エピソード130『3月14日って言えばさぁ……』


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エピソード130『3月14日って言えばさぁ……』

時雨、悩む

時雨
「うーん、まいった、まいった……。おぉ、そうだそうだ」

ツルルゥー、ツルルゥー。

剽夜
「(カチャ)はい、豊秋です」
時雨
『あっ、更毬さんですか。おはようございます。時雨です。 あきりんは起きてますか?』
剽夜
「おはよう、あきりんは寝てるよ、今起こすわ。あきりん、 起きろぉ。電話だぞ」
竜胆
「みゃ……う……ん。なに、更ちゃん?」
剽夜
「時雨君から電話」
竜胆
「うん、解った……」
竜胆
「はい」
時雨
「やぁ、あきりん、おはよう」
竜胆
「うん」
時雨
「あのさぁ、明日って暇? 良かったらつき合ってよ」
竜胆
「うん、別にいいけど……、どうしたの?」
時雨
「うむ、あきりん。実はもうすぐホワイトデーだろう、そ れでお返しを買いに行きたいんだが、一人でいくのはイヤなのじゃ」
竜胆
「ふーん、わかった」
時雨
「よかった、ありがとう」
竜胆
「別にいいよ、それじゃあ、またね(ガチャ)」
時雨
「これで何とかなるだろう、うむ」

翌日

時雨
「おう、あきりん。ご面倒をおかけいたす」
竜胆
「ちわぁ、紫擾君、車なの?」
時雨
「そうなのどす、電車で行くと交通費がこまるのよね」
竜胆
「……、まぁ、いいけどね。安全運転でね」
時雨
「まかしとけってんだい」
竜胆
「あぁ、それと私の周りは禁煙だからね」
時雨
「うぅ……」
竜胆
「紫擾君、たばこ臭い。女の子に嫌われるよ」
時雨
「よく言われるのだ、それは」
竜胆
「まぁ、いいけどね。レッツゴー」
時雨
「おぅ、何人たりとも俺の前は走らせねぇ」

某百貨店到着。

竜胆
「しっ、紫擾君、安全運転って言葉の意味わかる?」
時雨
「当然だろう」
竜胆
「やっぱし、紫擾君の運転はイヤ」
時雨
「そう言われてもね……」
竜胆
「いいけどね、ってところでお返しって何するの?」
時雨
「そりゃぁ、やっぱり、クッキーかなんかだろう?」
竜胆
「そうかなぁ、じゃ、地下だね」

某百貨店地下売場、

時雨
「いろいろあるなぁ、」
竜胆
「うーんとね、そうね。これがいい、これ」
時雨
「どれどれ、ほーう、これは 700円の割には高価に見える。 なかなかナイスだ」
竜胆
「そうでしょう、そうでしょう」
時雨
「じゃぁ、これにしとこう」

某百貨店一階、

時雨
「うむ、しかし、ここまで化粧品のにおいがたまるとさす がにいやだね」
竜胆
「だね」
時雨
「(しげしげ)、そういえばさぁ、あきりんってあんまり化 粧しないね」
竜胆
「そうかなぁ」
時雨
「そのような気がするが」
竜胆
「そうでもないと思うけど……」
時雨
「およ、ほぉー」
竜胆
「どうしたの?」
時雨
「うん、あれ、なかなかおしゃれだ」
竜胆
「あぁ、あの口紅とネイルのセットね」
時雨
「うん、いいなぁ、箱がナイスだ、ちょっとまってって」

しばしの後、

時雨
「おまたなのだ、あきりん」
竜胆
「またされたのだ、紫擾君」
時雨
「まぁまぁ、これどうぞ、少し早いがホワイトデーのお品 なのだ」
竜胆
「えぇ、いいの?」
時雨
「いいのだ、いいのだ、日頃お世話になってるし」
竜胆
「そう、ありがとうね……、おや、紫擾君、そのもう一つ の方は誰にあげるの?」
時雨
「内緒なのだ」



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