」
慎也
「おおう!(電柱にぶつかりかけたのを交わす)」
摩人耶
「なにしてんのよ」
慎也
「いや(汗) なんでもないです、ハイ。後で教えるから。急ごう。( まったく。単回線てとこまで精密に再現してるのかよ。あきれるよ……それにしても自転車乗りながらやるのは危険だな、岩沙と合流してからやり直すか……)」
琢磨呂
「(ブオオオオオッ……)……(だいたい分かったぞぉ)……一応、俺と言う存在に気付いてる奴がシンとケンとサブだけだからな。連絡しておこう」
琢磨呂
(おい! ケン!)
(強制割り込みかけるなぁ〜! NETにテレパシーアクセスせェ!)」
琢磨呂
(バカヤロウ! 俺は走行中だ。)
(あったまいたいぞぉ〜〜! マルチタスクになんかつくられちゃいないんだ。所詮は 286……サッサと用件を頼む!これ以上続けるとホストがメルトダウンするぞっ)
琢磨呂
(話は大体聞いた。CHOさんとかみんな、ヒキ通の会員の方々が関ってるんだろ?)
(そうだ。それ以外にも色々と起ってはいるけどね)
琢磨呂
(ついてるぜ。今日は完全武装だ。 俺と言う存在があること、スクーターで移動中であること、ニトロ弾で爆装していることなどを、もう一度、関っている全員に通告してくれ。それから、直接戦闘が必要になりそうな場所へ誘導しろ)
(例の「爆装」 してるのか! そりゃ頼もしい! 早速サブと合流してくれんか?)
琢磨呂
(サブの位置は、 こちらがパッシブ精神レーダーで把握している。現在停止しているようだが……)
( 構わん!  とにかく、 サブと合流してくれ、オ、オーヴァ……)
琢磨呂
「ラジャーラジャーってか……(ブオオオオオオッ……)」

数十分後、三彦&竜胆

三彦
「むぅ……これからどういたしますか?」
竜胆
「隠れ隠れ追跡するのも飽きちゃったわ。一体どこまで走るのかしら? 三彦君、ちゃんと電池の入ったセンサーをもうひとつぐらい持ってない?」
三彦
「むちゃいわんでくださいよ。第一、バイクの上じゃ受信機があってもまともに見れないであります」
竜胆
「納得……。とにかく、この日本の道路事情の悪さに助けてもらってるようなものね」
三彦
「うゲッ……今度は別の……」
竜胆
「どうしたの?」
琢磨呂
(サブ! こちらワーレン! ポイントHV66 の交差点付近だ。そのままそちらが北上を続けるならば、10分後にHU44の交差点で合流する。CITY迷彩塗装のスクーターだ)
三彦
「竜胆さん、どうやら助っ人のようであります」
竜胆
「助っ人はいいけど、役に立つんでしょーね?」
三彦
「さぁ〜〜。まぁ、判断力はともかく、破壊力だけは保証出来るやつであります」
竜胆
「??????」

参上
 パパーーーーッ!
 警笛を軽くならして、併走するスクーター

琢磨呂
「サブか?」
三彦
「大尉! 話は聞いただろう?」
琢磨呂
「うっとおしい電波でな。いまケンがメンバーたちに連絡してるはずだ。おい、前席の姐さんよぉ!」
竜胆
「(ムカッ!) あんたねぇ! あたしにはちゃんと竜胆って名前があんの!」
琢磨呂
「おー恐い恐いって、なんじゃぁ?竜胆の姐さんじゃねーか。こんなとこで何やってんだァ?」
竜胆
「あ……岩沙じゃない………見てのとおりよ。追跡追跡っ」
琢磨呂
「お互いメットしてりゃぁわからんわな。で、追ってるのは前方100mの黒のメルセデスってところか?」
竜胆
「そうよ。顔がわれたらマズイから、距離をとってるの」
琢磨呂
「人質取られた上にこのシチュエイションか……サブよ……まずいな」
三彦
「そのとおりだ。発振器か何かがあれば良いのだが……」
琢磨呂
「そ、そうだ!」
琢磨呂
「微妙な電波の揺れが解る。あのベンツの中から3つの電波受信源が感じられる……おそらく、GPS ナビゲーティングシステムが1つ、カーラジオが1つ……」
三彦
「そうか!例の電波送受信能力を使って発信源を特定、追跡するわけだな」
琢磨呂
「そういうこった。このままホールドしてさえおけば、車の場所は解るな。所詮は“八九三”と変わらん連中だろ?車を数十分おきに別のものに乗り換えて……なんてことまではしないだろう」
竜胆
「そうと分かったら、 CHOさんたちと合流しましょうよ。たくさんで考えたほうが絶対いいに決まってるわ」
琢磨呂
「姐さん、船頭多くして……って、知ってるか?」
竜胆
「(ムカッ)……あ、あんたねぇ! 年上のおねぇさんにむかって……(グイッ)」
三彦
「豊秋殿! オネガイだから前見て運転してくだされ!」
琢磨呂
「三彦、こっち乗るか?……まぁ、良いか。ヒキ通のみんなとの、とんだOFFだと思えば良い」
竜胆
「とんだオフよ………全く」
琢磨呂
「愚痴ってもしゃぁねぇぜ」

尾行をやめて数分後……

琢磨呂
「姐さん、ちょっとそこの「アオダマ」って紅茶店のパーキングに入るぞ!」
竜胆
「ほぉ〜。おねぇ様に向かって命令形とは、岩沙も偉くなったわねぇ〜……オホホホホ…………」
琢磨呂
(あ、危ねぇ……危機的状況下でハイになってやがる)「先程の我が方の発言を不注意により撤回、再度進言いたします。前方100mに接近します紅茶専門店「アオダマ」吹利@丁目店に、豊秋竜胆様の二輪機動車両と我が方の二輪機動車両、並びに積載物1名が停止することを進言いたします」
酒井
「積載物とはなんだ積載物とは!」
琢磨呂
「(苦笑しながら無視)」
竜胆
「(同じく苦笑しながら無視)」
竜胆
「うむ。よろしい……ってね。なんで?」
琢磨呂
「ああ、慎也と待ち合わせしてるんだ。俺の友達だよ」
竜胆
「ヒキ通の片山君のこと?」
琢磨呂
「そうだ。一応人手がいるってことで、俺に連絡をくれたんだ。パン屋に直接行くのは、多分まずいだろうと言う俺達戦略愛好家の定石から考えて、ここで待ち合わせることにしたんだ」
竜胆
「へーっ。岩沙ってあったま悪そうなのに、結構切れるのね」
酒井
「こーゆーこと “だけ” に関しては…… (バキッ!) あう……」
琢磨呂
「(バッカヤロウ!)」

数分して紅茶店の横の細い路地から慎也と麻人耶が自転車で現われる

麻人耶
「お兄ちゃん、アオダマだよ」
慎也
「たどり着いたか。おーい! 岩沙!」
琢磨呂
「どうやら来たようだな」
酒井
「いつもながら遅いな」
一同
(この状況に関して色々と駄弁る)

少し経って、むこうの方の交差点から慎也と麻人耶をさっきから追っていた黒塗りのシーマが突っ込んできた。

麻人耶
「お兄ちゃん! 何のんきに駄弁ってんの!」
慎也
「はにゃ?……うお!」
琢磨呂
「追っ手か?」
慎也
「ああ、さっきからずっとね……」
竜胆
「ねぇ……あの加速……突っ込んでくるよ!!」
琢磨呂
「シン! BREAK! 姐さん! バイク出して!」
竜胆
「ラジャー! 酒井君、乗ってっ! 振り切るわよ!」
琢磨呂
「……振り切る必要は、ない」
竜胆
「えっ?」
琢磨呂
「あばよっ!  俺を追ったのが運の尽きだと思え!(ババシュッ!)……(ドム、ズドム!)」
竜胆
「なに? 岩沙、なにしたの?」

恐いシーマが右前輪を吹き飛ばされ、ガードレールを突き破って、紅茶店の向い側のタバコ屋に突っ込んでいる。

琢磨呂
「2発、撃っただけだよ。2発ね」
竜胆
「そんなこと聞いてないわよ! 何撃ったの?」
琢磨呂
「タイヤ」
竜胆
「被射体じゃなくて、撃ったタマよ! それ、本物なの?」
酒井
「豊秋殿、早く逃げないと、野次馬が集まってきますぞ」
竜胆
「ん……もうっ!(ドルン……)」
琢磨呂
「シン! 死ぬ気で追えっ!(ズボボボボボ……)」
慎也
「いくらなんでもバイク相手では……」
麻人耶
「さっさと動く!……(シューッ)」
慎也
「へーへー……(キコキコ)」

数分後

竜胆
「岩沙、あなた何者なの?」
琢磨呂
「至って普通の、ちょっとスケベで軍事マニアなPCの好きな、最近カメラにはまりかけてるサバゲの得意な、じつはちょっとは女の子にモてるメカフェチ一般高校生だぞ」
竜胆
「その、どこがどーゆーふーに”一般”なわけ?」
琢磨呂
「全部だよ」
酒井
(うーむ……からかってやりたいが、 わしも人のことは言えんからなあ……)
竜胆
「さっきの弾……ただのエアガンの弾じゃないよね。言いなさい! 何なの? 恐いのよ、得体の知れないものは!」
酒井
「対物用炸裂弾、通称ニトロだまだったっけ?」
琢磨呂
「そう……姐さんよ。これはな、衝撃で破けるBB弾の中に、空気と接触すると瞬時に爆発する、かなり危険な薬剤を圧縮注入した、俺専用のBB弾だ。初速を持たせないと外膜が破けないから、パワーアップした専用の銃でしか撃てないんだが、破壊力は見てのとおりだ。殺す気はなかったんで、足だけでも停めようと思って車輪を打ち抜いたんだ」
竜胆
「ふえーっ」
琢磨呂
「暴発したら腕がヤバいからな。サブやシンも恐がって持とうとはしない。そのてん、俺は左手が機械化されている
        ;からな。あんまし気兼ねせずに撃てるってわけよ。どうだ?
納得しましたかい?」
竜胆
「一応ね……まだ信じられないわ。ただのナンパ野郎だと思ってたのに……」
琢磨呂
「おいおい……人を歩く性器のように言いやがって」
竜胆
「ヘルメットかぶってたのに、服の上から身体のライン見てニマッとしたでしょう! ええ?」
琢磨呂
「うッ……いや、姐さんだとは思わなかったので…………まぁ、胸の小ささをよく見れば瞬時に解るこ……と………(殴られる)………いってぇな!」
竜胆
「ばか言ってんじゃないの」
琢磨呂
「ホントのことなのに(T_T)」
竜胆
「……(あきれてモノが言えない)」
竜胆
「まあ、いいわ。じゃあ、横手さんの車に乗ってくれる?慎也君。あら? そちらの子は?」
慎也
「妹の……」
摩人耶
「摩人耶です(ぺこ)」
竜胆
「竜胆よ。よろしくね(にこ)。摩人耶ちゃんも、一緒に車に……」
琢磨呂
「姐さん、のんびりしてる暇はないんだろ」
竜胆
「……わかってるわよっ。横手さん、いいですか?」
寿
「ええ、でも、自転車はどうします」
竜胆
「これでガードレールに引っ掛けとけば大丈夫と思うわ」
慎也
「U字ロックですね? まー坊、向かい合わせに自転車、おいてくれ……よし(カチャ)」
琢磨呂
「ところで、詳しい話が聞きたいんだけどな、姐さん」
竜胆
「その姐さんはやめなさい。で、状況だけど……こういうわけなの」
琢磨呂
「なるほど。今ンとこ、やつらを追跡してるのはおれ達だけって事だな。で、このまま乗り込むのかい? 姐さん」
竜胆
「(嘆息) もういいわ……このまま乗り込んで、大丈夫かどうか……判断つかないのよ」
琢磨呂
「姐さんにしては弱気だな。もっと無謀にいくかと思ってたぜ」
竜胆
「なぁんですってぇぇぇ(めらめら) 人質取られてんのよ?そうでなかったら……」
琢磨呂
「まあな。慎重に行った方がいいか……他に誰かこないのか?」
竜胆
「更ちゃんは来てくれると思うんだけどね」
三彦
「とりあえず、我々の現在位置をホストに知らせておかねばならないですな(公衆電話へと走る)」
慎也
「(あ、)おい、サブ」
三彦
「なんだ?」
慎也
「 (こそこそ)  まー坊がいるから……普通に電話してる振りして……」
三彦
「了解」
摩人耶
「? 内緒話はよくないぞ。ねえ、サブちゃん」
三彦
「い、いや、これは軍の重要機密でだな……」
摩人耶
「慎也。後で話すって言ったよね。説明してよ」
慎也
「……い、今はまずい。な?」
三彦
(うなずく)
竜胆
「……なんか、摩人耶ちゃんって立場が強いのね」
琢磨呂
「なんたって、剣士だからな……」
竜胆
「答えになってないわよ(じと)」
琢磨路
「なぁ、酒井よ」
三彦
「なにか?」
琢磨路
「お前の部下共はどうした? ほら、アト2、3人いたろうが?」
三彦
「3人?」
慎也
「あ、サブと魔来路と……素子ちゃん?」
琢磨路
「そうそう。特にその、素子(笑)」
三彦
「知らん……というよりも、日阪殿のメールが行ってない可能性もある」
琢磨路
「すぱるが送るヤツ決めたって言ってたか……おい、すぱ
        ;る!」
「ツーツーツー…… BUSY」
琢磨路
「これだから単回線は困る……そうだ」
三彦
「なにか?」
琢磨路
「あいつらの所にもメールが行ったと考えて、最初の集結地点……例のパン屋にいるとか」
慎也
「言えてるかもね」
寿
「じゃぁどうする? 行くかい?」
三彦
「それが上策かと」
寿
「了解。合図しないとね……(竜胆にパッシング)」
竜胆
「む、パッシング! この私にそんなコトするなんて、いい度胸ね!」
摩人耶
「あれ、慎也達の車じゃないですか?」
竜胆
「あ、そか。なにかあったのかしら(バイクを脇に寄せる)」
竜胆
「なぁに?」
三彦
「植木、久永、浅井の3名を拾いに、パン屋へ向かいたいと思います」
竜胆
「……ダメね、いけないわよ」
琢磨路
「弱気だな、姐さんらしくもない」
竜胆
「考えても御覧なさいよ。私たち、そこから逃げてきたんだから」
三彦
「となると、あそこにも敵兵がいる、と」
琢磨路
「だったらなおさらだな。そこに行った奴等を助けるついでに、その……黒服か? を叩きのめして、人質の居場所
        ;を聞き出す」
竜胆
「また、吹っ飛ばすの? その銃で」
琢磨路
「甘いぜ、姐さん」
竜胆
「はぁ?」
琢磨路
「銃を撃つだけが戦闘じゃないってコトさ(笑) まぁ見てなって」
三彦
「上手く行くんだろうな?」
琢磨路
「それはお前が身にしみてわかってると思ったが?(笑)」
三彦
「……了解した。豊秋殿、横手殿、パン屋へ」
竜胆&寿
「りょーかいっ」
三郎
「…………おう、涼介」
涼介
「(いてて……)今の……店長の“書き込み”だよね」
三郎
「顕がこのモードを発動させたんだからなにかある、とは思ってたけど……まさかな」
涼介
「ど、どうしよう」
三郎
「どうしょーて……行くしかあるまい?」
涼介
「で、でも僕らだけでどうにかなるのかな……警察とかに連絡した方が……」
三郎
「あのなぁ。警察に連絡すりゃ簡単やけど、そのあとどうする? それに……」
涼介
「それに?」
三郎
「こういう事件をなんて説明する?『特殊能力をもった子供が誘拐された』からなんて絵空事、警察が信じると思うか?」
涼介
「……」
三郎
「だから。これは俺らだけで解決せにゃぁならん」
涼介
「……」
三郎
「とりあえず、パン屋に集合やな。俺はすぐ行くけど……涼介はどーする?」
涼介
「……三郎は怖くないのか?」
三郎
「そりゃぁ怖い。怪我するかも知れんし下手すりゃもっと大事になるかもな。……でも、仲間が思いっきり困ってて、助けを求められたら助けんわけにはいかんやろ。自分が悪いんやったらまだしも」
涼介
「そ、そうだな……うん……」
三郎
「大丈夫や。ワーレンも来てるみたいやし……実戦可能状態で(笑) なにかあったら守ってもらえ」
涼介
「(ドクター、僕の力使っていいよね?)」
Dr
「(この際だ。思う存分使ってよろしい)」
涼介
「OK、了解!」
三郎
「よっしゃ。ほな、いこかぁ」
由加梨
「2人とも、お待たせ……」
三郎
「あ、城島……」
涼介
「あの……」
由加梨
「?」
三郎
「ごめん。俺らちょっと急用ができた」
由加梨
「急用?」
涼介
「あ、あの……埋め合わせはきっとするから! 三郎!」
三郎
「いきなりで悪いけど、そーゆーこと!」
由加梨
「あ、あの、ちょっと待って!」
三郎
「なに?」
由加梨
「あ、えと……その……(赤面)」
三郎
「ど、どないしたん?(笑)」
由加梨
「うん……あの……、さ、酒井君に逢うかなぁ?」
三郎
「多分ね。なにかあるんかいな」
由加梨
「これを……酒井君に……(封筒を手渡す)」
三郎
「手紙? あいつに?」
由加梨
「う、うん(赤面)」
三郎
「わかった、渡しとくから」
涼介
「三郎、行くよっ!」
由加梨
「なにかわからないけれど……2人とも気を付けてね」
三郎
「それは三彦へのメッセージやな(笑) んじゃ!(去る)」
由加梨
「……」

大急ぎでパン屋に向かっている2人

涼介
「あ、そうだ。三郎、ワーレン君とかが実戦可能状態って事は、あの恐い銃とか持って来るんかな?実は僕、こないだエアガン買ったんだけど、持って行った方がいいかなぁ」
三郎
「そりゃあった方が良いんと違うか?無いよりましやろ」
涼介
「んじゃ今からちょっと家帰って取って来るから、5分くらいだけ待ってて」
三郎
「おう、わかった。急げよ」
涼介
「もちろん。じゃ行ってくる」

涼介の姿がかき消え、2〜3分してまた現れる

涼介
「お待たせ。じゃあ急ごうか」
三郎
「思ったより早かったな。いい心掛けだ」

パン屋の前に、黒塗りの車が止まっている。中には、自分達は怪しいですと自己主張しているかのような黒服の男が2人乗っている。

黒服A
「ここか、湊川観楠がやってるってぇパン屋は」
黒服B
「この店を張ってりゃ、あいつのお仲間とやらが現れるだ
        ;ろ」
黒服A
「ふむ。でもまぁあいつのお仲間とやらも頼りにならん奴等ばっかりらしいから、ほっといてもいいんだろうけどな(大笑)」
黒服B
「全くだ。……お? あいつらか? 例のお仲間とやらは」
涼介
「はぁぁ、やっと着いたぁ。喉渇いたから何か飲むもの貰おう」
三郎
「同感。はよ中入ろか」
黒服B
「おいそこの二人! 湊川観楠の知り合いか!?」
涼介
「あっ、 あんた達は!  すぱる君が言ってた奴等だな!?観楠さんをどうした!」
黒服A
「ほぉう、こんなガキどもがお仲間か。確かに頼りになりそうに無いな」
涼&三
「(ほっとけ!)」
黒服B
「まぁなんでもいい。取り敢えず来てもらうとしようか」
三郎
「断る」
涼介
「できるもんならね」
三郎
「どうする?」
涼介
「どうするって…取り敢えず、この人達を何とかしないとなぁ」
三郎
「お前やったら簡単に出来るんやろ?やっちゃえよ」
涼介
「あんまり人には使いたくないんだけど。ま、しょうがないか。……ふんっ!」

涼介が力を使って黒服たちを黒塗りの車の方にふっ飛ばす。車にぶち当たって黒服2人はあっけなく気絶してしまう。

涼介
(やっぱり人に使うのはあんまりしないようにしとこう)
三郎
「さすが、ってとこやな。この調子やとエアガンなんかいらんかったかもな」
涼介
「いや、出来る限りエアガンの方を使うようにする。この力はあんまり人に向かって使いたくないし……」
三郎
「そうか?まぁ、いざって時には出し惜しみせんほうがいいぞ」
涼介
「わかってるって。でも、パン屋はやめといたほうがいいって言っても何処にいきゃいいんだろ?」
三郎
「さぁ、とりあえずは安全なようやし。待ってよ」
涼介
「誰も来ないね……」
三郎
「そう。みんながどこにいるのかもわからん」
涼介
「すぱる君に訊いて見るかな……電話電話……?」
「BUSY」
涼介
「……誰かと喋ってる」
三郎
「ま、もうちょい待ってよ。そのうち誰か……言うてる間に来よったな(笑)」
涼介
「あ、ほんとだ(笑)」
竜胆
「岩沙、用意はいいの!?」
琢磨路
「まかせなって! シン、サブ、準備はいいか!?」
三彦&慎也
「おう」
琢磨路
「簡単なCQBだ! でも気を抜くなよっ…… 姐さんと摩人耶ちゃんは周囲を警戒!」
摩人耶
「……警戒なんているの?」
琢磨路
「そりゃぁ、 こういう場合は あらゆる方向に注意を配って……」
摩人耶
「じゃぁ、あそこでノビてる人達と、ちょっとへこんだあの車は?」
三彦
「なに?」
慎也
「ほんとだ……あれって黒服……ってことは、あいつらの仲間?」
竜胆
「間違いなさそうだけど……でも、誰が?」
琢磨路
「(警戒しつつ黒服に近づく)……完全に気絶してるな。撃たれたわけでもないようだし、格闘の様子もない」
慎也
「こんだけ車がへこんでるのに?」
琢磨路
「あくまでも、予測の域を越えないがな……(銃を構える)」
三彦
「……中か!」
慎也
「え、ええっと……(あたふた)」
琢磨路
「いいか? 1、2、3っ!(ドアを吹っ飛ばす)突入っ!」
竜胆
「あんた、やり過ぎよ! ドア壊してどーすんのよ……」
琢磨路
「アトで直す! 援護しろっ(店内に転がり込む)」
涼介
「わぁっ!」
三郎
「な、なんだぁ?(驚)」
琢磨路
(バースト射撃)
涼介
「危ないっ!(PK発動、寸前で弾を止める) なにするんだっ!」
琢磨路
「俺の弾を、止めただと!(動揺) 面白い!(銃剣を抜く)」
三郎
「待った! ちょっと待った!(両手を挙げる)」
三彦
「この声は……植木?」
涼介
「三彦!」
琢磨路
「え゛!?(大汗)」
「……今日は火曜日ですねぇ……古文がある日ですねえ……」
パパ
「緑、どーした。お味噌(脳味噌)の調子が悪いンか?」
「えっ、そんなことありません。パパ」
パパ
「そーか。調子悪くなったらいつでも言うんだぞ。今度バーョンアップしたナノマシンで、いつでもニューロンを調整してやるからな」
「ありがとう、パパ。じゃあ、行ってきます」
パパ
「気を付けてな、一旦回線を切るぞ」
「はい、パパ」
「ん、今日もいい天気だな。システムも正常に動作してるし」

てくてくと歩き続ける。

友人女1
「おっはよ、緑!」
「あ、おはよう。今日もいい天気だね」
友人女1
「緑、今日古文あったよね? 宿題……やった?」
「ん? やったけど」
友人女1
「お願い、あとで見せて」
「うん、いいよ」
友人女1
「ありがと、緑の古文はいつも完璧だもんね。じゃ、教室でね、あんまりゆっくり歩いてると遅刻しちゃうよ」
「うん、教室で」
「私、そんなに遅く歩いてたかなぁ」

カチャ、懐中時計を見る緑。

「う、やっぱり遅刻しそうだ。走ろ」

たったったっと走っていく緑。
 チャイムの音

「ふー、どうにか間に合った」
生徒1
「起立、礼、着席」
先生
「あー、みんなきてるね。じゃあHRは終わり」
生徒1
「起立、礼」
友人女1
「緑、宿題見せて」
「あ、うん……はいこれ」
友人女1
「ありがと、緑」
「えっと一時間目は、 生物……だから、 生物室に移動かな……」
友人女2
「緑、早くいこう」
「え……あ、うん」


 顕      :「弾き語り通信倶楽部システムオペレーターのすぱるです。
        :唯今より精神干渉モードを発動します。5・4・3・2・
        :1……」


「(ズキッ)んきゃ! な、なんだろ……今のは、頭の中に直接入って……きた……みたいだったけど。で、電脳からデータが……逆流す……る。ダメ、い、意識が……」

ふらふらふら〜パタ)

友人女2
「ちょっと、緑ちゃん、大丈夫っ? 誰かっ保健室へ……手伝って」
SE
「トゥルルルル、トゥルルルル」
孝雄
「ん、電話か? ガチャ」
先生
「あの、水島さんのお宅でしょうか?」
孝雄
「はい水島ですが、あ、先生ですか?緑がお世話になってます」
先生
「はい、その緑ちゃんなんですけど、1時限目が始まる頃にいきなり倒れて、今も眠り続けてるんです。このまま気がつく様子もないので、迎えに来てください」
孝雄
「え、緑が? はいっ、すぐいきますっ」
孝雄
「あせあせ えっと学校は…車で行くか、気絶したということは電脳にトラブルか? アイザックは無事だろうか、あいつが生きてないと緑の詳細な状態がわからん、とにかくあいつのアクセスキーは持っていこう。はっ、急がなければ」
SE
「キュルルル、ドゥルン、ドロドロドロドロドロドロ、ブロロロロ」
孝雄
「学校は、どこだっけか。ここを曲がって…お、あれか。先生が校門の所にいるな」
SE
「キキキッ」
孝雄
「先生、お世話様です、で、緑はどこに」
先生
「保健室です、そこから行ってください」
孝雄
「ここか、緑、大丈夫か。完全に意識がないな、とりあえずラボにつれていくか、では先生さようなら」
孝雄
「よっこらしょっと。よし始めるぞ。コネクト……アイザック」
アイザック
「Pi こんにちはDr.MIZUSHIMA」
孝雄
「挨拶はいい。緑の詳細なデータをホストによこしてくれ」
アイザック
「Pi データを転送します」
孝雄
「正体不明のデータがいきなり混入?電脳が暴走だと?」

ピンポォォォォン

孝雄
「ん、誰か来たか。アイザック、相手をしていてくれ」
アイザック
「Yes Dr.MIZUSHIMA 」
美々
「緑ちゃんだいちょうぶかなぁ」
アイザック
「はい、どちら様でしょう」
美々
「あの、角田です。緑ちゃんの見舞いに来たんだけど」
アイザック
「お入りください」

ガチャリ

アイザック
「リビングルームでお待ちください、お飲物はドリンクバーからお好きにどうぞ」
美々
「おおきに」
孝雄
「誰だ?アイザック」
アイザック
「同級生の角田美々という女性の方です、リビングにお通ししておきました」
孝雄
「ん。よし覚醒させるぞ、アイザック、スタンバイ……スタート」
「う、うん。こ、ここは?」
孝雄
「あ、緑。目が覚めたか、家だぞ、ここは。どうした気ぃ失うなんてシステムに異常でもあったのか?」
「ううん、別に以上はなかったけれど……いきなり、頭の中に声が響いて……電脳に負担がかかって……データが逆流したみたい……」
孝雄
「頭の中に声? テレパシーかな?とりあえずまたくるかもしれないから、あとでテバイス組んでおこう。で、角田さんとかいうお友達が見舞いに来てるぞ」
「え、美々さんが?リビングね」
美々
「遅いなぁ緑ちゃん」
「ごめん美々さん。まった」
美々
「まったって、体大丈夫なんか?緑ちゃん」
「うん、だいちょうぶみたい。ごめんね、心配かけて」
美々
「ほな、安心した。じゃ、私は帰ろかな?あ、私これからお姉ちゃん家行くんやけど緑ちゃんも行く?」
「うん、じゃあ行こうかな。パパちょっと行って来るね」
孝雄
「ああ、行ってらっしゃい。……………………しかし、もしテレパシーを使える人がいるとしたら……く、くくくくくくく、科学だ、科学で実証してやるぞ。わははははははははははははは、おっと、デバイスを組んでおかなければならないんだった」
「……まだ返事は帰ってないか」
ベル
『ぴ〜んぽぉぉぉぉぉぉぉん』
「誰やこんなときに……はい?」
『あ、朝ちゃんだ』
「えーと……」
『お姉ちゃんは?』
「ちょっとま……(誰や?)」
『早く開けて。荷物が重いの』
「えと、どちらさん?」
『朝ちゃん……あたしを忘れたん!?』
「わ、忘れたて……」
『ひっどぉぉぉぉぉい! 婚約者を忘れるなんて信じらんなぁい! じょぉだんじゃないわよね』
「あ、と……美々か、美々やな? 誰が婚約者やねん(笑)」
美々
『どっちでもええから、早くロックはずしてよ、入られへんやんか』
「ほい、あいたで」
美々
『ありがとっ』
「……ややこしい時に……ややこしい娘が……」
美々
「るんるんるん、と。あれ、お姉ちゃんは……?」
「……桐子やったら、今ちょっと外出てるわ。ま、しばらくしたら帰ってくるやろ」
美々
「ふーん……でも、魚とか、冷蔵庫から出したままでええのかな?」
「……ああ、戻すの忘れて出たんちゃうか。中入れといて」
美々
「……うん。でも、珍しいなぁ……こんなんするかな、お姉ちゃん?」
「……美々、しばらくおるか?」
美々
「あ、うん。勿論、泊まってもええよ(笑)」
「……なら、留守番頼むわ。 俺も出るから」
美々
「えぇ、朝ちゃんもどこか行くのぉ?」
「ん……パン屋や」
美々
「パン屋? お姉ちゃん、御飯用意してるんとちゃうん?」
「いや、買いにいくんとちゃう」
美々
「なら、何しに行くん? わざわざ」
「連れが、来てくれ言うてるからな」
美々
「パン屋に?」
「観楠ってゆう……」
美々
「ああ、隠し子がおったとかいう人」
「そや……じゃあ、頼むわ」
美々
「ゲーム借りてていい?」
「……宿題やったんか?」
美々
「学校でやってきたわ」
「あぁ、パソコン通信の仲間から電話かかるかもしれんけど、そこのメモに書いてある名前の人にかけてくれ、って言うといて」
美々
「これ? 出…雲……? ん、分かった」
「番号も言うてな。本人からかかってきたら、俺出たって言うといて」
美々
「OK、OK」
「遅くなったら、鍵かけて先寝とってもええわ」
美々
「えー、帰らんのぉ!?」
「分からん。ま、一応や」
美々
「無理に行かんでもええやん、そんなん」
「……つきあいやからな」
美々
「晩御飯は、どう言うとくの?」
「そやな……たぶん、食うてくるわ」
美々
「……お姉ちゃん、泣くで(笑)」
「アホ」

 (カチャ……パタン……)

美々
「……なーんか、えらい素直やったなぁ、朝ちゃん……?……お姉ちゃんが夕飯の支度を途中にしたまま、外に出た。
        ;朝ちゃんが、あたしに対して妙に素直だった。……これ考
えると、二人が大喧嘩してお姉ちゃんがここを出たっていう推理が成り立つわけやん! 朝ちゃんがおとなしかったんは……えーと……あたしに知られたらマズいと、後ろめたく感じていたからやと思うわ! 違うっ!? 緑ちゃん!朝ちゃん、追っかけよ!」
「え、何故です?(困)」
美々
「朝ちゃんがあんなに素直なんて変やもん、隠し事してるに決まってるやん! とっ捕まえてきっちり白状させやな、本人のためにならんわ! それに、だいたいの謎はもう解けたし。……って、ホラホラ、早よ行かな逃げられる!」
「はい、はいっ!(汗々)」
美々
「靴履いた? なら、外出て。電気消して、鍵しめるから。……あ、朝ちゃん、どこにいるか捜してみて! 駐輪所で原付出してるか、そこらやと思うわ!」
「そこら……って……? ……あ、でも、あそこの階段下りてます、ホラ!」
美々
「え、何処どこ? あ、ホントいたいた! ……ふふん、何モタモタしてたんか知らんけど、すぐ追いつけそうやん。行こっ、緑ちゃん!」
「え、はいっ!(汗)」

   (ハァハァハァ……)

「……あの人を、捕まえればいいんですね?」
美々
「……そりゃ、そうなればいいけど。 でも、もう朝ちゃんエンジンかけようとしてるやんか! もう走っても無理やで(汗)」
「大丈夫。 私も、ちょっとだけ本気だしますから」
美々
「……本気? ……って、 ちょっと緑ちゃん何してんの!?そんなとこから体乗り出して、危ないって!」
「えいっ!(バッ)」
美々
「いや、『えいっ!』って、ここ三階やんかぁっっ……!!うううぅぅ、緑ちゃーん!!(泣)」

どがっ

「な、なんやぁ」
「初めまして、水島緑と言います(にこにこ)」
「なんだ美々の友達か、かまってられへん、いそいでるんや」
アクセルをふかす

「な、なんで進まへんのや」
「もちろん私が押さえてるからです。美々さーんいちおう止めましたけど(にこにこ)」
美々
「生きとったの? 緑ちゃん、今行く」
「(勝手に殺されても困るんだけどなぁ(^^; )」
美々
「緑ちゃん、絶対放さんとってや!」
「はぁーい(出力補正……)」
「別にあやしーことなんかないて(汗)」
美々
「緑ちゃんは騙せても、ウチは騙されへんで! お姉ちゃん探しに行くんやろ?」
「いや、ただパン屋に行ってヒマつぶそかな……て」
美々
「んじゃ、ウチらも連れてってよ」
「でも、車なんかないしやな……(汗)」
美々
「吹利駅前やろ? 3人でバスでいこ(笑) 緑ちゃんもヒマやし……可愛い女子高生が2人もお供してくれるんやから、有り難いと思わなあかんのとちゃう?」
「なんか他にすることあるやろ?」
美々
「朝ちゃんと3人でデートする……くらいかな?(笑)」
「(しゃーないな……こーなったら)うりゃ、ほりゃ!」
「なんですか? わぁっ(びっくり)」
美々
「どないしたん?」
「体からオイルが……でなくて、血が、血がっ!(混乱)」
美々
「そんなん出てない……朝ちゃん!」
「すまんっ!(原付をあきらめて走り出す)」
美々
「すまんですむかぁ! 女の子にこんなもん見せるて最低や! 絶対許さへんから、覚えときやぁ! 緑ちゃん、幻覚や! 気ィ、しっかり持ち! とにかく追いかけな!」
黒服
「ったくだらしねぇ。おらよっっと (観楠を床へ投げる)おとなしくしてな……といっても気絶中かい?(嗤) まったく、良い身分だな(去)」
彼方
「おや、新しい人のようですね。もしもし?」
観楠
「……」
彼方
「呼びかけて返事がない。しかし息はあるようだ。この場合……」
観楠
「げほっ、げほっ」
彼方
「気がついたようですね。大丈夫ですか?」
観楠
「な、なんとか……よっと(起きあがる)」
彼方
「……店長さんではないですか、何故ここに?」
観楠
「士堂君!? 一体どうして?」

(互いに事情説明する)

観楠
「さて……これからどうするか」
彼方
「店長さんの話に拠りますと、助けが来るそうですが」
観楠
「それも、上手く行くかどうかわからない。僕らがどこにいるか伝えられたらいいんだけどねぇ」
彼方
「それは困りましたね。なるほど、我々がどこにいるのか知っているのが我々だけでは話になりません。かといって、通信手段は何もないときた。まさに八方塞がり……おやおや」
観楠
「そこまで肯定しなくても……(苦笑) ま、ぐだぐだ言ってても仕方ない。できることを探してみよ……」
彼方
「……さっきから思っていたんですが」
観楠
「なに?」
彼方
「店長さんの襟元、首の後ろあたりですが。そこに付いてるのはボタンですか?」
観楠
「え? このシャツにはそんなモノ付いてないよ?」
彼方
「その……少し左側に寄ってる。金属製の様ですが」
観楠
「えーっとぉ? …… あ、これかな。なんだろ…… とれん(汗) 士堂君、とってくれる?」
彼方
「はい……これです(とりはずす)」
観楠
「どれどれ……なんだこりゃ? 知らないなぁ」
彼方
「微弱ながら電波が出ている様ですが」
観楠
「ふぅん……で、電波って、士堂君そんなことわかるの?」
彼方
「おや、そういえば。しかし、そういう感じがするので」
観楠
「なんだかな……あ、 ここんとこフタになってる。 よっ(開ける) ボタン電池だな、こりゃ。ボタンだけにボタン電池ってか(笑)……ごめん、忘れて」
彼方
「今の場合、ボタンとボタンを掛けたわけですね、なるほど。しかしこう言うときは……」
観楠
「分析は後にしようよ(大汗) こいつから電波ねぇ?」
彼方
「形状からして発信器の類かと思われますね。出力が弱まってるみたいですが」
観楠
「こーゆーの持ってると言えば……心当たりは三彦君くらいだな。いつの間に付けてくれたんだろ? まぁいいか。じゃぁ、こいつを復活させたら、僕らの居場所が判るってことだよね? えーと、時計の電池を……ない。とられちまったか」
彼方
「このサイズだと、 もっと薄いやつですね。 例えば……ウォークマンのリモコン用みたいな」
観楠
「そんなものあるわけ……」
彼方
「持ってますが。これを買って帰る途中に捕まってしまったようなので。この際です、使用を躊躇う理由は無いですね」
観楠
「ふぅっ…… (なんとかなりそうかもなぁ。かなみちゃん、桐子さん、も少し待ってて……)」
黒服
「御館様、これからいかがなされますか?」
「……あの男が本当に『器』であるなら、四家の力を発現させることができよう、そうでないなら……」
黒服
「……御意。ところで、雑種共に動きがあるようです……先程、こちらに数人が向かっているとの報告が。まもなく、到達するでしょう」
「ほぅ……仲間のタメか? くだらんな。一時の感情が己の破滅につながることもあろうに(嗤) まぁよいわ。使えそうなヤツがいるなら会ってやろう……まさか紛れ込んでいるとは思わんがな」
黒服
「あの女は?」
「ゴミだ。姿形が美しいだけに非常に残念だがな。あとで貴様らにくれてやろう」
ドア
(どんどんどんどんどんっ)
黒服2
「た、たた、大変で……!(汗)」
黒服
「何事だ、騒々しい」
黒服2
「捕虜が、あのヤローが脱走したんで!」
黒服
「脱走だと? 見張りはなにをしていた!?」
「まぁ、焦るな(含笑)」
黒服
「し、しかし……」
「つまらぬヤツではない、と言うことだ。本物かどうかは知らんがな……大方囚われの姫君を救い出すつもりなんだろう……よし。もう一度ヤツを試したい。上手くこの部屋へ誘導してやれ……雑種共と一緒にな(含笑)」
黒服
「し、しかしそれでは……(汗)」
「それでよい。たまには体を動かさんと……手に入れた我が力も鈍ろう」
黒服
「御意。よし、いくぞ」
黒服2
「へ、へいっ(大慌)」

仮称・倉庫前にて

観楠
「……士堂君て、以外に力あるんだね……(汗)」
彼方
「偶然かと思われます。立て付けが悪くて開け閉めが困難だったと思われますね」
観楠
「(……の、割には力技でドア開けたよーな……そこにい た見張り、ぶっ飛ばしたのも……)」
彼方
「で、どちらへ向かいますか?」
観楠
「あの子達が何処にいるのか探さなきゃ……えーっと、こっちの方かな?」
彼方
「(音源探知開始……)いえ、あちらの方から女性の呟きが……」
観楠
「つ、つぶやきって……ホントにィ?(汗)」
彼方
「あれ、聞こえませんでしたか? これも個人差なんだろうか……ふむ、興味深い」
観楠
「女性かぁ……とにかく行って見ようか(走)」

(云々かんぬんと作戦を確認する)

琢磨呂
「というわけだ、わかったかい?姐さん(笑)」
竜胆
「だそうよ、横手さん(笑)」
寿
「は、はぁ……わかりました……(汗)」
琢磨呂
「(……キタネェ)よし、全員OKだな? それじゃぁ作戦開始だ!」

それから数十分後。彼方の周りには動く物がなくなり、黒服達とコンクリートの瓦礫の山が積み重なっている。

彼方
「(視界内クリア。……クリア後5分経過。 排除完了確認。『B』プログラムフリーズ……フリーズ終了。『R』プログラム起動)」
女の声
「FarAway、一時割り込み確認なさい」
彼方
「(パスワード待機)」
女の声
*****
彼方
「(パスワード再入力待機)」
女の声
*****。モードチェック」
彼方
「現在モード…『R』。損傷度数……4」

肩までの髪をヘアバンドで止めた眼鏡の女性が、瓦礫から出てくる。

「バーサークモードが発動したとはね……ねぇ。もうあなたは何をしていたの……せっかくあの人に似せて作ってあげたのに」
彼方
「コードが未定義です」
「帰還モード。コード1追尾歩行。追尾源、発信者」
彼方
「了解」