エピソード127『竜胆の攻撃と剽夜の反撃』


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エピソード127『竜胆の攻撃と剽夜の反撃』

ある朝。今日も明るい日差しが差し込む……、剽夜の朝は早い。

剽夜
「ふわぁ〜。むぅ、もう朝か、さて、取り敢えず、デビル サマナーでもしようか」

おもむろに、スイッチを切り替えサターンの電源を入れる。当然のように竜胆のセーブデータをロードする。もう、慣れたもんである。

剽夜
「まったく、あきりんは飽き性でいけないね。デビルサマ ナーは借りもんだから、早くとかなきゃいけないのにな……。
おっ、戦闘シーンだ。 取り敢えず、オートモードで、、まぁコーヒーでも入れよっと」

棚からコーヒーをだし、カップもとってきて、自分で入れる。コーヒーの香りが部屋中に漂う。けど、あきりんは起きない。

電話
「(ぷるるるる……、ぷるるるる……)」
剽夜
「(カチャ)はい、豊秋です」
時雨
『あっ、更毬さんですか。おはようございます。時雨です。 あきりんは起きてますか?』
剽夜
「おはよう、あきりんは寝てるよ、今起こすわ。あきりん、 起きろぉ。電話だぞ」
竜胆
「みゃ……う……ん。なに、更ちゃん?」
剽夜
「時雨君から電話」
竜胆
「うん、解った……」

竜胆がベットから降りてきて受話器を取る。

竜胆
「はい。……うん。……うん。……解った。それじゃあ、 またね……(カチャ)」
剽夜
「とりあえず、あきりん、ズボンぐらいはきなさい。うら 若い乙女がTシャツにパンティだけとは、はしたないぞ」
竜胆
「うん……、解った。こっちを見ないでね」
剽夜
「私は、デビルサマナーに忙しいのだ。そっちを見る暇な ぞない……。あっ、天使さんだ、おいちゃんとお話しようや」

もくもくと、テレビ画面を見詰める剽夜。その後ろで竜胆は着替えている。着替えおわると、竜胆はごそごそとこたつに潜り込む。

剽夜
「まだ寝てるな? コーヒーでも入れようか?」
竜胆
「お願い……」
剽夜
「(カチャカチャ)はい、あきりん」
竜胆
「ありがと……」

竜胆は、コーヒーを少しずつ飲む。けど、まだ目は寝ている。

竜胆
「お風呂にはいる……」
剽夜
「どうぞ」

寝ぼけ眼で、用意をし、お風呂に入る竜胆。剽夜の耳には、竜胆の体を流す音が聞こえるが、意識はゲームに集中している。

竜胆
「(風呂から上がる)あっ、しまった。更ちゃん。30秒間目 をつぶって」
剽夜
「ん? 解った。(目を閉じる)いいよ」

竜胆は、角からそーっと、剽夜の方を覗き、閉じているのを確認すると、下着姿のまま、洗濯物を取りに行き、ダッシュでもとに戻る。

剽夜
「もういいかい? なに、やってたんだ」
竜胆
「うん、着替えが足りなかったから、取りに行ってたの」
剽夜
「まったく、それくらい確認してから、お風呂に入りなさ い。おっちょこちょいなんだから」
竜胆
「仕方ないでしょ。天才には、何か欠点があるものなのよ」
剽夜
「いいけどね」

竜胆は、着替えおわると、こたつにまた入り、ドライヤーで頭を乾かした。乾かしおわると、剽夜のほうを向く。

竜胆
「更ちゃん、ごはん」
剽夜
「(ずるっ)もう、それくらい自分で作りなさい」
竜胆
「(上目遣いで)ごはん〜、ごはん〜」
剽夜
「はいはい、そんな恨めしそうな目で見ない。分かった。 ご飯を作らさせてもらいます」
竜胆
「わ〜い☆」

食事の用意ができて、食べ終わると、当然の如く、対戦が始まる。

竜胆
「それにしてもぉ……天雷破」
剽夜
「どーかしたかね……ビーストキャノン」
竜胆
「更ちゃんってぇ……むきーっ」
剽夜
「私がどーかしたか……むう」
竜胆
「まさにシュフってやつね。主な夫の方の。いいお嫁さん になれるよ」
剽夜
「……あきりん。それをあきりんが言ってどーするんだ? 普通なら私が言うはずではないのか?」
竜胆
「あたしが普通の範疇に収まるとでも?」
剽夜
「十分普通じゃないなぁ……ふぅ、まったくあきりんって やつは。そんなことじゃ、安心してあきりんの結婚式に参加できないではないか」
竜胆
「先生、そんな心配を吹き飛ばす妙案が浮かびました☆」
剽夜
「言ってみたまえ?」
竜胆
「あたしが更ちゃんをお嫁さんにもらうの☆」
剽夜
「……(大汗)」
竜胆
「ふっ、あまりの妙案ぶりに、言葉も出ないよーね?」
剽夜
「あきれてしまったのだ……こんなことではいけない!」
竜胆
「え?」
剽夜
「あきりんのお嫁さん修行を始めなくては! まずはお洗 濯からだ! さあ、とっとと洗濯を始めるのだ」
竜胆
「え〜? ホントにぃ?」
剽夜
「大マジだ! さあ、とっとと始めるのだ、びしばし」
竜胆
「うう……なんでこーなるのぉ?」
剽夜
「洗濯が終わったら、次はお掃除だ! びしばし」
竜胆
「墓穴掘ったぁ……うるうる」
剽夜
「お掃除が終わったらお買い物だ! びしばし」
竜胆
「ど〜して更ちゃんがいるのに、あたしがこんなことして るのぉ……うるうる」
剽夜
「しゃべってる暇があったらとっとと働けぃ! びしばし」
竜胆
「ふぇ〜ん」



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