エピソード147『2日おくれの……』


目次


エピソード147『2日おくれの……』

登場人物紹介

浅井素子
吹利学校高等部2年生。ベーカリーでバイト中
城島由加梨
素子の親友。酒井三彦に萌え萌え☆
湊川観楠
ベーカリー楠経営24歳独身、でも子持ち(笑)

試験休み・某オシャレな喫茶店にて

由加梨
「……(溜息)」
素子
「ね、なにがあったの?」
由加梨
「……(長ぁぁぁぁぁい溜息)」
素子
「由加梨ぃ〜(汗)」
由加梨
「……(じわっ)」
素子
「ち、ちょっと、由加梨! どーしちゃったのよ?(汗)」
由加梨
「素子ぉ……私、わたし……(涙)」
素子
「こらえてっ!(汗)」
由加梨
「酒井君に……」
素子
「酒井に? なにかされたの!? 酷いこと?(あんにゃろ!)」
由加梨
「酒井君に……ふられちゃったぁ!(泣)」
素子
「……は?(目が点) それって……?(汗)」
由加梨
「あのね……」

由加梨の説明によると、3/14、三彦がお返しをくれたらしい。
 しかし、その直後に(由加梨にとっては)きつ〜い言葉を貰ってしまった、と。
 (小説『酒井三彦、意外な一面』参照)
 由加梨暫く泣いてのち。

由加梨
「私、酒井君になにか悪いことしてたのかな……」
素子
「さぁ……(相手の選択、間違ってるって)」
由加梨
「ひょっとして嫌われてるんじゃ……」
素子
「それは無いと思うけど(あのカタブツ相手だからねぇ)」
由加梨
「う〜ん……他に好きな人がいたとか……(悩)」
素子
「(絶対ないって(笑))」
由加梨
「あぁ、もぅ!  どうしたら良いと思う?」
素子
「どうしたらって……新しい恋でもしたら?(苦笑)」
由加梨
「ふられていきなりじゃないよぉ……余計嫌われるかも知 れないじゃない」
素子
「なんで?」
由加梨
「軽い女に見られたくないもん」
素子
「ふぅん……難しいね」
由加梨
「難しい物なのよ(悩)」

で、由加梨が(一応)吹っ切れるまで更に時間が経過……。

由加梨
「はぁ、すっきりした。素子、ありがと」
素子
「相談ならいつでものったげるわよ(笑)」
由加梨
「うん……ところで、素子の方は?」
素子
「はえ?」
由加梨
「はえ? じゃなくて、ホワイトデーの結果を訊いてるの」
素子
「あ、あぁ、そう……えっと……まだ(汗)」
由加梨
「まさか……店長さん、なにも?」
素子
「……うん(ず〜ん)」
由加梨
「今日、16日でしょ? 2日も過ぎてるじゃない!?」
素子
「ん……別に、お返しを期待してるわけじゃないから……」
由加梨
「それとこれとは話が違うのよ。バレンタインデーに告白 して、お互いの気持ちが判る日がホワイトデーでしょ? 
忘れてるとしても……ちょっと酷いじゃない」
素子
「そんなことない!(動揺)」
由加梨
「素子?」
素子
「あ……ごめん(汗) でも、いいの別に。気長に待つんだ」
由加梨
「……」
素子
「やっぱり立場のこともあると思うし……あたしは焦らな いことに決めたの」
由加梨
「?」
素子
「余裕が無い時に焦って失敗したくないしね(笑)」
由加梨
「素子……(それでいいの?)」
素子
「ありゃ、もうこんな時間……ごめん、バイトあるんだ」
由加梨
「ん……今日はありがと。また、電話するね」
素子
「うん」

ベーカリー・閉店後:事務所

常連達も予定があるらしく、今日は誰も残っていない。
 店内には観楠と素子の2人切り……。

観楠
「(伝票整理中)」
素子
「店長、掃除おしまいです」
観楠
「あ、ありがと。あとはやるから、着替えちゃって」
素子
「それじゃ……お先です」
観楠
「うん、御苦労様(笑) あ……あの!」
素子
「はい?」
観楠
「えー……あ、あとでいいや。ごめんね」
素子
「はい(笑)」
素子
「由加梨と会ったからじゃないけど……やっぱり気になる
……あたし、何とも思われてないのかな……(溜息)」
素子
「お先でした」
観楠
「あの、素子ちゃん」
素子
「はい?」
観楠
「その、今さらかもしれないけど……これ、受け取って欲 しいんだ(小さな包みを出す)」
素子
「あ……」
観楠
「ホントは一昨日渡そうと思ったんだけど、その……(照)」
素子
「あけて、良いですか?(くすっ)」
観楠
「う、うん」
素子
「(包みを開く) これ……ブレスレット……綺麗……」
観楠
「あ、その、なんて言うか(大汗)」
素子
「……(喜)」
観楠
「似合うと良い、じゃなくて気に入ってもらえると嬉しい んだけど(照)」
素子
「……大事に、しますね(喜)」
観楠
「遅くなってごめんね、その……忘れてたわけじゃなくて、 えーと(赤)」
素子
「嬉しいです、とっても(にこっ)」
観楠
「も、素子ちゃん!」
素子
「はい……あっ!?」

観楠、素子の後ろから腕を回す……。

素子
「て、店長?」
観楠
「……好きだ」
素子
「(えっ……)」
観楠
「……僕は、素子ちゃんが好きだ」
素子
「あ、の(トクントクン……)」
観楠
「ずっと、ずっと言いたかったんだけど……め、迷惑、か な?」
素子
「あ、わ、わたし……ご、ごめんなさい!!」

素子、外へ駆け出して行く。
 観楠、暫く呆然としていたが、自分がしたことに気が付いてそのまま落ち込む(苦笑)

素子
「……なんで逃げちゃったんだろ……わたし……」



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