ぼーっとしていた竜胆は、電話の音に我に返った。
- 竜胆
- 「はい、豊秋です」
- 剽夜
- 『私だ!』
- 竜胆
- 「ああ、更ちゃん。どしたの?」
- 剽夜
- 『あきりん、今日は実験がないのだ。だから、今から行く
ぞ』
- 竜胆
- 「あいよ」
部屋に来て開口一番
- 剽夜
- 「……むう、また散らかっているな……」
- 竜胆
- 「(赤面)ほっといてよっ。これでも片付けたんだから」
- 剽夜
- 「そもそも、ものを入れるスペースがないのだな、この部
屋は。よし、今から入れ物を買いに行くぞ」
- 竜胆
- 「そうだね。これ一個じゃ足りないし。……どこに買いに
く?」
- 剽夜
- 「どこがあるんだ? この辺には」
- 竜胆
- 「葛城の駅前にハンヅがあるよ。これもそこで買ったの」
- 剽夜
- 「ハンヅか。ロフトなら行った事があるが、ハンヅはない
な。よし、話の種に行くとしよう」
- 竜胆
- 「駅からは近いから」
- 剽夜
- 「しかし、あきりんの『近く』は爆遠なときがあるからな
あ」
- 竜胆
- 「どこが?」
- 剽夜
- 「近くと言って、 1キロくらい先の 『なか卯』 にいく
し(^^;)」
- 竜胆
- 「近いじゃない」
- 剽夜
- 「遠いよ!」
- 竜胆
- 「……駅から、あたしン家までくらいは、駅前なの。だか
ら、それくらいだったら近いのうちに入ってるの」
- 剽夜
- 「そういうものなのか……(^^;)」
そして、買い物から帰って来て
- 剽夜
- 「早速組み立てるか……キャスターをつけるだけでわない
か。簡単だな」
- 竜胆
- 「そだね」
- 剽夜
- 「よし、早速片付けるぞ。いらんものはポイするからな」
- 竜胆
- 「はーい」
- 剽夜
- 「これ(CD)は? いるのか」
- 竜胆
- 「見りゃわかるでしょ……」
- 剽夜
- 「これ(セーラーソイルの単行本)はいらないもの……と」
- 竜胆
- 「ああっ! 要る要る! 捨てちゃ駄目!」
- 剽夜
- 「私にとってはいらないものだ……」
- 竜胆
- 「あたしには大事なのっ!」
- 剽夜
- 「(気にせず)ふんふん、 これはいるな……(洗濯物の山を
漁る)あきりん」
- 竜胆
- 「はえ?」
- 剽夜
- 「見られて困るようなものはその辺に置かないように (ぽ
い)」
- 竜胆
- 「わあっ! 急に来るっていうから片付けてなかっただけ
なんだい!」
- 剽夜
- 「まったく、本当に女の子の部屋なのか、ここわ……」
- 竜胆
- 「間違いなくそうよ!」
- 剽夜
- 「一説によると私のセカンドルームという噂もあるが……」
- 竜胆
- 「それは見かけの話よっ」
- 剽夜
- 「(あれこれと指示して)……よし、これで私が寝るスペー
スが出来た(ごろん)」
- 竜胆
- 「こらこら、まだ寝るな。まだそこしか片付いてないんだ
から」
- 剽夜
- 「一説によると私は、自分の寝るスペースが確保出来れば
それでいいという噂も……」
- 竜胆
- 「この机の上も片付けたら、ミカン箱(笑)でレポート書か
なくてもよくなると思うんだけど」
- 剽夜
- 「むう! それは片付けなくては!」
そして一時間ほどして
- 竜胆
- 「……」
- 剽夜
- 「本当にこれがあきりんの部屋なのか……床が見える……」
- 竜胆
- (感激のあまり声が出ない)
- 剽夜
- 「おおっ! 見ろ! 向こう側の壁が見えるぞ!(ごろご
ろ)」
- 竜胆
- 「か・ん・げ・き☆」
- 剽夜
- 「この状態がどれだけもつか楽しみだな。そうだな、8日
から10日まで、 大きな鞄を持って泊まりに来るというのも……」
- 竜胆
- 「絶対に片付けておくからね」
- 剽夜
- 「よし、今の言葉、忘れんぞ……」
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