エピソード48『おかたづけ』


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エピソード48『おかたづけ』

ぼーっとしていた竜胆は、電話の音に我に返った。

竜胆 
「はい、豊秋です」
剽夜 
『私だ!』
竜胆 
「ああ、更ちゃん。どしたの?」
剽夜 
『あきりん、今日は実験がないのだ。だから、今から行く ぞ』
竜胆 
「あいよ」

部屋に来て開口一番

剽夜 
「……むう、また散らかっているな……」
竜胆 
「(赤面)ほっといてよっ。これでも片付けたんだから」
剽夜 
「そもそも、ものを入れるスペースがないのだな、この部 屋は。よし、今から入れ物を買いに行くぞ」
竜胆 
「そうだね。これ一個じゃ足りないし。……どこに買いに く?」
剽夜 
「どこがあるんだ? この辺には」
竜胆 
「葛城の駅前にハンヅがあるよ。これもそこで買ったの」
剽夜 
「ハンヅか。ロフトなら行った事があるが、ハンヅはない な。よし、話の種に行くとしよう」
竜胆 
「駅からは近いから」
剽夜 
「しかし、あきりんの『近く』は爆遠なときがあるからな あ」
竜胆 
「どこが?」
剽夜 
「近くと言って、 1キロくらい先の 『なか卯』 にいく し(^^;)」
竜胆 
「近いじゃない」
剽夜 
「遠いよ!」
竜胆 
「……駅から、あたしン家までくらいは、駅前なの。だか ら、それくらいだったら近いのうちに入ってるの」
剽夜 
「そういうものなのか……(^^;)」

そして、買い物から帰って来て

剽夜 
「早速組み立てるか……キャスターをつけるだけでわない か。簡単だな」
竜胆 
「そだね」
剽夜 
「よし、早速片付けるぞ。いらんものはポイするからな」
竜胆 
「はーい」
剽夜 
「これ(CD)は? いるのか」
竜胆 
「見りゃわかるでしょ……」
剽夜 
「これ(セーラーソイルの単行本)はいらないもの……と」
竜胆 
「ああっ! 要る要る! 捨てちゃ駄目!」
剽夜 
「私にとってはいらないものだ……」
竜胆 
「あたしには大事なのっ!」
剽夜 
「(気にせず)ふんふん、 これはいるな……(洗濯物の山を 漁る)あきりん」
竜胆 
「はえ?」
剽夜 
「見られて困るようなものはその辺に置かないように (ぽ い)」
竜胆 
「わあっ! 急に来るっていうから片付けてなかっただけ なんだい!」
剽夜 
「まったく、本当に女の子の部屋なのか、ここわ……」
竜胆 
「間違いなくそうよ!」
剽夜 
「一説によると私のセカンドルームという噂もあるが……」
竜胆 
「それは見かけの話よっ」
剽夜 
「(あれこれと指示して)……よし、これで私が寝るスペー スが出来た(ごろん)」
竜胆 
「こらこら、まだ寝るな。まだそこしか片付いてないんだ から」
剽夜 
「一説によると私は、自分の寝るスペースが確保出来れば それでいいという噂も……」
竜胆 
「この机の上も片付けたら、ミカン箱(笑)でレポート書か なくてもよくなると思うんだけど」
剽夜 
「むう! それは片付けなくては!」

そして一時間ほどして

竜胆 
「……」
剽夜 
「本当にこれがあきりんの部屋なのか……床が見える……」
竜胆 
(感激のあまり声が出ない)
剽夜 
「おおっ!  見ろ! 向こう側の壁が見えるぞ!(ごろご ろ)」
竜胆 
「か・ん・げ・き☆」
剽夜 
「この状態がどれだけもつか楽しみだな。そうだな、8日 から10日まで、 大きな鞄を持って泊まりに来るというのも……」
竜胆 
「絶対に片付けておくからね」
剽夜 
「よし、今の言葉、忘れんぞ……」



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