土曜日の晴れた午後。
ここ、ベーカリー楠では、いつものように高校生組が昼食を兼ねた居座り行為を続けていた。
- 三彦
- 「そろそろ敵中だ!全員、姿勢を低くして進め!」
- 岩沙
- 「酒井、下の警戒は任せろ。慎也! 来てくれ」
- 慎也
- 「おーけ」
- 三彦
- 「よし、上回り班は匍匐前進! 久永上等兵、来い!」
- 涼介
- 「ほいほーい」
- 慎也
- 「中段の警戒はどうする? 岩沙」
- 岩沙
- 「知らん! 適当にやっとけ!」
- 慎也
- 「あっ、前のほうでなんか動いた!」
- 三彦
- 「!……上回り班、総員警戒!! くるぞーッ、射弾回避!!」
突然床に伏せる三彦と岩沙。
- 素子
- 「あんたら……何やってんの?」
- 三彦
- 「ば、馬鹿者。帝国軍人たる者、平時に於いても常に緊張
を保つ可し。訓練は之を常日頃より行い、技量の向上に励む。これは太古神代よりの鉄則だ。よって今現在ここで訓練を行っているという次第だ」
- 素子
- 「はぁ……そこまでしてサバゲしたいの?」
- 三彦
- 「当然だ」
- 涼介
- 「だからといってなんで僕まで……」
- 三彦
- 「久永上等兵! 唯今の発言はどういう事だ!」
- 涼介
- 「いや…… だから、どうして僕までこんな事しなきゃな
ら……」
- 三彦
- 「貴様、敵前逃亡を図るか!!」
- 岩沙
- 「こりゃ銃殺だな」
- 慎也
- 「うむ、いっそフルオートでひと思いに……」
- 岩沙
- 「いやいやフォックスにするという手も……」
- 慎也
- 「じゃあM60のムービングターゲットに……」
- 涼介
- 「なんでや!」
- 岩沙
- 「さあ、どれを選ぶ!?」
- 涼介
- 「ちょっとちょっと!」
- 慎也
- 「君に拒否権は無〜い。……ん? あれ?」
- 岩沙
- 「……来るぞ!」
店の表にエンジン音が響く。
エンジン音というのは結構、電動ガンの発射音に似ているのだ。
- 岩沙
- 「射弾回避準備!」
- 三彦
- 「岩沙、敵は捕捉できるか?!」
- 竜胆
- 「……敵?」
- 岩沙
- 「おわあぁ、……姐さんか」
- 竜胆
- 「敵って何?」
- 三彦
- 「いや……その……」
- 岩沙
- 「うーむ、早くサバゲやりてぇよぉ」
- 竜胆
- 「……?」
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