エピソード139『パソコン』

目次

• エピソード139『パソコン』
  • 登場人物
  • 本文

エピソード139『パソコン』

登場人物

隅田美々【すみだ・みみ】

朝の追っかけ娘。

日阪朝【ひざか・はじめ】

美々の姉の婚約者。

本文

美々

「あ、朝ちゃん、なにやってんの？」

朝

「書き込み」

美々

「“書き込み”ってなに？」

朝

「パソコン通信やな」

美々

「あ、面白そう！　私もやらせて！」

朝

「やるんか？(怪訝)」

美々

「やる！(喜)」

朝

「そしたら、『弾き語り』でも行ってみるか……ほれ、やっ てみ(席を譲る)」

美々

「どうするん？(わくわく)」

朝

「とりあえず、そこをクリックしてやな……」

呼び出し音のあと、草の根ネット『弾き語り通信倶楽部』に接続される。

美々

「わあ！　なにこれ、なにこれ！」

朝

「とりあえず、サインアップしよか。 とりあえず“A”押 してリターンや……」

美々

「“A”ってどこ！　“リターン”ってなに！(焦)」

朝

「これ押して、こう(結局手を出す)　で、名前とか住所と か入れてやな……」

美々

「なんか、めんどくさーい！」

朝

「……授業でやってないんか、パソコン？」

美々

「してるけど……何か違うわ、コレ！」

朝

「何が？(笑)」

美々

「学校でやってるんは、確かこんなんやもん」

幻術で授業のパソコンの様子を映し出す。が……。

朝

「なんや、これ」

美々

「細かいトコはええの！」

朝

「細かいも何も……全体も分からん(苦笑)」

美々

「ええわ、もう！」

朝

「癇癪か？(笑)」

美々

「普段気にして見てないから、うまく形に出せへんだけや の！(怒)」