エピソード71『由加梨のハートは直下型!?』


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エピソード71『由加梨のハートは直下型!?』

城島由加梨ちゃんが、酒井君に手紙を渡してと言ったこと、皆さん覚えていらっしゃるであろうか。あの忌まわしい事件(エピソード33)が終わって、はや1週間が経とうとしていた……。

紅茶店「アオダマ」にて

三彦
「ずずっ……うむ……やはり緑茶であるな」
琢磨呂
「私はダージリン専門だ。パイソンも好きだが」
涼介
「僕はアッサムだね……で、パイソンって?」
琢磨呂
「フォートナム・メイソンとコルトパイソンをかけた、掛 け言葉だ。ふっ……私の文学能力をしてすればこのような素晴らしい形容は訳が無い……」
三彦
「……(あきれてものも言えない)」
涼介
「あ、そうだ! 岩沙君、明日ちょっとガンショップ付き 合ってくれないかなぁ」
琢磨呂
「え? なんか買うのか?」
涼介
「この前のサバゲーで、迷彩服の必要性を痛感したし、お 金も溜まったことだし買おうかと」
琢磨呂
「そりゃぁ良いな。シンと、サブと、4人で行こう! み んなでいいやつを探してやるよ」
涼介
「ホントか? 助かるよ。パチもんの見分けとかがつかな いからね」
三彦
「あ、明日であると!?」
琢磨呂
「おう。お前はいつも暇だろう?」
三彦
「え、あ、いや……まぁ、構わんが……」
涼介
「変な三彦だなぁ……どうしたんだ? 何かあるなら構わ ないよ? 岩沙君も片山君も来てくれるだろうから」
三彦
「……す、すまぬが……明日は……」
琢磨呂
「!? ……おい、サブ! どうしたんだ?」
涼介
「顔色、めっちゃ悪いよ?」
三彦
「いや……ちょっと明日は都合が……」
琢磨呂
「変な奴だなぁ……水子の霊の法事か?」
三彦
「断じて私に限ってそんなことはないっ!」
琢磨呂
「まぁ、無理ならしゃぁないわな。涼介、シンと一緒に行 こうぜ」

三彦、家に帰りついてからのこと

三彦
「むぅ……まさか私ともあろうものがあの場であのように 動転してしまうとは……実戦経験のないパイロットが初めての戦場で気が動転して戦えなくなる理由がなんとなく分かったような気がする。
第一、あのような手紙じたい、私には分不相応なものであり、管轄ではないというのに……。

「酒井君へ。×月××日午後六時、▲▲港の第2埠頭で、あなたを、ずっと待っています。どうしても、あなたに言いたいことがあるんです。来てください。 由加梨」

三彦
「思い出すだけで赤面しそうである。第一、言いたいこと があるのならば、何故無電か電話で通信せんのだ……。
しかし、どうしたものだ……どんな服を着ていけば良いのであろうか。うーむ……こういった女性が絡むことについては、琢磨呂に聞いておくべきであったな……しかし、涼介の手前、由加梨嬢の話は持ち出しにくい……困ったものである。なによりも、私は女性と会うための服なぞ持ち合わせてはおらんではないか……礼服と言うと……(タンスをひっくり返す)……学校の制服と、海軍航空隊の制式礼装か。よし! 礼儀正しく、海軍航空隊第1種礼装で出陣しよう。女性の前で武装していくのも、失礼にあたるであろう。非武装で町を出歩くのは少々不安だが、致し方あるまいて……。
明日の夕方か……まだまだ時間がある……眠っておきたいが……うーむ……何故に由加梨嬢はわしを呼び出したのであろうか……(愛の告白か? と考える)……まさかそんなことはないだろうが……うーむ……謎だ」

三彦と別れた琢磨呂と涼介

琢磨呂
「なぁ、涼介、三彦の様子が変じゃなかったか?」
涼介
「絶対、何かあると思うね」
琢磨呂
「貴様もそう思うか……よし! 決めた!」
涼介
「どうしたの!?」
琢磨呂
「明日の予定、今度に延期出来ないか?」
涼介
「別に、構わないけど……」
琢磨呂
「シンの家に泊まり込む」
涼介
「えっ? 何を言ってるのか良く分かんないんだけど……」
琢磨呂
「シンの家は、三彦が駅までたどり着く道の途中にあるん だよ。サブのおばちゃんに電話しておいて、サブが家を出たらシンの家に電話をいれてもらう。そして、サブがシンの家の前を通った瞬間から、作戦開始ってわけだ」
涼介
「そ、そこまで徹底するの?」
琢磨呂
「ヤルからには徹底的に……だ」
涼介
「僕は、遠慮しておこっかなぁ〜(^^;」
琢磨呂
「デフォルトメンバーに既に入っているぞ」
涼介
「あうっ……(T_T) じゃぁ、親に連絡とって、いったん僕 は帰るよ。慎也君の家で会おう」

片山慎也君の家に泊まり込んだ琢磨呂&涼介、遂に行動開始の時が!

SE
「トゥルルル……カチャッ」
慎也
「はい片山です! ……ええ、はい、そうですか。わかり ました。有り難うございます」
慎也
「琢磨呂、動き出したで」
琢磨呂
「いよいよ……か」
涼介
「岩沙君、そのでかい器材は何?」
琢磨呂
「信号受信機だ。人ごみの中で見失わないように、発振器 を三彦に付ける。満員電車でどさくさに紛れてつけるわけだ。自作だから大型になってしまったが、信頼性を第一に作った。うまく動くはずだ」
慎也
「じゃぁ、みんな変装して、尾行開始だっ(ごそごそ)」
涼介
「変装までするの?」
慎也
「三彦のことやからね。常に360度警戒してるで」
涼介
「うーん……困ったなぁ……じゃぁ、僕はサングラスかけ ていくよ」
琢磨呂
「おっし、かつらと、付け眉毛と……だわわわぁぁぁっ! シン! な、な、なんだその服は! まさか変装って、それ着るのか?」
慎也
「(女物のスケスケチャイナドレスを持って) ええやんか。 せっかく店長さんにもらったんやから、使わなな損や」
琢磨呂
「観楠さんにもらったのか?」
慎也
「そーやけど?」
琢磨呂
「(てんちょー……妖しい物よく買う気になったな……一人 で買ってる所を想像したくないぞ……)」

その後、三彦と一同は同じ電車に

慎也
「なぁ、琢磨呂。発振器付けてきたで。よー寝とったわ」
琢磨呂
「わっはっは! 昨晩興奮して、寝れなかったんだろうな。 ウブな奴だなぁ」
車掌
「▲▲港でございまーす。地下鉄■■線はお乗り換えです」
涼介
「あ、三彦が降りる!」
慎&琢
「GOっ」
琢磨呂
「これは、港だな……最高のデーとスポットだぜ、この時 間からいくと、な」
涼介
「時間?」
琢磨呂
「ああ。この時間に行くと、丁度着くころには、日の入り だ。会った時は夕日をバックに、少し話し始めて本題に入るころには、対岸の夜の照明が奇麗なんだ……呼び出したのが女……と仮定したら、相当なやり手だぜ。姐様だってここまで気の利いた時刻設定はできないはずだ。相手、プロだぜ……」
慎也
「琢磨呂が言うと信憑性があるなぁ(苦笑)」
涼介
「でも、絶対女の人だよ、呼び出すのは。男だったら隠さ ないだろうし、あの礼服からして……」
琢磨呂
「おまえらほんっと分かってないなぁ〜(頭を掻く) 俺が 女だと言ったのは、サブの脇の下を見ていったんだよ。
入ってねぇぜ、銃が」
慎也
「ナルホド! あいつが銃を持たない時といえば……なん となく先が読めてきたみたいやな」
涼介
「苦労してついてきた甲斐があったかもしれないね」
琢磨呂
「よし、発振器の電波をフルパワーで受信しつつ、港へ先 回りしよう!」

港入り口にて。現在時刻、待ち合わせの40分前

慎也
「琢磨呂ぉ! 港って言っても、めちゃくちゃ広いぞ?  何処か分からんやろ」
琢磨呂
「フッ……デートスポットは第2埠頭か第4埠頭だ。第1 と5は夜も常に使用されているから、無理だ。第3は材料関連の陸揚げ場所だから、臭いんだ。デート所の騒ぎじゃない。恐らくは第2だと思うがな……第4よりも夜景が奇麗だから……」
涼介
「(岩沙君、呼び出した女の子よりも詳しいんじゃない?)」
慎也
「(可能性十分にありうるやろな(笑))」
琢磨呂
「とにかく、第2の倉庫の屋根のうえ辺りから見物と行こ うか」

待ち合わせ30分前、第2埠頭の倉庫と倉庫の間

慎也
「ここから登れそうやで」
琢磨呂
「よし、俺から登るぞ」

……よいしょよいしょ……どっこいしょ。

琢磨呂
「っこらせッと……ふぅ……ん!?」
慎也
「早く上がれよ。 この服、下からやと、丸見えなんやっ て(笑)」
涼介
「心配しなくったって、見たくないから見ないよ(汗)」
慎也
「まあ、当たり前やな(笑)」
琢磨呂
「シィッ(人差し指を口に当てて制する)」
慎也
「だれかいるのか?」
琢磨呂
「(降りるぞッ! 飛び降りろ)」

……タンッ。

琢磨呂
「ヤバイ……ぞ……三彦、一体誰に呼ばれたんだ?」
涼介
「何があったんだい?」
琢磨呂
「隣の倉庫と、向こうのクレーンの上、そしてこの倉庫の 上、明らかに銃と思われるものを持ったやつが、数人。どういうこった? 女に呼ばれたんじゃなかったんだろうか……なんかヤバい事をしたから……って言うんなら、俺達に言わなかったというのも、うなずけるな」
慎也
「単なる偶然じゃぁ? ここでたまたま麻薬の取り引きが あるとか……」
涼介
「それは、ないと思うけどなぁ……とにかく三彦と、その 銃を持ってる恐い人達が、どう関っているのか知りたいな」
琢磨呂
「かくかくしかじかだから来るなって、精神電波で送って やってもいいんだけど、関係ない可能性もあるからなぁ。そしたら、呼んだ女の子にも三彦にも迷惑が掛かるしな」
涼介
「様子見るしかない……か」
慎也
「(受信機を覗きこんで) 三彦、まっすぐ港へ向かってる。 到着予定時間まで、あと10分少々やな」
琢磨呂
「んっ? 倉庫の中から何か聞こえるぞ……」
涼介
「こ、この声は……(驚愕の表情) 由加梨ちゃん!」
慎也
「えっ? 城島由加梨ちゃん?」
琢磨呂
「静かにしろってば。相手の声が聞こえるならこっちの声 も聞こえるんだぞ」
男 
「お嬢様、ステージの準備が調いました」
由加梨
「そう、わかったわ。で、奴の位置は?」
男 
「以前こちらへ直進中。到着予定時刻5分です」
由加梨
「私もそろそろステージに上がっておかなくっちゃぁ、ね。 私が合図したら、劇を始めてちょうだい」
男 
「了解いたしました。それでは、もうそろそろ第一埠頭の ほうから、船をまわさせておきます」
琢磨呂
「……あの怪しい会話は何なんだ?」
慎也
「解らない。でもあの声は確かに由加梨ちゃんだよ」
涼介
「絶対由加梨ちゃんだ! 賭けてもいいよ」
琢磨呂
「人違いってことは……」
涼介
「ない! 断じてない! す、好きな人の声を、間違える ものか! (言った後、赤面してうつむく)」
慎也
「(涼介君……)」
琢磨呂
「そうか……なんにせよ、状況を見ておく必要があるな。 涼介もそれを望むだろう?」
涼介
「うん……」
琢磨呂
「三彦には、暫し役者になってもらうか……」

待ち合わせ時刻1分前。三彦登場

琢磨呂
「三彦が港に入った……到着まで1分少々……あいかわら ず時間にはきっちりしてやがんな」
慎也
「琢磨呂、もしものときはどうするんだ?」
琢磨呂
「相手が本当に悪い奴なら、女に銃をむけることに抵抗は ない。しかし、涼介の気持ちもわかってあげたいしな。あの女の子は撃たないようにする。撃つにしても普通のBB弾で撃つから。ニトロ弾は男どもにだけ使うことにする」
涼介
「岩沙君……ごめん」
慎也
「涼介君が謝ることやないって」
琢磨呂
「(薬室を覗きこんで)今日はニトロ弾の弾数が少ない…… こんなことになるとは思ってなかったからなぁ……」
琢磨呂
「シン……」
慎也
「なんや」
琢磨呂
「お前、PPK持ってるよな?」
慎也
「おう」
琢磨呂
「ニトロ弾、1発だけいれとけ。何があるかわからん。1 発なら大丈夫や。暴発しても死にはせん。生命保険だと思って持っときな(1発弾をわたす)」
慎也
「サンキュ……と言いたいけど、複雑な気分やな」
琢磨呂
「状況が状況だけに……な」
涼介
「あ、三彦だ!」
三彦
「ゆ、ゆ、ゆ、由加梨嬢……こんばんわであります!」
由加梨
「酒井君……来てくれたのね。嬉しい……こうやって二人っ きりで逢いたかったのよ……こうして酒井君が来てくれるなんて、夢みたい……」
慎也
「ほら、やっぱり由加梨ちゃんやないか」
琢磨呂
「う……うーむ……」
慎也
「でも、さっきの台詞と、全然関係なさそうだよ? 既に らぶらぶしてるしさぁ〜」
涼介
「(T_T)(T_T)(T_T)(T_T)(T_T)(T_T)(T_T)(T_T)(T_T)」
慎也
「友人に女取られた状態か……無理ないわな……」
涼介
「(ぐっさぁ)し、慎也君、それってひどい……(T_T)」
三彦
「(顔が茹でダコ状態) あ、あだ……ぼ……べ、ぢゅじゅ、 由加梨嬢!(ハァハァ) あ、あの、その、お話と言うのは、はたしていかなる御用件にあられますのでしょうか?」
由加梨
「ふ……ふふふ……(腕時計のスイッチを押す) 用件の前 に少し付き合ってくれるかしら……」
三彦
「えっ?」

三彦をサーチライトの光が幾重にもなって追い、闇の中から声が響き渡る。

「酒井三彦! 両手を挙げて地面に伏せろ! 命令に従わ ない場合は発砲する!」
三彦
「な、なにッ! 由加梨嬢、これは一体どういうことであ りますかッ!」
「しゃべるな! 早く命令に従え(銃の装弾ハンドルを引 く)」

港のクレーン、2つの倉庫の上からサーチライトを照らされ、三彦と由加梨がいる場所は、さながら野外コンサートの舞台のようであった。由加梨は薄い笑みを浮かべて、地面に伏せる三彦を見下ろす。その眼は、サディスティックな輝きを浮かべていた……。

琢磨呂
「舞台たぁ、こういう事か……しょうもねぇ事を洒落込み やがって、畜生」
慎也
「なにぼーッとしてんねん! 早く助けんと!」
涼介
「で、でも……ほ、ホントにあれが由加梨ちゃんなのか?」
琢磨呂
「くっちゃべるのは後だ! (銃の1発目を装填する) 涼 介はそこで待っていろ。その精神状態では何も出来ん」
慎也
「琢磨呂、行くぞ!」
琢磨呂
「慎也はあそことあそこ、俺はあっちとあっちを殺る」
慎也
「オッケー、GO!」
男1
「だ、だれだっ!」
琢磨呂
「(男1の足元をニトロ弾で吹き飛ばす) 貴様ァ! そこ を動くなッ!」
男2
「何やつ……ぐあっ!」
慎也
「ていっ! (ニトロ弾で威嚇射撃)」
男2
「何やつッ! ……うおっ!」
慎也
「もひとつ、おまけぃ☆ミ(顔にペイント弾発射)」
男2
「だぁっ! 目がぁ……」
慎也
「そこまでや! 武器を捨てな」
男1
「……わ……分かった……」
男2
「く、くそっ!」
琢磨呂
「(男3、4に向かって) 吹き飛ばされたい奴以外は、銃 を捨てろ! 我々は警察ではない。人質を解放すれば、悪いようにはしない」
男3&4
「我々は命令に従ったまでだ」
琢磨呂
「OKOK、人質を解放すれば何も聞かんさ」

男どもを引き揚げさせた後、由加梨の尋問開始

慎也
「さぁて、由架利ちゃん……(ちょっと切れてる)俺等に分 かるように説明してくれない? (エアガンを向ける)」
由加梨
「か、片山くん? ど、どうしてここに……」
慎也
「ちょっとした好奇心がもとで居るんやけど、そんなこと はどーでもええんや。なんで酒井にあんなことをしたんや?
返答によっては……(カチャッ)」
琢磨呂 
「(しかし、シンの奴。あのかっこでよくあんな台詞はけ るな……。さすがと言うか……)」
涼介
「慎也君ッ!」
慎也
「おおうっ! 涼介君、いつの間に!(汗)」
涼介
「慎也君、暴力はよくないよ……」
慎也
「暴力だなんて、失敬な。そやけど、三彦がやばかったの 見たやろ? 親友がやばかったのに心中穏やかなわけないやろが」
涼介
「確かにそうだけど……(由架利ちゃんが可哀想じゃない か)」
由加梨
「う……ぐ……ひっく……」
涼介
「由加梨ちゃん! どうしたの?」
慎也
「泣いて逃げられるとはおもわへんことやで」
由加梨
「ご、ごめん……なさい……」
慎也
「ごめんで済むなら国連軍はいらんのや」
涼介
「(慎也くんったら!)」
由加梨
「酒井君のことが……酒井君のことが好きだったばっかり に、あんなことしてしまって……」
涼介
「((……(^^;)) げ、げげげげ、げきょぉぉぉぉ〜〜〜〜 ん)」
慎也
「(はぁ?)」
由加梨
「ぐす……酒井君にもきらわれちゃっただろうし……。
うっ……」
慎也
「(嫌われたかどうかは知らんけど……)あのぉ〜、もし?  それとこれとどう関係あんの?」
由加梨
「……酒井君は……酒井君は、軍事的なことが大好きだっ て……ひっく……岩沙くんが、言ってたから……わたし、精一杯のもてなしをしたつもりなのに……なのに……グスッ……ごめんなさい……」
慎也
「岩沙がぁ? (たくっ、あのばかぁ) い〜わぁ〜(振り 向く)……あっ!」

片山慎也が、岩沙琢磨呂がいるであろう場所を振り向いた時、既に彼は闇の中へ走りだしていた……「ワシは知らん! ワシは逃げる!」とでも言いたげな後ろ姿で……。

慎也
「(あんにゃろぉ……事後処理任せて逃げたな? アオダ マでアッサムおごらしちゃる)由架利ちゃん、事情は分かったから。君が泣くような事ちゃうって。ね? だから泣きやんで」
由加梨
「わぁぁぁぁん……(大粒の涙を流しながら慎也の胸に飛 び込んで泣く)」
慎也
「ちょ、由加……(こういうのに弱いんだよなぁ、俺(汗)」
涼介
「(ぐわわわわっちょぉぉぉお〜〜〜ん(T_T))」

かくして、完全に取り残された不幸な涼介と、忘れられている三彦を残して、事件の幕は下ろされようとしていた・……・

三彦
「……なんであったのだ、一体?」



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