エピソード105『サティアン楠!? の巻』


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エピソード105『サティアン楠!? の巻』

涼介
「あーあっ! っと。ふぁ……眠た」
素子
「情けないわねぇ。若いくせに」
涼介
「お前は何歳じゃお前は(笑)」
素子
「同い年よ」
涼介
「解ってりゃ言わないでくれよ」
素子
「同い年だけに、ジジクサイって言ってるのよっ」

ドアが開いて岩沙琢磨呂・豊秋竜胆が楽しそうにしゃべりながら入ってくる。

琢磨呂
「よぉ!(ドアを開けて侵入する)てんちょーいるか?」
素子
「いらっしゃい! あ、岩沙じゃない。店長さんは今ちょっ と雑用で出かけてるわ。すぐ戻るって」
竜胆
「こんにちわーっ! あ、モコちゃん、おっはよー」
涼介
「げげっ(恐怖の2人が来たと言う顔で脅える)」
 琢磨呂 ;「どうしたんだ? 別になんにもしないってば」
涼介
「岩沙と竜胆さんが一緒だと恐いんだってば!」
竜胆
「しょうがないわねぇ〜」
琢磨呂
「大丈夫だって。最近仲がいいから……なっ?」
竜胆
「……げんきんねぇ……岩沙って」
琢磨呂
「な、なんだそりゃ? 別にメシ奢ってもらったからって、 喧嘩してねぇってわけじゃないぞ?」
竜胆
「んっもぉ! 分かってるわよっ」
琢磨呂
「?? じゃぁどーゆー意味だ? さっきのゲンキン発言は」
竜胆
「……(^^;(^^;」
素子
「……け、喧嘩、やめよう、ね?」
琢磨呂
「うーむ……少々大人げ無かったか……」
竜胆
「モコちゃんごめんなさいなのぉ〜」
涼介
「(ヤバかった……)」
  
琢磨呂
「あ、ところで!」
涼介
「どうしたの?」
琢磨呂
「アレ、やってくれよ。この前出来るって言ってたじゃねぇ か。姐さんとカケしたんだよ」
涼介
「何のカケ?」
琢磨呂
「面白い一発ギャグを言ったほうが、持続しない一つの条 件を呑ませられるって奴だ。まぁ、メシ奢れとか、今日一日奴隷になれとかそういった奴だ」
涼介
「で、竜胆さんは何やったの?」
琢磨呂
「ククク……あはははは」
涼介
「??」
竜胆
「だ、ダメよ、岩沙! ぜぇったい言っちゃ駄目だってば」
琢磨呂
「(腹を押さえている)……まぁ、そういう訳だ……くく…… 面白なさ過ぎて笑いが止まらんのだ……」
竜胆
「ちっくしょお……(T_T)」
琢磨呂
「まぁ、そういうことで、涼介よ。かねてから用意してあっ た例のギャグ、やってくれんか?」
涼介
「あ、あれやるの?」
琢磨呂
「500円奢るから! m(__)m」
涼介
「しょうがないなぁ……じゃぁ、素子があっちに行ったら ね」

しばらくして、店に電話が掛かり、素子が奥に消える。

琢磨呂
「さぁ、頼むぜ! 姐さん、見てろよ!」
涼介
「(しぶしぶ)ハァーーーッ」
琢磨呂
「(アイスホッケーのヘッドギアを付けて平伏して) 教祖 様!」
涼介
「(サイコキネシスで座禅を組んだ自分を持ち上げている) ふぉっふぉっふぉ……」
竜胆
(唖然……)

1分経過……

琢磨呂
「ハァハァ……恥ずかしかった……」
涼介
「ハァハァ……疲れた……」
琢磨呂
「ど、どうだ! 題して“サティアン楠”だ。姐さん、俺 の勝ちだ!」
竜胆
「……あまりのバカ具合に声も出なかったわよ」
琢磨呂
「まぁ、感動したってことだな」
竜胆
「た、 確かに面白かったけれど……(まだ余韻が残ってい る)」
琢磨呂
「フッ……自ら負けを認めたか……」
竜胆
「あ、あたしはそんなつもりじゃ!」
琢磨呂
「“確かに面白かった”聞いたぞ。なぁ、涼介」
涼介
(うなずく)
琢磨呂
「では、姐様よ。言う事聞いてもらおうか……」
竜胆
(言う事によってはぶっ飛ばしてやる)
琢磨呂
「一応、外で……涼介、サンキュ! 500円な(チャリン)」
 
 ベーカリーを出た道路にて。
 
竜胆
「で、いったい何を要求するつもり?」
琢磨呂
「“一緒に寝ろ”“一緒に風呂入れ”“メシ奢れ”等と色 々考えたんだがなぁ……」
竜胆
「(切れかけ)」
琢磨呂
「よし!」
竜胆
「なによそのいやらしい眼はぁっ!」
琢磨呂
「何でも悪く取ろうとすんなよ(笑) バイクのケツに載せ ろ」
竜胆
「は、はぁ?」
琢磨呂
「いーからいいから」
竜胆
「変なとこ持つなよっ?」
琢磨呂
「命のほうが大事だからな」
竜胆
「で、どこか行きたいの?」
琢磨呂
「海」
竜胆
「ハァ?」
琢磨呂
「だから海行くんだって。和歌山のほうの奇麗な海見に行 こうぜこの季節じゃ泳げないけどな。初冬の海ってのは奇麗なもんだぜ?」
竜胆
「こんな時間から行ったら夕方になっちゃうよ?」
琢磨呂
「そのほうが奇麗だと思わんか?」
竜胆
「……まぁね。岩沙にそんな思考回路が乗ってるなんて思 いもしなかったもの」
琢磨呂
「あのねぇ……(T_T)」
竜胆
「じゃぁ、行くよ(バイクのエンジンを掛ける)」
琢磨呂
「いやに素直だな?? 燃料費はそっち持ちだぞ。負けたん だから」
竜胆
「……今日だけは特別よ……」

二人が出発して30分ほどして……。

剽夜
「こんにちわです。店長、あきりん見ませんでしたか?」
観楠
「竜胆ちゃん? なんか、岩沙くんとどっか行ったよ」
剽夜
「なに! エヴァを見せてもらおうと思ったのに……」
観楠
「(しまったぁ、言わなかった方がよかったかな)なんか、 賭けに負けて、一つだけ言う事聞かなきゃいけないとか……それで、岩沙くんと、バイクに乗って……」
剽夜
「なにをやっとるんだ、あきりんは(^^;) 賭事なんてやら んくせに」
観楠
「……あ、あのさ、更毬君?」
剽夜
「なんでしょう、店長?」
観楠
「もしかしてさ、竜胆ちゃんと……つきあってるとか……」
剽夜
「私達は謎な関係です(きっぱり)」
観楠
「そうですか……(わかんねーよ)」
剽夜
(むむむむむ……)
観楠
(早く帰って来てくれぇ)



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