どうやら竜胆の部屋に仮称剽夜が遊びに来ているようだ。
彼は最近「ついんびぃ対戦ぱずるだま」がお気にである。
- 剽夜
- 「ぬおおおおお。デザートよ☆ で止まってしまった」
- 竜胆
- 「焼きたてのクッキーよ☆ がそんなに聞きたいの?」
- 剽夜
- 「当然でわないか。アレを聞くためだけにわたしはマドカ
でやってるのだ……むう、病気だ。病気が進んでおる(^^;」
- 竜胆
- 「進んでるねえ。もうマドカの声なしでわ生きていけない
体なんね」
- 剽夜
- 「人の事が言えるのか? あきりん。@ー@ー@@ー@の
ためだけに『くるっくりん』を買った君に」
- 竜胆
- 「……いいじゃないぃぃぃ……乱入してやる。ぱすぱす出
撃ぃ!」
- 剽夜
- 「ぱすぱすって、なんかヤな呼び方だな」
- 竜胆
- 「リボンでごーごー☆」
数分後。
- 剽夜
- 「焼きたてのクッキーよ☆」
- 竜胆
- 「……やられた。もっかい!」
数分後。
- 剽夜
- 「焼きたてのクッキーよ☆」
- 竜胆
- 「……(コントローラーを投げ出す)」
- 剽夜
- 「あきりんはたしかぷよぷよが出来ないんだったな」
- 竜胆
- 「うん。目がすぐしぱしぱするから」
- 剽夜
- 「連鎖もくめんようでわ私には勝てん」
- 竜胆
- 「(むぅ)……『鉄拳』で勝負! (ぽちっとな)」
こうして二人の超妖しい時間は過ぎて行った……。
ん?
- 剽夜
- 「待て、その前に『天地無用! 』を見せてくれ」
暫くの後に、竜胆の部屋に「みゃおぉぉぉん☆」とゆう妖しい鳴き声が響き渡った。
某月某日 竜胆宅
- 剽夜
- 「今週の土曜日も泊まりに行くけど、晩御飯は豚肉の生姜
焼きで良いかな?」
- 竜胆
- 「んん。いいよ。駅に着いたらでんわしてねん☆」
- 剽夜
- 「わかった。でわでわ」
徒然なるままにお絵描をしていた竜胆のもとに一通の電話。
受話器を置いて、部屋を見回す。
- 竜胆
- 「座る場所がない……とりあえず、更ちゃんの座布団を捜
さなくちゃ。んと、確かこの辺に……あった」
取り込んだ洗濯ものの山の下から発掘されたそれは、直径60センチ位の丸いの座布団であった。彼はこう言って、これを部屋に置いていったのだった。
- 剽夜
- 「わたしはよくこのウチで泊まるから、枕代わりに持って
来た」
竜胆はそれに反対する事はなかった。所詮2次元的な物体。部屋を狭くする事はない。
もっとも、それをサークルの友人たちによく冷やかされてはいる。
- 友人
- 「ああ、枕まで持って来るなんて、更ちゃんとあきりんは
もうそこまで……」
- 竜胆
- 「なんか言った?」
- 友人
- 「いや、何も。ただ……いや、なんでもない」
妄想癖を持つ友人がいると、色々苦労する事がある。最近、しみじみとそう思う竜胆。
- 剽夜
- 「彼の妄想癖は日常生活に影響を及ぼしているから、10CP
は取っているな」
GURPSのルールを把握しきっているといいきる剽夜の名台詞。 この台詞以来、その友人は「妄想り(もそり)のチャキ(キャラクター名)」などと名乗っている。
- 竜胆
- 「自分で名乗ってたら、世話ないわねぇ……よっと」
とりあえず洗濯ものをクロゼットに放り込んで、散乱した雑誌なんかを隅っこに積み上げる。
剽夜はウチに来ても、だいたいパソコンの前か座布団のある位置にしか座らない。もはや、定着しているといってもいい。
ふと時計を見ると、電話から30分は立っている。
そろそろ彼が来る頃だ。
- 竜胆
- 「あとやり残してることは…… ちゃんと録れてるかな ?
『天地無用!』」
ビデオをまき戻して、確認。ちゃんと録れている。
- 竜胆
- 「おっけぇ。さて、あとは来るのを待つだけね。あ、御飯
セットしとくの忘れた!……しゃかしゃかしゃか (お米を研いでる)……ぽちっとな☆ これで大丈夫っと。 ああ、更ちゃんの料理美味しいから、楽しみ楽しみ☆」
そして、竜胆が一息ついた頃。
図ったように電話がなる。
- 竜胆
- 「はい、豊秋です。あ、更ちゃん。今着いたの……」
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