エピソード178『入学式』


目次


エピソード178『入学式』

登場人物

湊川観楠(みなとがわかなみ)
24歳独身子持ち。かなみの父親(笑)
湊川かなみ(みなとがわかなみ)
観楠の愛娘☆ ぴかぴかの1年生。
湊川ミか(みなとがわみか)
かなみのSD人形にして妹。
伊川望(いかわのぞむ)
自称かなみの婚約者(汗) 新一年生。

湊川邱にて

4月5日朝。
 天気は晴れ、午前6時の気温は14度と、ちっと寒いが……。

かなみ
「……ん……あさっ!(がばっ)」
ミか
「zzzzzzzz……」
かなみ
「ミか、ミかっ! あさなの、起きるのっ!」
ミか
「ふわぁ……かなみちゃん、おはヨ(欠伸)」
かなみ
「おはよっ! あのね、今日は学校にいくのっ!」
ミか
「がっこう……まだ7時前なのに……(欠伸)」
かなみ
「父様と一緒にいくから、ミかおるすばんね」
ミか
「ん、いってらっしゃ……ふぁぁぁぁ(くぅ)」
かなみ
「ミか、ねちゃだめっ!」
ミか
「んー、あと5分……(zzzz)」
かなみ
「ミかったら、もぉっ(ぶーっ)」
観楠
「かなみちゃん?」
かなみ
「父様、おはよっ!(にこっ)」
観楠
「随分早いヒ(苦笑) まだ寝ててもいいんだよ?」
かなみ
「あのね。今日、かなみと学校いってくれる?」
観楠
「入学式だもんね、もちろん(笑) 今、ご飯作ってるから 先に顔洗っておいで」
かなみ
「はーい!(とててっ)」
観楠
「ふぁ〜〜ぁ(大欠伸) トーストと、サラダとコーヒー…… 卵がないな。目玉焼き目玉焼き……ハムエッグでいこう」

湊川家の朝は大抵パン食だが、これについて特に理由はない。

かなみ
「ごちそうさまっ!」
観楠
「はい(笑) あれ、ミかは?」
かなみ
「あと5分って言って、また寝ちゃったの」
観楠
「ふうん。7時55分か」

TVでは観楠が最近はまっている(笑) 女性アナがその独特の声で情報を伝えている。

観楠
「出かける準備、しないとなぁ……ミかも起こさないと」
かなみ
「父様、学校ってどんなところ?」
観楠
「んっと……そうだね。先生がいて、お友達がたくさんい てね。みんなでお勉強したり、遊んだり……いろんなことするんだよ」
かなみ
「ようちえんも、みどり先生とおともだちいたの」
観楠
「幼稚園よりも、もっともっとたくさんの人がいるよ(笑) それと、素子ちゃんや三彦君達とも会えるかもしれないね」
かなみ
「素子ねえ様もいるの?」
観楠
「学校は同じだから、ひょっとしたらだよ」
かなみ
「ふぅーん(←よく分からないけど何か期待している)」
観楠
「さ。かなみちゃん、着替えて出かける準備しよ」
かなみ
「うん!」

着替えを始めた「娘」をみながら……早いもんだな、と何気なく考えを巡らせる。突然あらわれた女の子に父親呼ばわりされたあの日から一年。
 すっかり「父親役」が馴染んでしまったようで……いまは慣れないネクタイを締め、着るまいと思っていた背広なんぞを着ている。
 さぁて、そろそろ行こうか。

かなみ
「父様、まだぁ?」
観楠
「ち、ちょっと待ってね(汗)  髪の毛が上手く行かない な……」
ミか
「……んー(ぼぉっ)」
かなみ
「あー! ミか、今起きたの? もういっちゃうからねっ」
ミか
「ん……」

ぴぃぃぃんぽぉぉん

「かなみぃ、学校いこーぜっ!」
かなみ
「望ちゃんおはよっ!(笑顔っ) 父様、望ちゃんがきたのっ」
観楠
「はいはい、お待たせ(汗) さぁ、行こうかぁ(笑)」

学校にて

「いやいや、何回来ても入学式っていいなぁ(^^)」
影跳
「姉ちゃん、何回目?」
「さぁ、でも小学校が始まってからすぐに入った訳じゃな いからあんたが思ってるほど多くないよ」
影跳
「そうなの? あ、あそこにいるの、かなみちゃんと望君 じゃないかな?」
「あ、ホントだ。
おーい、かなちゃ〜〜〜〜〜ん、望ちゃ〜〜〜〜〜ん」
観楠
「かなみちゃん、お友達?」
かなみ
「うん、寧ちゃんていうの」
観楠
「ふぅーん、寧ちゃんよろしくね(^^)」
「うん(^^)」
「おい、かなみ、ねい、あっちの方に行ってみようぜ」
影跳
「姉ちゃん、変な事するなよ」
「わかってるよ〜〜」
影跳
「えーと、かなみちゃんのお父さん……」
観楠
「あ、スイマセン。湊川観楠です」
影跳
「観楠?」
観楠
「まぁ、色々ありまして」
影跳
(ロシアみたいな物かなぁ?) 「そうですか。不破影跳です」
観楠
「影跳君、そろそろ僕たちも会場の方に行きませんか?」
影跳
「そうしましょう」

1996年4月5日。
 湊川かなみ(6)・伊川望(6)両名。
 吹利学校初等部に入学。

入学式終了後……

かなみ
「父様! きれい!」
観楠
「うん。きれいな桜だね」
かなみ
「さくらさんこんにちは!(ぺこ)」
観楠
「(にこにこ)さあ、かなみちゃん写真とろうか。桜の前に 立って……」
かなみ
「父様も一緒に写るの!!」
観楠
「……それじゃ写せないよ……」
かなみ
「やっ!」
観楠
「やっ、って……。(笑)あっ、すいませ〜ん! 写真撮っ て貰えますか?」
通行人A
「いいですよ……。じゃ、撮りますよー。1足す1は……」
かなみ
「えっと、えっと」
観楠
「かなみちゃん、指折りしないで……(半泣)」
かなみ
「2!! 2!!」
カメラ
「パシャッ!」
観楠
「どうもありがとうございました」
かなみ
「ありがとうございました!(ぺこ)」

かくして、「かなみちゃんの記録」(湊川 観楠編集)に「入学式」という題で満開の桜をバックにカメラに向かって必死にピースしているかなみちゃんとちょっと気弱げに笑ってる観楠の姿が綴じられたのであった。



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