エピソード47『ひょうたん』


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エピソード47『ひょうたん』

竜胆 
「更ちゃん、更ちゃん☆」
剽夜 
「いいかげんにその呼び方は直した方が良いぞ」
竜胆 
「いいからいいから☆」
剽夜 
「(汗)ナ、ナチュラルハイ……何かある……」
竜胆 
「これ飼おっ。ねっ☆」
剽夜 
「ごーるでんれとりーばー、にっぽんちゃんぴおんはやて まるのこ。にじゅうごまんえん。なんだ、これわ」
竜胆 
「わんころ☆」
剽夜 
「それは解るが……。25万円出して、この子イヌを飼おう と言うのか……あきりん」
竜胆 
「ん? なに? (きらきら)」
剽夜 
「(ぷいっ) イヌなんてなあ! 雑種でいいんだ! 血統 書付きはバカなんだ! だから、却下」
竜胆 
「えぇぇぇぇ、やだいやだい」
剽夜 
「知合いからもらって来てやるから、25万円は忘れるよー に」
竜胆 
「飼ってもいいの?」
剽夜 
「まあね。私もイヌを飼いたかったところなのだ、実を言 うと」

数日後。剽夜君が子イヌをもらって来た。

竜胆 
「(子イヌをだっこ)可愛ぃぃぃ☆ ねー、名前なんてつけ る?」
剽夜 
「……そうだなあ。私の剽の字と、あきりんの一字を取っ てだなあ」
竜胆 
「剽竜(ひょうりゅう)? かっこいぃ!」
剽夜 
「いや、剽胆(ひょうたん)」
竜胆 
「……嫌ぁ! そんなの、絶対嫌ぁ!」
剽夜 
「いや、もう決定した。な、剽胆」
子イヌ
「くーんくーん(ぺろ)」
剽夜 
「もう登録されてしまった。こいつは今から剽胆だ」
竜胆 
「嫌ぁぁぁぁ(T_T) 絶対嫌ぁぁぁ(ごろごろ)  そんな可 愛くない名前、絶対嫌ぁ!  ……はっ、 夢か……よかったぁ(笑)」

その日の昼休み

竜胆 
「じとーっ」
剽夜 
「どーした、あきりん」
竜胆 
(この冷静で頭よさそうな顔の下に、 あのネーミングセン ス……わからん)
剽夜 
「ジュースが欲しいならそう言えば良いのに。ほら」
竜胆 
「そーじゃないっ」
剽夜 
「変なあきりんだな。今に始まった事じゃないが。ふう」



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