エピソード63『図書館帰りの黒衣の魔導師』


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エピソード63『図書館帰りの黒衣の魔導師』

紅雀院大学図書館にて

時雨
「ふぅ、やっと見つけたぞ。この『ソロモンの小さな鍵』 は前から読んでみたかったんだ」

てこ、てこ、てこ。

時雨
「すいません、この本貸し出しお願いします」
女の子
「はい、貸出期間は2週間です」
時雨
「しかし、この大学に入って、1年間かけてやっと見つけ たんですよ」
女の子
「あぁ、その本は借りた人が行方不明になったとかで警察 に一時期証拠品として押収されていたんです」
時雨
「そんなことが……(気をつけよう)」

家への帰り道

てこ、てこ、

時雨
「おや? 、こんな所にパン屋が」

きょろきょろ。

時雨
「うん? このパン屋はなんて名前なんだ(わかんないのよ)
初めての店って入るの緊張するなぁ)、クリームパンが食べたい、買って帰ろう」
時雨
「(からんころん)こんにちわ……っと」
素子
「いらっしゃいませぇ☆」
竜胆
「あれ? 紫擾くんじゃない。どぉしたの」
時雨
「そういうあきりんこそ、こんなところで何をしているん だ? バイトじゃないのか」
竜胆
「今日は遅れるって言ってあるんだよん」
時雨
「なるほど(竜胆の向かいに座る)」
素子
「御注文はなんになさいますか?」
時雨
「クリームパン一つ」
素子
「はいっ? ク、クリームパンですね」
竜胆
「紫擾くん、なに言ってンの?」
時雨
「いやあ、パン屋だから、パンを頼んだんだが……なんか、 おかしい事言ったかなあ」
竜胆
「こっちは喫茶よ。だから、そのつもりでモコちゃん、聞 いたの。なのに、クリームパン頼むんだから……」
時雨
「普通は気付かんと言う説有り」
竜胆
「まあね。モコちゃーん、コーヒーもお願いー」
素子
「はーい」
時雨
「うーん、奥が深い」
竜胆
「何が?」
時雨
「いやぁ、世の中ですよ。こういう店もあるんですね。感 動してしまいましたよ」
竜胆
「そーゆーものなの?」
時雨
「そういうものです(きっぱり)」
素子
「どうも、おまたせしました」
竜胆
「ありがと、モコちゃん☆」
時雨
「どうもです」
竜胆
「で、最近どうなの?」
時雨
「それがやねぇ……。どうもうまくいってなかったりして
クリームパンを一口)」
竜胆
「えぇ? 、何が」
時雨
「(うむ、なかなか美味である)いやぁー、実は実験の話な んですけどね」
竜胆
「ふむ、ふむ(コーヒーをちびっと)」
時雨
「やっぱり、召喚の生け贄に人を使うのはまずいでしょう ね」
竜胆
「ぶふぁっー(うぎゃー、コーヒー時雨に直撃)本気で言っ てるの?」
時雨
「へぇ? 嘘きで言ったんですけど……(ふき、ふき)」
竜胆
「(こっ、こいつは……)そっそうよね。あははぁ」



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