- 湊川観楠【みなとがわ・かなみ】
- 娘におぼれてるパン屋。
- 湊川かなみ【みなとがわ・かなみ】
- 観楠の娘。
- 伊川望【いかわ・のぞむ】
- 観楠の敵。でも5歳の子供。
- 隅田美々【すみだ・みみ】
- 朝の追っかけ女子高生。
- 日阪朝【ひざか・はじめ】
- 観楠をつっこむ人。
場所はベーカリー楠……
観楠の様子が何かおかしい……
- 観楠
- 「かなみ、ほんとにきれいだよ……」
純白のウェディングドレスに飾られたかなみ。その姿はまさに湖面に浮かぶ白鳥のよう。そして少しはにかみつつ、憂いを含んだ瞳は観楠に向けられている。
- 観楠
- 「かなみ……。ほんとにきれいだよ……」
もうそれしかいうべき言葉が見付からないのか、ただ、観楠はかなみにその言葉を繰り返すのみである。
- かなみ
- 「御父様、長い間ありがとうございました」
深々と頭を下げるかなみ。そして再び観楠をみる目は抑え切れないのか涙が一筋……頬をつたっている。
それを見て観楠、同じく涙する。
- 望
- 「さあ、かなみ。もう式の時間だ」
その二人を引き裂くかのように「望」はかなみの手を取り、連れ出そうとする。
- かなみ
- 「御父様……」
- 観楠
- 「かなみ……。ゆるさ〜ん!!」
観楠は、 「逆切れプッツンGTRパワー(謎)」でかなみの手を握り引き戻そうとする。
- 観楠
- 「かなみは誰にもやら〜ん!! おろろーん(目の幅涙)」
- 美々
- 「なぁ、朝ちゃん?」
- 朝
- 「んー?」
- 美々
- 「アレ……店長さん、なんか変とちゃう?」
- 朝
- 「あいつはいつでも変や」
と、二人はカウンターに座って百面相をしている観楠を振り返る。
- 美々
- 「でれっ、とした顔したかと思うと急に涙ぽろぽろ出すし、
泣き出した、思うと今度は真っ赤な顔してなんか怒ってるし……」
- 朝
- 「病気やろ」
- 美々
- 「えっ、病気というと……(少し考えて……)恋煩い?」
ガシャンッ!!
- 郁代
- 「わー!! 台拭き台拭きっ!!」
- 素子
- 「えっ、あっ!! 御免なさい!!」
郁代が座っているテーブルの上は、素子が置きそこなったピッチャーが倒れて一面紅茶の海である。広がった海の一部は郁代のジーンズに注ぎ込んでいる。
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