- お天気お姉さん
- 「気象庁の発表によりますと、本日、日本列島は梅雨が明
けたそうです。これからしばらくは、いいお天気が続く
との見通しです(^^)」
- 寿
- 「ふう、梅雨明けたから、日差しがまぶしすぎるなあ。暑
いったらないよ。もう、シャツべたべただし、目も回ってきた。……どこかで涼みたいなあ……あ、パン屋さんがあるぞ。とりあえず避難しよう」
ベーカリー楠の店内では
- 竜胆
- 「この時間帯は誰もいらっしゃらないんですね?」
- 観楠
- 「そうだね。素子ちゃんはきょうはオフだし、かなみちゃ
んはお昼寝中だし。 でも、 そろそろ皆来るんだろうなあ
ため息) ウチは“ベーカリー! ”であって、喫茶はおまけなんだけど……」
- 竜胆
- 「でも、とても居心地良いですよね。アットホーム! っ
て感じがします。これも、観楠さんの人柄ですよ」
- 観楠
- 「え? ほんと? (照れっ)」
- 竜胆
- 「ええ、とてもいいパパさんしてらっしゃると思います」
- 観楠
- 「いや、かなみちゃんは僕の、いや仕方なく……いや、か
なみちゃんの事が嫌いって訳じゃなくて、いやいややってるって訳でもなくって、これはこれでいいもんだなあって、何言わせるの!」
- 竜胆
- 「違うんですか? 例え血はつながってなくっても、親子
のつながりというのは心が通いあっていれば、 十分ですよぉ(^^)」
- 観楠
- 「うん、 僕もそう思うんだ……いや、 あの、 その(あた
ふた)」
- 竜胆
- 「あら? 何かおちましたよ……児童心理学概論。ほら、
こんなにかなみちゃんの事を考えてらっしゃるじゃないですか」
- 観楠
- 「だからぁ! (T_T)」
からんころん。
- 寿
- 「ふああ、涼しぃぃ。生き返るぅぅ。あ、すいません、お
邪魔します」
- 観楠
- 「ふぁい? い、いらっしゃいませ(にっこり)。ご注文は
何にいたしましょう?」
- 寿
- 「あ、アイスコーヒーを(喫茶もやってるのか)」
- 観楠
- 「かしこまりました」
- 竜胆
- 「(小声)常連さん以外の人がくるって珍しいですね」
- 観楠
- 「やっぱり竜胆ちゃんもそうゆう風に思ってたんだね……」
- 竜胆
- 「あ、ごめんなさい」
- 観楠
- 「いや、いいんだ……お待たせ致しました」
- 寿
- 「あ、どうも」
- 竜胆
- 「……なんだか、ちょっと変な気配がしません?」
- 観楠
- 「え? また、敵とかいうの? (おろおろ)」
- 竜胆
- 「そうじゃなくて、なんだか、空気が軽くなったような気
が……あ、説明するとですね、空間内に霊体がいると、霊体が消費する特殊なエネルギーが……うんぬんかんぬん。つまり、感覚的に空気が重いって、感じるんです」
- 観楠
- 「それで、結局何が言いたいんでしょう? (よくわからな
かった)」
- 竜胆
- 「ですから、この空間内から、霊体が離れたって事です。
勝手に離れて行く訳ないと思ってたんですけど……自縛霊だったから」
- 寿
- 「げほっごほっ (なんだ? あの女の子、霊感でもあるの
か?)」
- 竜胆
- 「自縛霊が一時的かもしれないけど、離れて行くなんて……
きらーん」
- 観楠
- 「きらーん、って」
- 竜胆
- 「閃いた時の擬音です。それはさておき。(つかつかつか)
ごめんなさい、すこしいいですか? (にっこり)」
- 寿
- 「え、ええ、かまいませんが……(なんだなんだ? 貴方
のためにお祈りさせて下さいとかいってくるんじゃ……)」
- 竜胆
- 「単刀直入にお聞きします。用件も手短に済ましますから。
……あなた、きっと、前世で私と一緒に戦った仲間なんです」
- 寿
- 「はあ?」
- 観楠
- 「また始まったか(はぁ)。あれさえなきゃ、普通の女の子
にみえるんだけどなあ……」
- 竜胆
- 「今は忘れてしまっているだけなんです。でも、安心して
下さい。すぐに思い出すでしょう。一緒に戦った仲間達の事を」
- 寿
- 「あのー、もしもし? (^_^;)」
- 竜胆
- 「今日、ここに涼みに入ったのも、ずっと前から決められ
てた事なの。そう、運命なのよ」
- 寿
- 「……」
- 観楠
- 「もうここまでくると、いっそ立派だよ、竜胆ちゃん(T_T)」
- 竜胆
- 「私にはわかりました。貴方には他の人にない不思議な力
が眠っている事が。気付いてらっしゃらないかもしれませんが、貴方には私達戦士に必要な力が、眠っているのです」
- 寿
- 「ぎくっ。(もしかして、反心霊フィールドのことか?)」
- 竜胆
- 「お気付きのようですね。そう、そのあらゆる霊体を拒絶
するばりやぁのことです」
- 寿
- 「なぜ、それを!」
- 竜胆
- 「だって、ここの自縛霊がほら、外で途方にくれてますも
の。あなたのばりやぁにまともにぶつかったせいで、ここからひき剥がされてしまったんです。その力、戦士の持つ力の中でももっとも優れた能力です。やはり、仲間だったんですね、あたし、うれしいっ☆」
- 観楠
- 「良かったね、竜胆ちゃん(やれやれ)」
- 竜胆
- 「はい、観楠さん。あぁ、今日はきっとラッキーデーに違
いないわ! 今日はなんか、対戦しても負ける気がしないもの」
- 寿
- (いったい、なんなんだ? この子は)
- 竜胆
- 「改めて、ごあいさつしますね。豊秋竜胆、紅雀院大学法
学部二回生です。よろしくお願いします(ふかぶか)」
- 寿
- 「横手 寿です……」
からんころん
- 文雄
- 「うむ、今日は暑いな」
- 竜胆
- 「あ、竜王様。こんにちわっ」
- 文雄
- 「うむ」
- 竜胆
- 「竜王様、こちらは……というわけです」
- 文雄
- 「ほう。それはそれは(気の毒に)重畳。心強い仲間がまた
一人、という訳だな」
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