エピソード156『戦闘』


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エピソード156『戦闘』

バリバリバリバリッ! 鼓膜を震わせる軽機関銃の音が響く。琢磨呂と三彦は、敵の制圧射撃によって完全に孤立してしまった。
 「サブよぉ、こりゃちっとばかしマズいぜ?」
 敵からも味方からも、コードネーム『破壊神』と呼ばれる岩沙琢磨呂は、その勇ましい名前に似合わぬ傷口を左手で押さえながら、三彦に話し掛ける。
 「うむ……破壊よ、貴様の残弾は?」
 どんな状況下でも冷静沈着、派手さはないが堅実とさえもいえる前略家、酒井三彦は、愛用のHK・MP5K短機関銃の弾倉を交換しつつ答える。
 目だけを数百メートル先の廃工場に釘付けにしながら、琢磨呂はポケットをまさぐる。
 「……5.56があと60発ってトコか」
 三彦は、もはやこれまでかと言うような顔をする。
 「うーむ……奴等、どれぐらいまで迫ってきているのだ?」
 「10が1000ってとこか……」
 10が1000とは、10人が1000mに迫っていると言う意味である。琢磨呂の持つM16A2改特殊小銃がぴくりと動く。
 「サブ、俺がここでスナイプする! 貴様は左の貨物置場からあいつらを奇襲しろ……俺はこの肩だ……激しい動きには耐えられん。 15秒だけ、引き付ける……それ以上は、残念だが耐えられないだろう」
 三彦は、一瞬だけ戸惑いを見せた。琢磨呂の言葉に従うことはそれすなわち、長く闘ってきたかけがえのない戦友を、二人といないかけがえのない戦場の友達を失うと言う事であるからだ。
 しかし、この場面で人間的な感情を露にすることは、これまで戦士として闘ってきた琢磨呂、との関係を一瞬にして水の泡にしかねないものだという事を、三彦は解っていた。
 「……破壊よ……貴様の腕を、信じるぞ」
 死ぬなよ……と言いたいのを、必死で堪えてそれだけ言うと、三彦は迷彩戦闘服を翻して琢磨呂の後ろへと消えた。
 「サブ……ありがとよ……」
 残された琢磨呂は、塹壕の中でぽつりと呟き、そして時計の秒針を見やった。2秒、3秒……おそろしく遅い時間が流れる。
 9秒……10秒……最も前にいる敵が、何やら琢磨呂の方を指差して立ち止まった。
 頃合……か……サブ、上手くやれよ……)
 琢磨呂はゆっくりと目を閉じ、そして静かに残りの五秒間を数え始めた。
 ひとつ……)
 琢磨呂の塹壕のはるか後ろに、土煙が上がる。
 ふたつ……)
 琢磨呂の被る防弾ヘルメットに、鈍い音を立てて何かが弾ける。
 みっつ……)
 琢磨呂はゆっくりと目を開けてスコープを覗きこみ、先頭で小銃を乱射している男にねらいを定めた。刹那、足元に激痛が走る。敵の投げた手榴弾の破片がめり込んだのだろう。焼けるような痛みが走るが、歯を食いしばってスコープを覗き続ける。
 サブ……良い調子でこっちに気を取られてるぜ……あとは頼むぜ……あと2秒だ……クッ)
 琢磨呂は意識が次第に薄れていくのを感じた。無理もない、身体の至る所に、手榴弾の破片が食い込み、小銃弾がかすっているのだ。
 よっつ……)
 その時、琢磨呂に向かって乱射している敵の集団の真ん中で、大きな火の玉が作られた。同時に、9mmパラベラム弾を連続発射した時独特の、パラララララッ! と言う軽快な音が響く。
 琢磨呂は、半分閉じていた目を思いっきり見開くと、折れるかと思うほどの力で、小銃の引金を引いた。
 敵の先頭の男は眉間を砕かれて先決の塊と化し、その後ろに居た男も同じく全身から血液を迸らせて倒れた。
 先刻の火球は、三彦の放った手榴弾だった。三彦は、撃ちまくられる琢磨呂を見るにしのびず、思い余って1秒前に攻撃を開始したのだ……そのことで自分が危険にさらされると知っていながら。
 「うおおおっ、貴様らぁ〜! 帝国軍人に楯突くとは愚かなぁッ!」
 射程、火力共に敵の小銃に劣るMP5K短機関銃を振りかざし、斜面をかけ降りる三彦が、琢磨呂の目に入った。
 最初の手榴弾と琢磨呂の連射で半数以上がやられた敵であるが、琢磨呂よりもはるかに近いところから現れた三彦を見るや否や、くるりと方向を変えると、三彦に向かっていっせいに火線を開いた。
 「……友達を、殺させはせん……」
 琢磨呂はぽつりと呟くと、M16A2改小銃のハンドガード下に取り付けられた擲弾発射機M203のトリガーに指をかけると、最後の命の保険とも言うべきそれを解き放った。
 40mmグレネード弾は緩やかな弧を描いて飛び、敵の少し手前に着弾した。だが、それで十分だった。4人の敵兵のうち3人は爆発で後方に吹き飛ばされ、残ったひとりを、傷つきながら斜面を滑り落ちる三彦が、見事な射撃で射止めた。
 「終わった……か……」
 琢磨呂はその場にぐったりと崩れ落ちた。だが心の中では、最後に友人のために……戦友の為に、自らを犠牲に出来たと言う、奇妙な満足感があった。
 「サブ……皇国の……後は頼んだぜ……」
 そして安らかな眠りに就いた。
 一方三彦は、最後の力を振り絞って敵を射貫いたものの、全身に小銃弾を受け、意識を保っているのが不思議なぐらいだった。
 「……ふん……感謝するのだな。 私とした事が戦友の情けのに死を選ぼうとは……ワシの分だけ長く生きろ……破壊よ……」
 そして同じく安らかな眠りについた。



		: Virtual combat system ALL reset !

		: The battele was simulasion.
		: You return the daily world OK !? 
			    WAKE UP!WAKE UP!


		: Your result  8869 points
		: Team result  2200 points



	       Thanks to play "Virtua Combat"	Mr.TAKUMARO
			      Congratulation!

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琢磨呂
「うおーー! あんなに素晴らしく闘ったのに、最後に死ん じまったァ〜」
三彦
「うーむ……破壊よ、まぁ最上級モードで相打ちというこ とだ、良しとしようではないか」
琢磨呂
「うーむ……手強い」
三彦
「慎也と素子がさっさと死んでしまうからこんなことに…… ……」
素子
「あたしはこんなの慣れてないんだからすぐ死んでとうぜ んでしょう? 『すぐ死んでも良いから取り合えずさんかしてくれ』って言ったのはあんたでしょ?」
琢磨呂
「素子、いくらなんでも初弾で死なんでも良いだろ?」
素子
「だから、あたしはこういうの下手だってばぁ〜」
琢磨呂
「こんどは軍曹連れてきて一緒にやろうぜ」
 三彦 ;「まったくだ。このチームスコアの低さを何とかせねば」
琢磨呂
「んだ」



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