エピソード76『華麗なる仕返し』


目次


エピソード76『華麗なる仕返し』

竜胆
「よっ、少年☆」
琢磨呂
「おう、姐さん。今日、給料出たんじゃないのか?」
竜胆
「出たよ……あんた、たかろうって魂胆ね」
琢磨呂
「この前紅茶奢ってやっただろう? そん時、給料出たら 飯奢るって、約束したじゃねーか」
竜胆
「したっけ? 店長さん、あたし、そんな約束してました?」
観楠
「んーと。してたよーな気がするよ」
竜胆
「……してたかな……?」
琢磨呂
「姐さん、しらばっくれても無駄だぜ。ネタはあがってる んだ。さあ、奢ってくれ。ああ、オレはワインは赤が好きだ。紅茶はアップルティーとロシアンティーがいいな」
竜胆
「あんた、この貧乏学生になにをたかろーってのよ!」
琢磨呂
「貧乏ねえ……(じろじろ)」
竜胆
「何見てんのよぉ」
琢磨呂
「姐さん、貧乏なのは、服とゲームにつぎこんでるからだ ろ。ちっと我慢すりゃいいだけじゃねーか」
竜胆
「女の子にとっておしゃれは大事なのよ。酒井君みたいに 迷彩着てれば良いってもんでもないの!」
琢磨呂
「女の子? どこにいるんだ」
竜胆
「……」
観楠
「はっ、り、竜胆ちゃん。落ち着いて、ね」
竜胆
「だ、大丈夫です。店長さん。もうけんかはしないって、 約束しましたから」
琢磨呂
「いーから、姐さん、奢ってくれよ。俺はもうお腹ぺこぺ こだぜ」
竜胆
「うるしゃい。あんたに奢る飯はない!(すたすた)」
琢磨呂
「あ、せめて、紅茶台だけでも返せよ!」
竜胆
「次にあった時を覚えてらっしゃい!(ぶろろろろ)」
琢磨呂
「……逃げやがった……あのアマ……」

コンビニ

竜胆
「見てろよ、岩沙ぁ……ドギモ抜かせたる……(カンサイ ウォーカーを買う)」

その日の夜。

琢磨呂
「なんだ? 姐さんからメールが来てるぞ……」

★Private Message is from: HG0058 あきりん★ to: HG0070 ワーレン
★Time: 95/11/25 22:40:41
★Subj: お待ちしてます★

 ワーレン君★

 先日は失礼しました。
 紅茶のお礼をしたいので、@月@日@時に葛城駅前に来てください。

 あ、服装はちゃんとして来る事。
 でないと、あたしが恥ずかしいからねっ。

 -=- 1995/11/24/ 21:35:24 に あきりん★ が 書きましたっ -=-

琢磨呂
「姐さんめ。心を入れ替えたらしいな。よぉし、一発キメ て行ってやるぜ……はーっはっはっは」

@月@日@時 葛城駅前

琢磨呂
「姐さんめ、遅いぜ……」
竜胆
「ごめんなさい、遅くなって☆」
琢磨呂
「遅いぜ、姐さん……(^^;) あ、姐さん?」
竜胆
「可愛いでしょ、この服。似合う?」
琢磨呂
「あ、ああ……」
竜胆
「さ、行きましょ」
琢磨呂
「へ?」
竜胆
「ごはん、奢ったげるって言ったでしょ」
琢磨呂
「あ、ああ。(姐さん、あんなにおしゃれして……正直、 驚いちまったぜ……)」
琢磨呂
「こ、ここは……(^^;)」
竜胆
「どーかした?」
琢磨呂
「どーかしたも何も、ここって……」
竜胆
「吹利プリンスホテルね」
琢磨呂
「あ、姐さん、ここって、いくらするか知ってんのか?」
竜胆
「そんな心配しなくていいの。おねーさんにお任せ☆」
琢磨呂
「……どーなってんだ」
竜胆
「じゃあ、これとこれを。彼にも同じのを」
ウェイター
「かしこまりました」
琢磨呂
(茫然)
竜胆
「どーかしたの?」
琢磨呂
「あ、姐さん……」
竜胆
「何?(にこっ)」
琢磨呂
「(さ、最上階だぞ……オレでも、ここはすんげー高いっ て知ってるぞ……)」
竜胆
「変なの。黙っちゃって。岩沙らしくないわよ?」
琢磨呂
「お、オレさ……今日、金持って来てねーんだ」
竜胆
「あたしが奢るって言ったでしょ。気にしないでいいの☆」
琢磨呂
「……(^^;)」
竜胆
「さ、行きましょうか」
琢磨呂
「あ、ああ……(緊張して、味が判らなかったぞ……)」
会計
「お会計は……ごいっしょで@@@@@円になります」
竜胆
「……はい」
琢磨呂
「……はあ(なんか、雲の上って感じだぜ)」

再び吹利駅前

琢磨呂
「フ、フルコースとは聞いてなかったぞ?」
竜胆
「……ふふ。ドギモ抜かれたでしょ☆」
琢磨呂
「ああ……(^^;)。してやられたぜ……食べた気がしねえ」
竜胆
「おかげで、財布が寂しくなっちゃったわ。どーしてくれ るのよ」
琢磨呂
「……自分でしくんだんだろ! オレは食べた気しねーし、 姐さんは財布すっからかん。ちょうどいいじゃねーか」
竜胆
「まーね。やっと、日頃の仕返しができたって気分ね」
琢磨呂
「オレが日頃、なんかしたか?」
竜胆
「……今日は忘れてあげるわ。さ、帰りましょ」
琢磨呂
「ああ……帰るか」
竜胆
「ところで、岩沙」
琢磨呂
「なんだ? 姐さん」
竜胆
「この服、可愛いでしょ。似合う?」
琢磨呂
「へ……」
竜胆
「似合う?(にこ)」
琢磨呂
「あ……似合ってるぜ」
竜胆
「ありがと。さ、帰るわよ……なにぼーっとしてんの?」
琢磨呂
「(姐さん……ワインがまわってんのか?)」



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