エピソード141『行く末』


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エピソード141『行く末』

桐子
「はい、コーヒー」
「ああ、サンキュ(コーヒーをすする)」
桐子
「ねぇ……そろそろ結婚しない?」
「ぶぼっ!  (飲みかけたコーヒーがカップに逆流する)  け、結婚!?」
桐子
「そう」
「俺まだ卒業もしてへん」
桐子
「卒業したらの話」
「貯金もない」
桐子
「私があるじゃない」
「ヒモみたいになるからあかん」
桐子
「そんなの気にしなくてもいいのに」
「あかん。男のメンツが保てん。それに結婚って金がかか るもんやろ」
桐子
「先に籍を入れておいて、あとから結婚式するっていう人 もいるのよ?」
「まあ、それやったらええやろけど、両親に挨拶とかいか んでええんか?」

相談事

「……美々。ちょっと相談あるから、付きおうてくれ」
美々
「ん? ベーカリーやったらあかんの?」
「まぁ、一応な」
美々
「……いったい何なん?」
「それを話すために、場所変えるんや」
美々
「……深刻なん?」
「まぁな」
美々
「……相手、あたしでいいん?」
「他に思いつかん」
美々
「……ふーん。まぁ、いいけど」

朝と美々がぶらぶら公園を歩いている。
 寒い事もあって、人気があまり無い。

「がっこの勉強、ちゃんとしてるか?」
美々
「? してるけど?」
「大学行くんか?」
美々
「? まだ考えてないけど」
「将来どういう道にすすむんや?」
美々
「わからへん」
「まあ、ぼんやりとでも考えといた方がええなぁ」
美々
「本……」
「本?」
美々
「いや、わからへん(笑)」
美々
「……ま、判断難しいけど……話のきりだし方からして、 そういう意思があるだけのことちゃう?」
「そうか……子供が欲しいってだけやねんな?(悩)」
美々
「予め何回か精神的な揺さぶりかけとけば、いざできた時 に、朝ちゃんも納得する……ってシナリオとか?(笑)」
「……『シナリオ』ってなぁ」
美々
「お姉ちゃんみたいなんが、何の前準備もなしに子供作っ てしまうとは思えへんもん。布石なくして、勝利なしってとこちゃう?(笑)」
「……考え過ぎちゃうか?」
美々
「何? じゃあ、やっぱりできちゃったってこと?(笑)」
「いや、それはもっと困る」
美々
「……精神的なゆさぶりかけてくるか、ってこと?」
「まぁな」
美々
「悪意あってのこと違うけど……意思表示が不器用で、策 を弄して言い分通そうとすることあるで」
「そうなんか?」
美々
「キーワードをしっかり読み取れたら、返すことも可能や けど……暗号化してること多いし」
「どないやっちゅうねん」
美々
「じきに感覚で分かるようになるって(笑)」
「……(悩)」
美々
「ま、今回のことは……仕事関係で、子供のこととか書い たんちゃう? んで、しばらく頭から離れんようになってるだけとか(笑)」
「やったら、ええけどなぁ」
美々
「まぁ、あたしも、お姉ちゃんが赤ん坊産むの、どうかと 思うけど……」
「そやろ? いきなり、子供ってもなぁ……(悩)」
美々
「いや、子供はまぁええけど……産んだら、女の人、体形 崩れるやん? あと、髪の毛の艶とかがなくなるし……お姉ちゃんの髪がパサパサになるとこなんか、あんまり見たくないやん(笑)」
「おい……問題の根本がちゃうぞ……」
美々
「でも、誰かって、老けて見られたくないやん(笑)」
「分からん(悩)」
美々
「でも、お姉ちゃんがそんな話をしだすってことは……そ ろそろ、ゴタゴタにも決着つける気なんかなぁ」
「? 何やそれ?」
美々
「……企業秘密(笑)」



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