エピソード138『観楠のパワー』


目次


エピソード138『観楠のパワー』

登場人物

湊川観楠【みなとがわ・かなみ】
ベーカリー楠を経営。超パン屋。
日阪朝 【ひざか・はじめ】
観楠の友人であり、ライヴァル(笑)
豊秋竜胆【とよあき・りんどー】
女子大学生

下克上!?

今日も今日とて、ベーカリー楠。
 朝の幻術に、観楠が『目の幅涙』でマットに沈む。
 そう、いつものように……
 ……いや?
 今日は(珍しく)観楠が『ニヤリ』と不敵な笑みを浮かべ、再び立ち上がったのであった……? 
 ああ、ついに『下克上』の時来たり?(笑)

観楠
「ふっふっふ……いつも一方的やったけど、それはもぅお わり!  新しい技見したるっ!」
「強気やな。負け惜しみか?」
観楠
「負け惜しみちゃう!」
「ま、一応聞いといたろか……何や?」
観楠
「……(教えていいものか一応思考中)……ふっ、教えてや ろう。名付けて『食パン観楠乱舞・剣と盾の嵐』だっ!」
「しょくぱんかなみらんぷ?」
観楠
「食パン観楠乱舞っ!」
「あ、そう」
観楠
「クッ……(苦)」
「で?」
観楠
「……まぁ、『粉からパン』の応用だな。これを使って、 剣なり盾なりを作りだす技だ」
(無言、無表情)
観楠
「(少し不安)……基本的に『攻防一体』だから、俺の近く にいたら避けられん。 物理攻撃だから、幻術は効かんぞ
笑)」

……妙な間。

「ふーん……その『剣』っていうの、やってみ」
観楠
「……言っとくけど、これは絶対後悔するぞ」
「もぅ能書きはええから」
観楠
「そこまでいうならしゃあないな……いいか、よーく見と れよ。『おぉぉぉぉぉ、食パンぶれぇぇぇぇぇぇぇど!』」

三斤棒が大量に降ってくる。

「『盾』は?」
観楠 
「『食パンしぃぃぃぃぃるどぉぅっ!』」

三斤棒が大量に降ってくる。
 朝は大量のパンに半分埋もれている……

「……」
観楠
「ふふん、恐れ入ったか!」
竜胆
「(呆れている)」
「……どっちも同じやないか」
観楠
「(ぎく)ち、ちがう!(汗)」
竜胆
「なにがどう違うんです?」
観楠
「ブレードは普通の食パンで、シールドは山形パン」
竜胆
「……はぁ」
「……つまらん」
朝 
「……帰ろ」
観楠
「あ、こら!(汗)」
朝 
「片づけは手伝えへんで」
観楠
「おーい、ちょっと待て〜ぃ(涙)」

今日も今日とて、ベーカリー楠。
 (やはり)いつものように、穏やかに時は過ぎていく…… 了



連絡先 / ディレクトリルートに戻る / TRPGと創作のTRPGと創作“語り部”総本部