エピソード190『緑ちゃんの水着写真!?』


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エピソード190『緑ちゃんの水着写真!?』

吹利学院高校の片隅で、怪しげな人だかりが……。

「?」
琢磨呂
「ケン、どーした?」
「いや、あそこ。なにやってんのかなって」
琢磨呂
「体育館の隅か……また、ヘンなところに人だかってるな。 こーいうときは(笑)」
「行ってなにかを確かめる!(笑)」
顕&琢磨呂
「おぉ、ぐっどびじねす!」
男子生徒達
「(どよどよどよ)」
写真部員
「さぁ、買った買った! 吹利学校高等部の選り抜き美少 女の生写真! 枚数ないからね、早いものがちだよ!」
男子生徒1
「こ、これは……(ごくっ)」
男子生徒2
「なんて萌え萌えっ!」
男子生徒3
「売ってくれ! 俺はその一番上のがほしいんだっ!」
男子生徒4
「それはおれがめをつけてたんだ! 俺が買う! 倍払う!」
琢磨呂
「よっと。何か売ってんのか」
写真部員
「げ! 岩沙っ……(汗)」
琢磨呂
「……げ! ってのはなんだよ?」
「写真? おい、これ……素子だ」
琢磨呂
「んぁ? ちょっと見せてみろ……こっちは由加梨ちゃん か。その他にも……こ、この緑ちゃんわ……も、萌えるっ!」
「……シンならわかるが、お前が萌えてどーする(汗)」
琢磨呂
「おっと(汗) おい、お前!」
写真部員
「な、なんだよ……(汗)」
琢磨呂
「これ全部吹利学校の生徒だな?」
写真部員
「あ、あぁ(汗) 新学年だし、行って撮ってきたんだよ」
琢磨呂
「何故、俺を誘わん! 南極条約違反だぞ!(ぐっ)」
「……違うだろーが」
琢磨呂
「はっ!(汗)」
写真部員
「べ、別に悪いことしてねーぞ……(汗)」
琢磨呂
「いーや、立派な悪事だ。俺の知り合いを盗撮しようなん ざ、10年早ぇ。しかもそれを売り捌いて私腹を肥やそうたぁ、写真家の風上にもおけん、不埒な奴」
写真部員
「じ、需要があるから供給がなりたつ……」
琢磨呂
「がたがたぬかすなぁ!(がーっ)」
「ぼこぼこにされたくなきゃぁ、ネガとプリント全部渡す んだな」
男子生徒6
「横暴だ!」
男子生徒7
「帰れ帰れ!」
琢磨呂
「やっかましぃ!(壁にパンチ)」
「言うこと聞いた方が身のためだと思うが?」
 写真部員
「わ、わかったよ……」
琢磨呂
「さぁ、馬鹿はおわりだ! 散った散った! 

生徒達、ぞろぞろと散っていく。

「これ全部処理して、と……なにしてる?」
琢磨呂
「いや、ちっとな」
「なににやけながら写真選別してんだ……素子と緑ちゃん だけ」
琢磨呂
「決まってんだろ。 てんちょーとシンに売りつけるんだ よ(笑)」
「……お前って奴は……(汗)」

後日談

琢磨呂
「いーや、立派な悪事だ。俺の知り合いを盗撮しようなん ざ、10年早ぇ。しかもそれを売り捌いて私腹を肥やそうたぁ、写真家の風上にもおけん、不埒な奴」
竜胆
「こんなこと言ってたんですってぇ? 友達から聞いたわ よっ。 よォーく言ったわねぇーっ(むきーっ)」
 エピソード『突撃っ! らぶはーと』参照。以前琢磨呂は 竜胆の艶姿を盗撮しにマンションに忍び込んだ経歴を持つ。
琢磨呂
「フッ……(煙草をふかす真似)」
竜胆
「なによ、なんか言い訳でもするき?」
琢磨呂
「奴等が撮ったのは、不埒な盗撮写真だ。私が撮ったのは、 紛れもない芸術作品だ……そこが大きな違いだ」
竜胆
「人の柔肌を、おのれは勝手に芸術作品だって?」
琢磨呂
「……被写体が美しくなきゃ、芸術なんか語れねーぜ?」
竜胆
「えっ……(--;)」
琢磨呂
「ま、おれが美しいと思うかそうでないかと言う、曖昧な 芸術基準ではあるがな、断固として、俺はあれを芸術写真と呼び、奴等のとった写真を不埒な盗撮写真と呼ぶ」
竜胆
「う……」
竜胆
「……とにかく、そのモコちゃんの写真は、あたしが一 時預かることにするわ!」
琢磨呂
「……? 緑ちゃんのと、由加梨のはいいのかい、姐さん?」
竜胆
「あーっと……ついでにそっちも!(汗)」
琢磨呂
「なぁ……姐さんが素子の写真を“欲しい”ってんなら、 これは立派な“取引き”になって然るべきだと思うぜ?」
竜胆
「うっ!(汗)……そ……それは……」
琢磨呂
「(いまだっ!)」

琢磨呂、とつぜん非致死制手榴弾(催涙系の煙を吐く。むっちゃくちゃ細かいコショウを一瓶地面に叩きつけたような効果がある)を地面に叩きつける

SE
ズパン(もくもく)
竜胆
「ぐ……っ……けほっ、けほっ……」
琢磨呂
「(遠い声で)わはははは! さらばだ明智君、また会おう」

琢磨呂、煙にまかれて姿を消す。

竜胆
「げほっ……くっそォ〜うまいこと逃げられちゃった…… でもねっ、ま、お世辞にしろあーゆー台詞(被写体が美しくなきゃ)を言われるってのは、きゅーきょくの美少女転生戦士竜胆ちゃんとしては、わるいきはしないわよねっ☆
……でも……モコちゃんの写真欲しかったよぉ〜(T_T)」

30m離れた物陰から聴音マイクを操作する琢磨呂……。

琢磨呂
(何と単純な奴だ……)



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