時刻は夕暮れ、閉店時間も間近……。
- 素子
- 「ありがとうございました。さてっと、そろそろ片付けな
いとね……あんたたち、そろそろ閉店よ」
- 三彦
- 「もうそのような時間か」
- 涼介
- 「んじゃ、帰る?」
- 三郎
- 「いやいや、夜かこれからけけけけけけけけ(笑)」
- 慎也
- 「……なんつー笑いだ(汗)」
- 顕
- 「しかしまぁ、なんだな。もう当分の間ここにこれなくな
るな」
- 慎也
- 「なんで? ……あ、そか」
- 緑
- 「どう言うことなんですか?」
- 三郎
- 「我等は4月から受験生。世俗とのつながりを断ち切って
そりゃもう“そーぜつ”な生活を送ることになっているのだ(笑)」
- 顕
- 「壮絶かどうかは知らんが。まあ各個人がそれぞれ、受験
生としての生活を送るのには間違いないと思う……程度に差はあるだろうが」
- 慎也
- 「で、顕はここに来なくなる、と」
- 顕
- 「目標実現のために、切れるものはきっとかないとな。あ
れもこれもで息が詰まると挫折するだろうし」
- 素子
- 「あたしは……なんかやだな、そういうの」
- 三郎
- 「でも仕方無い。進学希望であるならね」
- 涼介
- 「うちって、エスカレーターじゃなかったっけ?(汗)」
- 三郎
- 「成績の悪い奴を身内だからってほいほい進学させるよう
な所やないわな」
- 三彦
- 「しかも部外の人間からすれば不公平なことこの上ない」
- 涼介
- 「でも、いくら何でも息抜きなしってのは……(大汗)」
- 緑
- 「そーですよねぇ」
- 慎也
- 「でもまぁ……しゃーないな(苦笑) とりあえず一年間が
んばるか」
- 三彦
- 「うむ。一億玉砕、七生報國、鬼畜米英撃ちて死止まむ」
- 三郎
- 「ほしがりません勝までは!(笑)」
- 顕
- 「なんの話だ(笑) さて。先、帰るわ」
- 慎也
- 「んじゃ、俺も……緑ちゃんは?」
- 緑
- 「あ、私も帰ります」
- 三郎
- 「学院組のお帰り〜(笑)」
- 素子
- 「……あんたたちも帰るんじゃないの?」
- 涼介
- 「いや、そうなんだけど」
- 三彦
- 「岩沙の奴がなにやら」
- 三郎
- 「うひうひうひ(笑)」
- 素子
- 「そーいう笑い方、やめなさいって」
カランコロン……
- 琢磨呂
- 「遅くなった!」
- 素子
- 「もォ閉店時間なんですけどっ」
- 竜胆
- 「ごめんね、モコちゃん(苦笑) だいたい、あんたがいー
かげんしつこいからいけないのよっ!」
- 琢磨呂
- 「姐さんこそ、待ちプレイなんて卑怯じゃねーか!」
- 竜胆
- 「おーほほほ! 卑怯なんて言ってるようじゃまだまだ甘
いわっ」
- 三彦
- 「人をこんな所に足止めしておいて貴様、遊び回っておっ
たのか?」
- 素子
- 「こんな所って、なによ!」
- 三郎
- 「まぁまぁ(笑)」
- 涼介
- 「でも、えらく遅かったね」
- 三彦
- 「申し開きはあるか?」
- 琢磨呂
- 「おう、聞いてくれってなもんだぜ! メビウスランドで
ヴァーチャロンの対戦やってたんだが、姐さんと来たら初心者相手に勝ち優先な戦い方を……」
- 竜胆
- 「じょぉだんじゃないわっ! テムジンライダーとしての
常套手段じゃなぃ。だいたい、手加減抜きで頼むぜって言ったのあんたでしょ!」
- 琢磨呂
- 「男が女に手加減なんか頼めるかよっ!」
- 竜胆
- 「ほほぅ。そういうことを言うのは……この口かっ!」
- 琢磨呂
- 「ふ、ふがががががっ!」
- 竜胆
- 「この口か、この口が言ったのかぁ!(笑)」
- 素子
- 「(ぶちっ)……ぃ」
- 竜胆
- 「おーほほほほ!(笑)」
- 琢磨呂
- 「ふがーーーーっ!」
- 素子
- 「いいいいーーかげんにぃぃぃぃせんかぁぁぁぁっ!!(怒)」
素子、中にいた『客』たちをひとまとめにし、問答無用で放り出す(苦笑)
- 素子
- 「ったくもぉっ!」
- 観楠
- 「素子ちゃん……どうかした?」
- 素子
- 「あ、いえ、なんでも(汗)」
- 観楠
- 「そ。じゃ、あとやるから、あがってくれて……」
- 素子
- 「店長」
- 観楠
- 「はい?」
- 素子
- 「えっと、バイトのことなんですけど……」
- 観楠
- 「バイト? あぁそっか。素子ちゃん今度三年生だっけ。
なら、やっぱりまずいかぁ(苦笑)」
- 素子
- 「まずいって事もないと思うんですけど……」
- 観楠
- 「いやいや、やっぱり受験生だし大事な時期だしね。じゃ
あとりあえず……今からだと4月中旬ってコトになるかな」
- 素子
- 「そうです、ね」
- 観楠
- 「……寂しくなるなぁ」
- 素子
- 「……」
- 観楠
- 「こればっかりは仕方ないけど(苦笑) がんばってね」
- 素子
- 「……はい」
- 観楠
- 「応援してるから。そ、それと……(赤面) こ、こないだ
は、その……ごめんね」
- 素子
- 「え、あ……(赤っ)
- 観楠
- 「ホントにごめん!」
- 素子
- 「店長……」
- 観楠
- 「許してもらえないかもしれないけど、謝らせてほしい」
- 素子
- 「……」
- 観楠
- 「素子ちゃんにどう思われても仕方ないけど、あ、あのと
きの言葉はホントだから……な、なに言ってるんだろうな一体(赤面)」
- 素子
- 「……(赤面)」
- 観楠
- 「だ、だから!」
- 素子
- 「は、はいっ」
- 観楠
- 「へ?」
- 素子
- 「あ?(くすっ)」
観楠と素子、なんだかおかしくて思わず吹き出してしまう。
- 観楠
- 「……ホントは今すぐ返事聞きたいんだけど」
- 素子
- 「(私は……)」
- 観楠
- 「それは……卒業まで、待ってるヨ(照)」
- 素子
- 「店長……」
- 観楠
- 「こんなコト忘れてくれてもいいから……忘れた方がいい
かな? ん、この話はここまでだね。ごめんね、混乱……した?」
- 素子
- 「……店長って、結構狡いんですね」
- 観楠
- 「そ、そっかな(汗)」
- 素子
- 「私だって言いたいことたくさんあるんですけど……ちっ
ともしゃべらせてくれないし」
- 観楠
- 「あ、あぁ(汗)」
- 素子
- 「……先に着替えます」
- 観楠
- 「……うん(汗)」
- 観楠
- 「……やっぱり、嫌われたかなぁ……あぁっ、ちくしょー!
気まずいなぁ……(悩)」
- 源滋
- 「……アレから1ヶ月、噂自体は順調な広がりを見せてい
るのであのテーブルの効力は薄れていない筈……」
- 観楠
- 「うわぁっ!?」
- 源滋
- 「唯一問題があるとすれば噂は2月14日と3月14日しか効
果が無いと伝えている点……」
- 観楠
- 「む……紫さんっ!?」
- 源滋
- 「即ち今日中に事を済ませないと恩恵は受けれない事に……」
- 観楠
- 「ちょ、ちょっと?」
- 源滋
- 「2月に例のテーブルで何を話していたのかは知りません
が、今日を外せば困る事に……」
- 観楠
- 「もしもし、聞いてます?」
- 源滋
- 「おぉ、もうこんな時間だ。早く帰って「木曜の怪談」を
見なければ……」
- 観楠
- 「……行ってしまった……」
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