エピソード83『謎な二人の謎な出会い』


目次


エピソード83『謎な二人の謎な出会い』

5月:大学前の本屋

竜胆
「今日はスニーカー文庫の発売日だ(手帳を見てる)。冴木 忍の新刊が出てるな……買うしか。あ、あった。ラス1ぃ」
妖しい男
(ひょい)
竜胆
「ああっ! それ、あたしが買おうと思ってたのに……」
妖しい男
「はやいもの勝ちだ。わるいな」
竜胆
「ううっ、くやしーっ(T_T)」
妖しい男
(変な女)

その日の夕方:駅前の本屋

竜胆
「うう、やっと買えたぁ。……あっ、コンプRPGがっ!  買うしか……」
妖しい男
(ひょい)
竜胆
「だあ! またあんた? あたしになんか恨みでもあンの?」
妖しい男
「いや、ないぞ。すまないな。タイミングが悪いと言う事
で」
竜胆
「うう、くやしい……残りは……一番上の棚だぁ(泣)」
妖しい男
「届きそうに無いな。取ってやろう(ひょい)。ほら」
竜胆
「うう、ありがとぉ……」
妖しい男
「何も泣くことはないだろう。変な子だな」
竜胆
「泣きもするわよぉ」
妖しい男
(まずいな、この状況は。私が泣かせたみたいでわないか)
竜胆
「うー、えぐえぐ」
妖しい男
「(小声)名前は知らんが、泣くなよ……なんかおごってや るから」
竜胆
「うん(あっさり)」
妖しい男
「……切り替えの速い……(^^;)」

駅前のモスバーガー

竜胆
「ごちそうになっちゃったわね。ありがと」
妖しい男
「まったく。とんだ出費だ」
竜胆
「あんたがいちいちあたしが買おうとしてるもんに、手を 出すから」
妖しい男
「理不尽な言い方だな。それは、共通の嗜好を持つ人間が、 同時に行動を起こした結果ではないか」
竜胆
「同時にしては、いちいちあんたが先にブツを手にしてる んだけど」
妖しい男
「それは、私の方が手が長いからな」
竜胆
「身長が高いからでしょっ」
妖しい男
「その通りだ。身長の差分、手も足も長いのだ」
竜胆
「……それにしても」
妖しい男
「何かね。変な女の子」
竜胆
「変って、あたしのどこが変なのよっ」
妖しい男
「言動全て……どうひいき目に見ても、変だが」
竜胆
「……あんたの雰囲気も、十分変だけどね」
妖しい男
「私のどこが妖しいと言うのだ!」
竜胆
「全部」
妖しい男
「……口の達者な女だ」
竜胆
「そのまんまお返しするわよっ」
妖しい男
「……」
竜胆
「……」

後日:サークルの例会

竜胆
「ここかあ……なんか、緊張するなあ……他にも、女の子 の新入会員、いればいいんだけど(エレベーターのスイッチをポチっとな)」
妖しい男
「ここか……なんか緊張するのだ……ん? エレベーター の前に、人がいるな……すいません、ASF TRPG研究会の方ですか」
竜胆
「はい、新人ですけど……って、あんたわ!」
妖しい男
「変な女!」
竜胆
「変とわなによっ。あたしにはねえ、豊秋竜胆っていう可 愛い名前があるんだから」
妖しい男
「私にも更毬剽夜というかっこいい名前があるぞ」
竜胆
「……ここまで顔合わすのも、何かの縁ね……よろしく、 更毬君(ジト)」
剽夜
「……こちらこそ、な。豊秋さん(ジト)」
竜胆
「それにしても、まさか同じサークル入ろうとしてたなん て……」
剽夜
「それについては同感だ」
竜胆
「どーゆー風に?(ジト)」
剽夜
「それは秘密だ」
竜胆
「……更毬、くんだったっけ」
剽夜
「そうだぞ。豊秋さんとやら」
竜胆
「キミみたいな人が、冴木忍読んでるなんて意外だわ」
剽夜
「キミみたいな子がコンプRPG買ってるのにも驚いたがな」
竜胆
「女の子がTRPGやって悪いってェの?」
剽夜
「いちいちつっかかるな。別に悪いとは言ってないぞ」
竜胆
「じゃあ、どーゆー意味ィ?」
剽夜
「普通、女の子一人じゃなかなかやったりしないもんだか らな」
竜胆
「あいにく、あたしは普通の女の子の範疇に収まらない、 ビッグな人間なの」
剽夜
「単に変わってるといった方が……」
竜胆
「……いちいちしゃくに触るぅ」
剽夜
「そっちが一方的に突っかかって来てるだけだろう。それ に第一、私は2回生だ。君は1回生だろう? もうちょっと年上に対する言葉遣いというものをだな」
竜胆
「現役?」
剽夜
「そうだが」
竜胆
「何学部?」
剽夜
「工学部……ああ、私は暁工科大だから」
竜胆
「よかった。あたし、紅雀院だもん。学内で顔合わせたり したら、喧嘩になりそうだし……現役?」
剽夜
「そうだが」
竜胆
「ちょっと、耳貸しなさい。(小声) あたしとタメじゃな いの。年上ぶらないでよ」
剽夜
「(小声) じゃあ、一浪なのか、豊秋さん」
竜胆
「(赤面) 好きでしてたんじゃないっ」
剽夜
「時に、エレベーターが来たぞ。乗らないのか」
竜胆
「乗るわよっ」
竜胆
「言っとくけど、敬語使わないからねっ」
剽夜
「いらないよ。普通に喋ってくれていいぞ」
竜胆
「……ところで、なんで、冴木忍、読んでるの?」
剽夜
「……それはだな……(うんぬんかんぬん) わかったか」
竜胆
「感性はまともなのね(エレベーターを下りる)」
剽夜
「(同じく下りる) ああ。まともだぞ」
竜胆
「あ、エレベーター来た」



連絡先 / ディレクトリルートに戻る / TRPGと創作のTRPGと創作“語り部”総本部