エピソード39『焼きたてのクッキーよ☆な日々』


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エピソード39『焼きたてのクッキーよ☆な日々』

どうやら竜胆の部屋に仮称剽夜が遊びに来ているようだ。
 彼は最近「ついんびぃ対戦ぱずるだま」がお気にである。

剽夜 
「ぬおおおおお。デザートよ☆ で止まってしまった」
竜胆 
「焼きたてのクッキーよ☆ がそんなに聞きたいの?」
剽夜 
「当然でわないか。アレを聞くためだけにわたしはマドカ でやってるのだ……むう、病気だ。病気が進んでおる(^^;」
竜胆 
「進んでるねえ。もうマドカの声なしでわ生きていけない 体なんね」
剽夜 
「人の事が言えるのか? あきりん。@ー@ー@@ー@の ためだけに『くるっくりん』を買った君に」
竜胆 
「……いいじゃないぃぃぃ……乱入してやる。ぱすぱす出 撃ぃ!」
剽夜 
「ぱすぱすって、なんかヤな呼び方だな」
竜胆 
「リボンでごーごー☆」

数分後。

剽夜 
「焼きたてのクッキーよ☆」
竜胆 
「……やられた。もっかい!」

数分後。

剽夜 
「焼きたてのクッキーよ☆」
竜胆 
「……(コントローラーを投げ出す)」
剽夜 
「あきりんはたしかぷよぷよが出来ないんだったな」
竜胆 
「うん。目がすぐしぱしぱするから」
剽夜 
「連鎖もくめんようでわ私には勝てん」
竜胆 
「(むぅ)……『鉄拳』で勝負! (ぽちっとな)」

こうして二人の超妖しい時間は過ぎて行った……。
 ん? 

剽夜
「待て、その前に『天地無用! 』を見せてくれ」

暫くの後に、竜胆の部屋に「みゃおぉぉぉん☆」とゆう妖しい鳴き声が響き渡った。
 某月某日 竜胆宅

剽夜 
「今週の土曜日も泊まりに行くけど、晩御飯は豚肉の生姜 焼きで良いかな?」
竜胆 
「んん。いいよ。駅に着いたらでんわしてねん☆」
剽夜 
「わかった。でわでわ」

徒然なるままにお絵描をしていた竜胆のもとに一通の電話。
 受話器を置いて、部屋を見回す。

竜胆 
「座る場所がない……とりあえず、更ちゃんの座布団を捜 さなくちゃ。んと、確かこの辺に……あった」

取り込んだ洗濯ものの山の下から発掘されたそれは、直径60センチ位の丸いの座布団であった。彼はこう言って、これを部屋に置いていったのだった。

剽夜 
「わたしはよくこのウチで泊まるから、枕代わりに持って 来た」

竜胆はそれに反対する事はなかった。所詮2次元的な物体。部屋を狭くする事はない。
 もっとも、それをサークルの友人たちによく冷やかされてはいる。

友人 
「ああ、枕まで持って来るなんて、更ちゃんとあきりんは もうそこまで……」
竜胆 
「なんか言った?」
友人 
「いや、何も。ただ……いや、なんでもない」

妄想癖を持つ友人がいると、色々苦労する事がある。最近、しみじみとそう思う竜胆。

剽夜 
「彼の妄想癖は日常生活に影響を及ぼしているから、10CP は取っているな」

GURPSのルールを把握しきっているといいきる剽夜の名台詞。 この台詞以来、その友人は「妄想り(もそり)のチャキ(キャラクター名)」などと名乗っている。

竜胆 
「自分で名乗ってたら、世話ないわねぇ……よっと」

とりあえず洗濯ものをクロゼットに放り込んで、散乱した雑誌なんかを隅っこに積み上げる。
 剽夜はウチに来ても、だいたいパソコンの前か座布団のある位置にしか座らない。もはや、定着しているといってもいい。
 ふと時計を見ると、電話から30分は立っている。
 そろそろ彼が来る頃だ。

竜胆 
「あとやり残してることは…… ちゃんと録れてるかな ? 『天地無用!』」

ビデオをまき戻して、確認。ちゃんと録れている。

竜胆 
「おっけぇ。さて、あとは来るのを待つだけね。あ、御飯 セットしとくの忘れた!……しゃかしゃかしゃか (お米を研いでる)……ぽちっとな☆ これで大丈夫っと。 ああ、更ちゃんの料理美味しいから、楽しみ楽しみ☆」

そして、竜胆が一息ついた頃。
 図ったように電話がなる。

竜胆 
「はい、豊秋です。あ、更ちゃん。今着いたの……」



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