- 時雨
- 「ふぅ、やっと見つけたぞ。この『ソロモンの小さな鍵』
は前から読んでみたかったんだ」
てこ、てこ、てこ。
- 時雨
- 「すいません、この本貸し出しお願いします」
- 女の子
- 「はい、貸出期間は2週間です」
- 時雨
- 「しかし、この大学に入って、1年間かけてやっと見つけ
たんですよ」
- 女の子
- 「あぁ、その本は借りた人が行方不明になったとかで警察
に一時期証拠品として押収されていたんです」
- 時雨
- 「そんなことが……(気をつけよう)」
てこ、てこ、
- 時雨
- 「おや? 、こんな所にパン屋が」
きょろきょろ。
- 時雨
- 「うん? このパン屋はなんて名前なんだ(わかんないのよ)
初めての店って入るの緊張するなぁ)、クリームパンが食べたい、買って帰ろう」
- 時雨
- 「(からんころん)こんにちわ……っと」
- 素子
- 「いらっしゃいませぇ☆」
- 竜胆
- 「あれ? 紫擾くんじゃない。どぉしたの」
- 時雨
- 「そういうあきりんこそ、こんなところで何をしているん
だ? バイトじゃないのか」
- 竜胆
- 「今日は遅れるって言ってあるんだよん」
- 時雨
- 「なるほど(竜胆の向かいに座る)」
- 素子
- 「御注文はなんになさいますか?」
- 時雨
- 「クリームパン一つ」
- 素子
- 「はいっ? ク、クリームパンですね」
- 竜胆
- 「紫擾くん、なに言ってンの?」
- 時雨
- 「いやあ、パン屋だから、パンを頼んだんだが……なんか、
おかしい事言ったかなあ」
- 竜胆
- 「こっちは喫茶よ。だから、そのつもりでモコちゃん、聞
いたの。なのに、クリームパン頼むんだから……」
- 時雨
- 「普通は気付かんと言う説有り」
- 竜胆
- 「まあね。モコちゃーん、コーヒーもお願いー」
- 素子
- 「はーい」
- 時雨
- 「うーん、奥が深い」
- 竜胆
- 「何が?」
- 時雨
- 「いやぁ、世の中ですよ。こういう店もあるんですね。感
動してしまいましたよ」
- 竜胆
- 「そーゆーものなの?」
- 時雨
- 「そういうものです(きっぱり)」
- 素子
- 「どうも、おまたせしました」
- 竜胆
- 「ありがと、モコちゃん☆」
- 時雨
- 「どうもです」
- 竜胆
- 「で、最近どうなの?」
- 時雨
- 「それがやねぇ……。どうもうまくいってなかったりして
クリームパンを一口)」
- 竜胆
- 「えぇ? 、何が」
- 時雨
- 「(うむ、なかなか美味である)いやぁー、実は実験の話な
んですけどね」
- 竜胆
- 「ふむ、ふむ(コーヒーをちびっと)」
- 時雨
- 「やっぱり、召喚の生け贄に人を使うのはまずいでしょう
ね」
- 竜胆
- 「ぶふぁっー(うぎゃー、コーヒー時雨に直撃)本気で言っ
てるの?」
- 時雨
- 「へぇ? 嘘きで言ったんですけど……(ふき、ふき)」
- 竜胆
- 「(こっ、こいつは……)そっそうよね。あははぁ」
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