- 桐子
- 「はい、コーヒー」
- 朝
- 「ああ、サンキュ(コーヒーをすする)」
- 桐子
- 「ねぇ……そろそろ結婚しない?」
- 朝
- 「ぶぼっ! (飲みかけたコーヒーがカップに逆流する)
け、結婚!?」
- 桐子
- 「そう」
- 朝
- 「俺まだ卒業もしてへん」
- 桐子
- 「卒業したらの話」
- 朝
- 「貯金もない」
- 桐子
- 「私があるじゃない」
- 朝
- 「ヒモみたいになるからあかん」
- 桐子
- 「そんなの気にしなくてもいいのに」
- 朝
- 「あかん。男のメンツが保てん。それに結婚って金がかか
るもんやろ」
- 桐子
- 「先に籍を入れておいて、あとから結婚式するっていう人
もいるのよ?」
- 朝
- 「まあ、それやったらええやろけど、両親に挨拶とかいか
んでええんか?」
- 朝
- 「……美々。ちょっと相談あるから、付きおうてくれ」
- 美々
- 「ん? ベーカリーやったらあかんの?」
- 朝
- 「まぁ、一応な」
- 美々
- 「……いったい何なん?」
- 朝
- 「それを話すために、場所変えるんや」
- 美々
- 「……深刻なん?」
- 朝
- 「まぁな」
- 美々
- 「……相手、あたしでいいん?」
- 朝
- 「他に思いつかん」
- 美々
- 「……ふーん。まぁ、いいけど」
朝と美々がぶらぶら公園を歩いている。
寒い事もあって、人気があまり無い。
- 朝
- 「がっこの勉強、ちゃんとしてるか?」
- 美々
- 「? してるけど?」
- 朝
- 「大学行くんか?」
- 美々
- 「? まだ考えてないけど」
- 朝
- 「将来どういう道にすすむんや?」
- 美々
- 「わからへん」
- 朝
- 「まあ、ぼんやりとでも考えといた方がええなぁ」
- 美々
- 「本……」
- 朝
- 「本?」
- 美々
- 「いや、わからへん(笑)」
- 美々
- 「……ま、判断難しいけど……話のきりだし方からして、
そういう意思があるだけのことちゃう?」
- 朝
- 「そうか……子供が欲しいってだけやねんな?(悩)」
- 美々
- 「予め何回か精神的な揺さぶりかけとけば、いざできた時
に、朝ちゃんも納得する……ってシナリオとか?(笑)」
- 朝
- 「……『シナリオ』ってなぁ」
- 美々
- 「お姉ちゃんみたいなんが、何の前準備もなしに子供作っ
てしまうとは思えへんもん。布石なくして、勝利なしってとこちゃう?(笑)」
- 朝
- 「……考え過ぎちゃうか?」
- 美々
- 「何? じゃあ、やっぱりできちゃったってこと?(笑)」
- 朝
- 「いや、それはもっと困る」
- 美々
- 「……精神的なゆさぶりかけてくるか、ってこと?」
- 朝
- 「まぁな」
- 美々
- 「悪意あってのこと違うけど……意思表示が不器用で、策
を弄して言い分通そうとすることあるで」
- 朝
- 「そうなんか?」
- 美々
- 「キーワードをしっかり読み取れたら、返すことも可能や
けど……暗号化してること多いし」
- 朝
- 「どないやっちゅうねん」
- 美々
- 「じきに感覚で分かるようになるって(笑)」
- 朝
- 「……(悩)」
- 美々
- 「ま、今回のことは……仕事関係で、子供のこととか書い
たんちゃう? んで、しばらく頭から離れんようになってるだけとか(笑)」
- 朝
- 「やったら、ええけどなぁ」
- 美々
- 「まぁ、あたしも、お姉ちゃんが赤ん坊産むの、どうかと
思うけど……」
- 朝
- 「そやろ? いきなり、子供ってもなぁ……(悩)」
- 美々
- 「いや、子供はまぁええけど……産んだら、女の人、体形
崩れるやん? あと、髪の毛の艶とかがなくなるし……お姉ちゃんの髪がパサパサになるとこなんか、あんまり見たくないやん(笑)」
- 朝
- 「おい……問題の根本がちゃうぞ……」
- 美々
- 「でも、誰かって、老けて見られたくないやん(笑)」
- 朝
- 「分からん(悩)」
- 美々
- 「でも、お姉ちゃんがそんな話をしだすってことは……そ
ろそろ、ゴタゴタにも決着つける気なんかなぁ」
- 朝
- 「? 何やそれ?」
- 美々
- 「……企業秘密(笑)」
連絡先 / ディレクトリルートに戻る / TRPGと創作のTRPGと創作“語り部”総本部