エピソード112『紫源』


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エピソード112『紫源』

源滋
「ふぅっ、コレで最後……っと(ゴトン)」
パソコンのディスプレイを置く)「やぁっと終わったァ……喉かわいたなあァ、ジュースでも買うてこ」

ベーカリー楠の前の自販機。

源滋
「ふぅん、こんな所にパン屋があるんやな。おいしそうな んあるかな? ケーキとかあったらええんやけど」
源滋、ドアを開けてはいる)「ごめんくださぁい」
観楠
「はぁい、いらっしゃい」
「珍しいな、普通のお客さんやで」
源滋
「……え? 珍し……い?」
観楠
「あ、いえいえ、何でもありません。……朝っ!」
「……くくくっ(笑っている)」
源滋
「(……本当に大丈夫か、この店)」
源滋
「おっほっほのほ〜。チーズクリームパンがある〜☆」
「(さっきからよう喋る客やな……)」
源滋
「アップルパイも〜」
源滋
「これ、お願いします」
観楠
「はい。……870円です」
源滋
「……財布忘れた……バカだ、ボク……」
観楠
「……(苦笑)」
源滋
「すいません、すぐ取って来ます。家近いんで(からんこ ろん)」
観楠
「あ……」

源滋の部屋。

源滋
「あぁぁぁっ!! ボクは大バカだァッ!!(崩れる) 荷物に 紛れて財布がどこにあるのやら……」

ベーカリー楠。

源滋
「(からんころん)……すいません。実は……」
観楠
「あ、さっきのお客さん」
源滋
「ボク、今日こっちに越して来た者なんですよ。で、実は 財布が荷物に紛れちゃってるんで、せっかくだけど、今日は買えないんです……」
「近くの人? 観楠、ツケたったら?」
源滋
「……ツケ? パン屋さんでツケなんてあるんですか?」
観楠
「……(苦笑)」
源滋
「じゃ、ツケといてくれます? ボク、近所です。免許証 だけなら手元に持ってるんで……って、家に忘れた(;_;)」
朝&観楠
「だぁっ(こける)」



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