エピソード121『あきりんがほしいのだ』


目次


エピソード121『あきりんがほしいのだ』

登場人物

更毬剽夜(さらまり・ひょうや)
最近アレなやつ(笑)
豊秋竜胆(とよあき・りんどう)
その被害者(笑)

本文

剽夜
「あきりん」
竜胆
「ん? 何?」
剽夜
「来る二月二十七日は私の誕生日なのだ」
竜胆
「あ、そーだっけ? ちょっと早いけど、おめでと☆ な んかほしいものある?」
剽夜
「うむ。あるぞ」
竜胆
「何? あたしのけーざいじょーきょーも考えて言ってね」
剽夜
「あきりんがほしいのだ」
竜胆
「は? そりゃちょっと無理な相談だわ、あんた(笑)」
剽夜
「無理ではないぞ。やろうと思えばいつだって実行できる ぞ」
竜胆
「あたしを拉致したっていいことあんまりないと思うんだ けどねえ」
剽夜
「まあ、確かにそれはそーだな。しかしだ。実益を考えて こんなことを言うとでも思っているのか? この私が!」
竜胆
「……」
剽夜
「日ごろ論理的を旨としている私でも、たまには理にかな わないことをしてみたくなるんだ! というわけで、あきりんをもらうぞ(迫りっ)」
竜胆
「わーっ(大汗)。ちょ、ちょっとタイム(汗)」
剽夜
「即断即決即実行!(笑)」
竜胆
「まだ心の準備もできてないーっ(大汗)」
剽夜
「大丈夫だ、すぐ済む(笑)」
竜胆
「鬼ーっ、悪魔ーっ(大汗)」
剽夜
「はーっ! 人格認識プログラム作動!」
竜胆
「は?」
剽夜
「ふむふむ……なるほど……前世の性格までコピーしたん では、容量が足りなくなってしまう……」
竜胆
「もしもーし?」
剽夜
「だいたい完了! あとはマルチタスクで十分だな。ん?  どーした? ぼーっとして?」
竜胆
「いや、何をしてたのか、教えて欲しいっス」
剽夜
「つまりだ、あきりんの擬似人格をつくるために、オリジ ナルのデータが欲しかったのだ」
竜胆
「んなもん作ってどーするんスか?」
剽夜
「決まってるではないか。これさえあれば、私の心はいつ でもあきりんと一緒なんだぞ!」
竜胆
「……裏の理由も知りたいっス」
剽夜
「いやあ、面白いかなって思っただけだ(笑)」
竜胆
「……そ、そーでしか(大汗)」
剽夜
「というわけだ! しかと、誕生日プレゼントは頂いたぞ」
竜胆
「はあ。そんなものでよければ(笑)」



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