- 涼介
- 「あーあっ! っと。ふぁ……眠た」
- 素子
- 「情けないわねぇ。若いくせに」
- 涼介
- 「お前は何歳じゃお前は(笑)」
- 素子
- 「同い年よ」
- 涼介
- 「解ってりゃ言わないでくれよ」
- 素子
- 「同い年だけに、ジジクサイって言ってるのよっ」
ドアが開いて岩沙琢磨呂・豊秋竜胆が楽しそうにしゃべりながら入ってくる。
- 琢磨呂
- 「よぉ!(ドアを開けて侵入する)てんちょーいるか?」
- 素子
- 「いらっしゃい! あ、岩沙じゃない。店長さんは今ちょっ
と雑用で出かけてるわ。すぐ戻るって」
- 竜胆
- 「こんにちわーっ! あ、モコちゃん、おっはよー」
- 涼介
- 「げげっ(恐怖の2人が来たと言う顔で脅える)」
琢磨呂 ;「どうしたんだ? 別になんにもしないってば」
- 涼介
- 「岩沙と竜胆さんが一緒だと恐いんだってば!」
- 竜胆
- 「しょうがないわねぇ〜」
- 琢磨呂
- 「大丈夫だって。最近仲がいいから……なっ?」
- 竜胆
- 「……げんきんねぇ……岩沙って」
- 琢磨呂
- 「な、なんだそりゃ? 別にメシ奢ってもらったからって、
喧嘩してねぇってわけじゃないぞ?」
- 竜胆
- 「んっもぉ! 分かってるわよっ」
- 琢磨呂
- 「?? じゃぁどーゆー意味だ? さっきのゲンキン発言は」
- 竜胆
- 「……(^^;(^^;」
- 素子
- 「……け、喧嘩、やめよう、ね?」
- 琢磨呂
- 「うーむ……少々大人げ無かったか……」
- 竜胆
- 「モコちゃんごめんなさいなのぉ〜」
- 涼介
- 「(ヤバかった……)」
- 琢磨呂
- 「あ、ところで!」
- 涼介
- 「どうしたの?」
- 琢磨呂
- 「アレ、やってくれよ。この前出来るって言ってたじゃねぇ
か。姐さんとカケしたんだよ」
- 涼介
- 「何のカケ?」
- 琢磨呂
- 「面白い一発ギャグを言ったほうが、持続しない一つの条
件を呑ませられるって奴だ。まぁ、メシ奢れとか、今日一日奴隷になれとかそういった奴だ」
- 涼介
- 「で、竜胆さんは何やったの?」
- 琢磨呂
- 「ククク……あはははは」
- 涼介
- 「??」
- 竜胆
- 「だ、ダメよ、岩沙! ぜぇったい言っちゃ駄目だってば」
- 琢磨呂
- 「(腹を押さえている)……まぁ、そういう訳だ……くく……
面白なさ過ぎて笑いが止まらんのだ……」
- 竜胆
- 「ちっくしょお……(T_T)」
- 琢磨呂
- 「まぁ、そういうことで、涼介よ。かねてから用意してあっ
た例のギャグ、やってくれんか?」
- 涼介
- 「あ、あれやるの?」
- 琢磨呂
- 「500円奢るから! m(__)m」
- 涼介
- 「しょうがないなぁ……じゃぁ、素子があっちに行ったら
ね」
しばらくして、店に電話が掛かり、素子が奥に消える。
- 琢磨呂
- 「さぁ、頼むぜ! 姐さん、見てろよ!」
- 涼介
- 「(しぶしぶ)ハァーーーッ」
- 琢磨呂
- 「(アイスホッケーのヘッドギアを付けて平伏して) 教祖
様!」
- 涼介
- 「(サイコキネシスで座禅を組んだ自分を持ち上げている)
ふぉっふぉっふぉ……」
- 竜胆
- (唖然……)
1分経過……
- 琢磨呂
- 「ハァハァ……恥ずかしかった……」
- 涼介
- 「ハァハァ……疲れた……」
- 琢磨呂
- 「ど、どうだ! 題して“サティアン楠”だ。姐さん、俺
の勝ちだ!」
- 竜胆
- 「……あまりのバカ具合に声も出なかったわよ」
- 琢磨呂
- 「まぁ、感動したってことだな」
- 竜胆
- 「た、 確かに面白かったけれど……(まだ余韻が残ってい
る)」
- 琢磨呂
- 「フッ……自ら負けを認めたか……」
- 竜胆
- 「あ、あたしはそんなつもりじゃ!」
- 琢磨呂
- 「“確かに面白かった”聞いたぞ。なぁ、涼介」
- 涼介
- (うなずく)
- 琢磨呂
- 「では、姐様よ。言う事聞いてもらおうか……」
- 竜胆
- (言う事によってはぶっ飛ばしてやる)
- 琢磨呂
- 「一応、外で……涼介、サンキュ! 500円な(チャリン)」
ベーカリーを出た道路にて。
- 竜胆
- 「で、いったい何を要求するつもり?」
- 琢磨呂
- 「“一緒に寝ろ”“一緒に風呂入れ”“メシ奢れ”等と色
々考えたんだがなぁ……」
- 竜胆
- 「(切れかけ)」
- 琢磨呂
- 「よし!」
- 竜胆
- 「なによそのいやらしい眼はぁっ!」
- 琢磨呂
- 「何でも悪く取ろうとすんなよ(笑) バイクのケツに載せ
ろ」
- 竜胆
- 「は、はぁ?」
- 琢磨呂
- 「いーからいいから」
- 竜胆
- 「変なとこ持つなよっ?」
- 琢磨呂
- 「命のほうが大事だからな」
- 竜胆
- 「で、どこか行きたいの?」
- 琢磨呂
- 「海」
- 竜胆
- 「ハァ?」
- 琢磨呂
- 「だから海行くんだって。和歌山のほうの奇麗な海見に行
こうぜこの季節じゃ泳げないけどな。初冬の海ってのは奇麗なもんだぜ?」
- 竜胆
- 「こんな時間から行ったら夕方になっちゃうよ?」
- 琢磨呂
- 「そのほうが奇麗だと思わんか?」
- 竜胆
- 「……まぁね。岩沙にそんな思考回路が乗ってるなんて思
いもしなかったもの」
- 琢磨呂
- 「あのねぇ……(T_T)」
- 竜胆
- 「じゃぁ、行くよ(バイクのエンジンを掛ける)」
- 琢磨呂
- 「いやに素直だな?? 燃料費はそっち持ちだぞ。負けたん
だから」
- 竜胆
- 「……今日だけは特別よ……」
二人が出発して30分ほどして……。
- 剽夜
- 「こんにちわです。店長、あきりん見ませんでしたか?」
- 観楠
- 「竜胆ちゃん? なんか、岩沙くんとどっか行ったよ」
- 剽夜
- 「なに! エヴァを見せてもらおうと思ったのに……」
- 観楠
- 「(しまったぁ、言わなかった方がよかったかな)なんか、
賭けに負けて、一つだけ言う事聞かなきゃいけないとか……それで、岩沙くんと、バイクに乗って……」
- 剽夜
- 「なにをやっとるんだ、あきりんは(^^;) 賭事なんてやら
んくせに」
- 観楠
- 「……あ、あのさ、更毬君?」
- 剽夜
- 「なんでしょう、店長?」
- 観楠
- 「もしかしてさ、竜胆ちゃんと……つきあってるとか……」
- 剽夜
- 「私達は謎な関係です(きっぱり)」
- 観楠
- 「そうですか……(わかんねーよ)」
- 剽夜
- (むむむむむ……)
- 観楠
- (早く帰って来てくれぇ)
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