(夜、観楠のマンションにて)
夕飯が終われば寝るまでTVというのが湊川家の日常。
当然のことながら、チャンネル権は「娘最優先(笑)」である、が。
いまは、唯一観楠の自由になる番組改変期だったりする(苦笑)。
- 観楠
- 「ふぅ、ん……5歳でコンテストねぇ。やる方がやる方な
ら、親も親だな。なんだこの子、全然子供っぽくないじゃないか。……可愛げがないんだ、うん(納得)
確かに顔は可愛いけどそれだけだよな……まだこっちの笑ってる子の方がましだ。でも、まぁ……」
観楠、横に座っている娘に目をやる。
- 観楠
- 「やっぱ、うちの子が一番可愛いな☆」
……親ばかも、ここまでくれば「ほんもの」である(汗)
- かなみ
- 「父様」
- 観楠
- 「ん〜〜?」
- かなみ
- 「あのね」
- 観楠
- 「ん」
- かなみ
- 「かなみもあんなおようふく着たい」
- 観楠
- 「……TVの子が着てたやつ?」
- かなみ
- 「きらきらの白いドレス、お姫様みたいなのっ」
- ミか
- 「かなみちゃん、お姫様になるの?」
- かなみ
- 「うんっ!(にこっ)」
- ミか
- 「いいんだぁ……パパ、あたしもなりたい!」
- 観楠
- 「……思うに。ドレスなんか着なくたって、2人とも十分
可愛いんだけど?(笑)」
- かなみ
- 「ドレスがいいのっ! 白いのっ!」
- ミか
- 「えーと、青いのか黒いのがいいな。ビィちゃんにみせた
げるの」
- かなみ
- 「かなみは、えと、えーと……のぞむちゃん!」
- 観楠
- 「(ぴく)」
- かなみ
- 「あと、めぐみちゃん達と、素子ねえ様とりんねえ様と琢
磨呂ちゃんとさぶちゃん達みんな!(笑顔っ)」
- 観楠
- 「〜〜〜〜(苦い顔)」
親の心子知らず。
まだ見ぬ「白いドレスのお姫様」で、2人とも異様に盛り上がる(苦笑)
が……。
- かなみ
- 「父様、かなみにドレス買ってね!(にこっ)」
- ミか
- 「ミかもっ!」
- 観楠
- 「……だめ」
- か&ミ
- 「?」
- 観楠
- 「買わないよ」
- か&ミ
- 「えぇぇぇぇーっ!!」
- かなみ
- 「どうしてっ?」
- 観楠
- 「……どーしても。買わないって言ったら買わないの」
- ミか
- 「ぶーっ」
- 観楠
- 「2人にドレスはまだ早いよ」
- かなみ
- 「はやくないもんっ!」
- 観楠
- 「かなみちゃんがもう少し大きくなったらネ」
- かなみ
- 「どれくらい?」
- 観楠
- 「そうだね。たとえば……お嫁さんに行くときとか……(目
の幅涙)」
- ミか
- 「パパ、なんで泣いてるの?」
- 観楠
- 「え?(汗) と、とにかく。大人になったらいくらでも着
せてあげるから……ね?」
- かなみ
- 「や! いま着たいのっ!」
- 観楠
- 「わがまま言うんじゃありません」
- かなみ
- 「父様のいじわるっ!」
- 観楠
- 「いじわるじゃないってば(苦笑)」
- ミか
- 「買ってくれたらイイコトしてあげるのにぃ」
- 観楠
- 「……シナを作ってもだめだって(汗)」
- ミか
- 「やんやん、パパのい・じ・わ・るぅ(観楠の頬に指をつ
つつ)」
- 観楠
- 「あのなぁ……いったい何処で覚えるんだそんなこと?(汗)」
- ミか
- 「大輔パパのとこっ!」
- 観楠
- 「あ、そぉ(呆) でもね。ミトン手でせまられても嬉しく
ないよ」
- ミか
- 「……ちぇっ」
- かなみ
- 「父様」
- 観楠
- 「?」
- かなみ
- 「かなみね、きれいになりたいの」
- 観楠
- 「かなみちゃんは十分奇麗で、そしてとっても可愛いよ(笑
顔) ……それにね」
- かなみ
- 「?」
- 観楠
- 「実はもう買ってあるんだ、かなみちゃんのお洋服」
- かなみ
- 「ドレス?」
- 観楠
- 「じゃ、ないけどね(笑) ほら、かなみちゃんもうすぐ小
学校だし」
- かなみ
- 「どんなのっ!?」
- 観楠
- 「それは、まだまだお楽しみ、じゃ……」
- か&ミ
- 「みせてみせてっ!!」
- 観楠
- 「だめか(苦笑) よし、ちょっと待っててね」
娘のためにと買っておいたものを取り出し……しばらく後。
観楠は人生最高の(?)祝福を受けることになる。
……やれやれ(溜息)
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