エピソード125『春風の憂鬱』


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エピソード125『春風の憂鬱』

3月である、もうすぐ春である、春と言えば……

時雨
「ふにゃぁ、はにゃぁ……」
竜胆
「紫擾君、何をやってんの?」
時雨
「へっくしゅ……。やぁ、あきりん、相変わらずかわいい ね」
竜胆
「へぇ? 、大丈夫、熱でもあんの?」
時雨
「にゃんで?」
竜胆
「いや、今日は正直だなぁって思って」
時雨
「そうなのか、私はこの時期、思考回路がおかしくなるの だ」
竜胆
「なんで?」
時雨
「あきりん、もうすぐ春だろ」
竜胆
「はい」
時雨
「春と言えば?」
竜胆
「えーと、桜かなぁ」
時雨
「そうそう、みんなで元気に花見だぁーって、違うの」
竜胆
「じゃぁ、何?」
時雨
「花粉症だお、花粉症」
竜胆
「ああぁ、そうなのね。大変そうなの」
時雨
「あきりん、なんか他人事だね」
竜胆
「だって、わたしは別になんともないもん」
時雨
「そりゃそうだろうけど……、もう少し何か……」
竜胆
「紫擾君、大丈夫? わたし心配で、夜も寝れなかったら 責任とってね」
時雨
「……、あきりん、私が悪かった」
竜胆
「わかればいいのよ、わかれば」
時雨
「えぇーん、あきりんがいじめるよぉ」
竜胆
「まぁまぁ、紫擾君。ところであなた魔法で何とかならな いの?」
時雨
「ふっふっふ、あきりん、よくぞ聞いてくれた。昨年の苦 い思い出から私が開発した有機ゴーレム、見たまえ。でぇでーん」
竜胆
「……、何それ? ただの鉄球じゃないの?」
時雨
「違うのだよ、あきりん。これは反重力システムを利用し、 使用者の周りを飛んでその間の空気の進入を防ぐんだ。これで花粉は進入できない。うーん、完璧」
竜胆
「それなら、早くそれを使えばいいじゃない。なんで使わ ないの?」 
時雨
「うん、いい質問だ。実はこれは最低4個1組で使わない といけないんだ。でも、1つしかない、だからだよ」
竜胆
「じゃぁ、あと3つ作ればいいじゃない。なんで作らない の?」
時雨
「お金がない」
竜胆
「そうなんだ、あぁ、お金ねぇ」
時雨
「お金だよぉ」
竜胆
「お金だねぇ」
時雨
「お金かぁ……」



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