エピソード80『2人のなれそめ』


目次


エピソード80『2人のなれそめ』

修羅場

大輔
「お願い、浅井ちゃん! こんな時に、亜紀さんと二人に しないでぇ〜(泣)」
素子
「でも、あの……(悩)」
亜紀
「素子ちゃんは、学校がありますっ!」
大輔
「しかし、(私の目の前には)まだ出来上がってない原稿が こんなにあって……」
亜紀
「ダメです、素子ちゃんには学校に行ってもらいます! 
……だいたい、こんな状態になるまで仕事をおいておくというのは、どう考えても出雲さんが悪いんですよ!」
大輔
「実は、気づくとこうなっていて……(泣)」
亜紀
「あなたは、お休みの宿題残して、最後の日に泣いている 子供ですかっっ!?
それも、次の日学校があるような女の子にまで手伝わせて、まだ『行くな』なんて世迷い言をっっ!(爆怒)」
大輔
「ああっ、いったい私が何をしたと言うんですか〜!?(泣)」
亜紀
「何もしなかったから、今、怒ってるんですっ!(怒髪天)」
素子
「……アハハハ(苦笑)」

白い空

素子
「あぁ……空が白い……。うーっ、ん、久々の修羅場だっ たなぁ。師匠大丈夫かな? 亜紀さんと二人きりにして来たのはまずかったかなぁ(苦笑) ふ、ふわぁ〜ぁあぁ……眠いよぉ」
観楠
(ウイイイン) 「ん、空が白み始めてるなぁ。それにしても昨日なんで朝の家に泊ったんだろ? ……ま、いいか。早く店行って仕込みしなくちゃなぁ」
素子
「眠い……(うつらうつら)」
観楠
「あふ……さすがに少し眠いなぁ」
素子
(ふらふらふら)「あぁ、バイクがこっちに向かって……」
観楠
「……あ、危な!(きぃきききききっ!)」
素子
「わっ!(どすん) いたたたた」
観楠
「……! 大丈夫ですか!」
素子
「いちちち……は、はい、……!?(え……この人……かっ こいい……)」
観楠
「……どこか痛む!? だったらすぐ……」
素子
「あ、あの、大丈夫です。しりもちついただけです」
観楠
「……ほんとにすいません、僕の不注意で」
素子
「いえ、そんな、こっちがふらふらしてたのが悪いんです。 車道歩いてましたし。それにほらどうにもなってませんし
くるりん) そんなにあやまらないで下さいよ(頬燃え)」
観楠
「そうですか……それじゃもし後からなにかあったらここ に連絡して下さい、湊川……店長って言ってくれれば解りますから」
素子
「店長って、何かお店やってるんですか」
観楠
「パン屋を……大きな店じゃありませんけどね(笑)。あ、 もうこんな時間か。それじゃなにかあったらそこに連絡して下さい(どりゅりゅるるるるる)」
素子
「あ、はい……そうだ、あたしの連絡先……」
観楠
「……いいですよ。それでは、また機会があれば」
素子
「……あ……行っちゃった。湊川さんか……ちょっと好み だったな(笑)……あ、もうこんな時間! 早く帰んなきゃ学校に遅れるっ!」

……数日後。

素子
「あの、アルバイト募集の広告見て……」

エピソード1に続く。



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