エピソード230『コネコネはいやぁ』


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エピソード230『コネコネはいやぁ』

ベーカリー楠にて

「観楠さん、あのね、パンの作り方教えて欲しいの」
観楠
「いいですよ。でもどうしたの?」
「影跳に食べさせてあげようかと思って(^^)」
観楠
「へぇ優しいところもあるんだね」
「どういう意味ですか? それは」
観楠
(汗)
「素子ちゃんに『観楠おじちゃんに苛められちゃったー』 とか『かなみちゃんの代わりに変な事されちゃったー』って泣きついてやるぅ」
観楠
「それだけは勘弁(目の幅涙)」
「冗談ですよ(^^)影跳に作ってあげる理由は、あんまり苛 めるのも何だから、何か優しいことをして何かあるなと悩んでる所を見る為ですよ(^^)」
 観楠
「はぁー別にいいですけどね(影跳君可哀想に)。
とりあえず材料はこれとこれとこれですね。そして水を足してこねるんですが、こねた奴がここに」
 と言って塊を取り出す
「をぉう、まるで三分クッキング(笑)」
観楠
「餅つき機なんかが在ると楽ですが無ければ手でこねて下 さい。そして発酵させます。発酵させている間にお茶でも入れますね」
「ありがとう」

しばらく雑談をする

観楠
「パンの味付けが塩だって事を知らない人が結構居るんで すよ」
「へぇ、そうなんだ。私は昔、何かで聞いたことがあるよ うな気がするけど」
観楠
「そういや寧ちゃんって……」
「それ以上は言わない方が身のためですわよ(鬼のような 笑い)」
観楠
(滝のような汗)
「あっ、もうそろそろいいんじゃありませんか? パン」
観楠
「そ、そうですね(汗)」

再び厨房に。

観楠
「そしてこれを小さく丸めて型に何個かづつ入れていくん です。まな板か何かでやると楽ですよ。後はこれをもう一回発酵させて焼くだけです(^^)」
「ありがとう。家で作ってみるね(^^)」

家にて

「影跳ぉ、餅つき機知らない?」
影跳
「ハァー、姉ちゃん、姉ちゃんが俺が買ってきた餅つき機 を『もちはちゃんとつかないと駄目なのっ』とか言って壊したんじゃないか」
「そ、そんな事もあったっけ(^_^;」
影跳
「で、何の悪戯に使う気だったの?」
(ギロッ)
影跳
「て、天気が良いね(遠い目)」
「(ボカ) パンを作ろうと思ったのよ。というわけでしば らく台所に入らないように(^^)」

台所

「これとこれを混ぜて、後はこねるんだけね。んしょんしょ。 これはなかなかしんどいなぁ。影跳、影跳」
影跳
「何? 姉ちゃん」
「これからあなたは餅つき機よ」
影跳
「ハァ?」
「餅つき機よ、さぁあれをこねるのよ」
影跳
「コネコネはいやぁ」
「つべこべ言わずにさっさとやる」
影跳
「しくしく」

しばらくして。

影跳
「こんなもんでいいんじゃないの?」
「そうね、そんなもんで良いわ」
影跳
「感覚がないと錯覚するほど手がだるい(;_;)」
「(聞く耳を持たずに) 後は私がやるから影跳はでていっ て」

またまたしばらくして

「影跳できたよー(^^)」
影跳
「おお、ちゃんと食パンに見える」
「どういう意味よ、それは……。まぁいいわ、今日は機嫌 が良いから許してあげる」
影跳
「明日は雪か」
「(ボカ) 調子に乗るんじゃない」
影跳
「ごめんなさひ」
「そんなことより早く食べてみてよ。影跳のためにわざわ ざ作ったんだから(^^)」
影跳
「えっ俺のため?(毒でも入ってるんじゃないか?(^_^;)」
にこにこ(^^)
影跳
(何か期待した目でこっち見てるし(;_;))



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