エピソード177『かなみちゃんはお年頃』


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エピソード177『かなみちゃんはお年頃』

(夜、観楠のマンションにて)
 夕飯が終われば寝るまでTVというのが湊川家の日常。
 当然のことながら、チャンネル権は「娘最優先(笑)」である、が。
 いまは、唯一観楠の自由になる番組改変期だったりする(苦笑)。

観楠
「ふぅ、ん……5歳でコンテストねぇ。やる方がやる方な ら、親も親だな。なんだこの子、全然子供っぽくないじゃないか。……可愛げがないんだ、うん(納得)
確かに顔は可愛いけどそれだけだよな……まだこっちの笑ってる子の方がましだ。でも、まぁ……」

観楠、横に座っている娘に目をやる。

観楠
「やっぱ、うちの子が一番可愛いな☆」

……親ばかも、ここまでくれば「ほんもの」である(汗)

かなみ
「父様」
観楠
「ん〜〜?」
かなみ
「あのね」
観楠
「ん」
かなみ
「かなみもあんなおようふく着たい」
観楠
「……TVの子が着てたやつ?」
かなみ
「きらきらの白いドレス、お姫様みたいなのっ」
ミか
「かなみちゃん、お姫様になるの?」
かなみ
「うんっ!(にこっ)」
ミか
「いいんだぁ……パパ、あたしもなりたい!」
観楠
「……思うに。ドレスなんか着なくたって、2人とも十分 可愛いんだけど?(笑)」
かなみ
「ドレスがいいのっ! 白いのっ!」
ミか
「えーと、青いのか黒いのがいいな。ビィちゃんにみせた げるの」
かなみ
「かなみは、えと、えーと……のぞむちゃん!」
観楠
「(ぴく)」
かなみ
「あと、めぐみちゃん達と、素子ねえ様とりんねえ様と琢 磨呂ちゃんとさぶちゃん達みんな!(笑顔っ)」
観楠
「〜〜〜〜(苦い顔)」

親の心子知らず。
 まだ見ぬ「白いドレスのお姫様」で、2人とも異様に盛り上がる(苦笑)
 が……。

かなみ
「父様、かなみにドレス買ってね!(にこっ)」
ミか
「ミかもっ!」
観楠
「……だめ」
か&ミ
「?」
観楠
「買わないよ」
か&ミ
「えぇぇぇぇーっ!!」
かなみ
「どうしてっ?」
観楠
「……どーしても。買わないって言ったら買わないの」
ミか
「ぶーっ」
観楠
「2人にドレスはまだ早いよ」
かなみ
「はやくないもんっ!」
観楠
「かなみちゃんがもう少し大きくなったらネ」
かなみ
「どれくらい?」
観楠
「そうだね。たとえば……お嫁さんに行くときとか……(目 の幅涙)」
ミか
「パパ、なんで泣いてるの?」
観楠
「え?(汗) と、とにかく。大人になったらいくらでも着 せてあげるから……ね?」
かなみ
「や! いま着たいのっ!」
観楠
「わがまま言うんじゃありません」
かなみ
「父様のいじわるっ!」
観楠
「いじわるじゃないってば(苦笑)」
ミか
「買ってくれたらイイコトしてあげるのにぃ」
観楠
「……シナを作ってもだめだって(汗)」
ミか
「やんやん、パパのい・じ・わ・るぅ(観楠の頬に指をつ つつ)」
観楠
「あのなぁ……いったい何処で覚えるんだそんなこと?(汗)」
ミか
「大輔パパのとこっ!」
観楠
「あ、そぉ(呆) でもね。ミトン手でせまられても嬉しく ないよ」
ミか
「……ちぇっ」
かなみ
「父様」
観楠
「?」
かなみ
「かなみね、きれいになりたいの」
観楠
「かなみちゃんは十分奇麗で、そしてとっても可愛いよ(笑 顔) ……それにね」
かなみ
「?」
観楠
「実はもう買ってあるんだ、かなみちゃんのお洋服」
かなみ
「ドレス?」
観楠
「じゃ、ないけどね(笑) ほら、かなみちゃんもうすぐ小 学校だし」
かなみ
「どんなのっ!?」
観楠
「それは、まだまだお楽しみ、じゃ……」
か&ミ
「みせてみせてっ!!」
観楠
「だめか(苦笑) よし、ちょっと待っててね」

娘のためにと買っておいたものを取り出し……しばらく後。
 観楠は人生最高の(?)祝福を受けることになる。
 ……やれやれ(溜息)



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