ぴりりりり。ぴりりりり。(PHSの呼び出し音)
- 竜胆
- 「はい?」
- めぐみ
- 「よっ。元気?」
- 竜胆
- 「うん、元気よ」
- めぐみ
- 「昼から休講でぇ、暇だから遊びにいくね」
- 竜胆
- 「いいけど……あんまりかまってあげられないよ」
- めぐみ
- 「なんで? バイトないんでしょ?」
- 竜胆
- 「くればわかるよ」
めぐみが竜胆のマンションにやってくる。
竜胆はマンションの前でバイクをいじっていた。
めぐみはそれに気づかない(笑)
しばらくして、めぐみがマンションから出てくる。
ちょっと怒ってる(笑)
- めぐみ
- 「もー! 行くって言ってるのに、なんでいないのよ」
- 竜胆
- 「めぐみ?」
- めぐみ
- 「あーっ! いたんなら声かけてよ! 部屋まで行っちゃっ
たじゃない」
- 竜胆
- 「ごめんごめん。ちょっと没頭してたから」
- めぐみ
- 「……なにやってんの?」
- 竜胆
- 「プラグ換えてるの」
- めぐみ
- 「そ、そんなにばらばらにして、大丈夫なの? バイク」
- 竜胆
- 「ばらばらって……(笑) タンクとサイドカバー外してる
だけじゃない(笑)」
- めぐみ
- 「はーっ。ほーっ。で、プラグって何?」
- 竜胆
- 「これ。ここに刺さってる白いやつ」
- めぐみ
- 「……で、それを換えるとなんかいいことでもあんの?」
- 竜胆
- 「エンジンが……ちゃんとかかるよーになるの……よっと」
- めぐみ
- 「あんた、真っ黒じゃない。手も顔も」
- 竜胆
- 「そりゃ黒くもなるわよ。油とか埃とかいっぱいついてる
んだから」
- めぐみ
- 「うっわ〜……バイクって大変なのね〜……触んなよ」
- 竜胆
- 「うりうり☆」
- めぐみ
- 「やめろって!」
- めぐみ
- 「でも……こーいうのって、バイク屋さんに任せた方がい
いんじゃない? そんな、真っ黒になってまで」
- 竜胆
- 「ん……自分でやらないとね……大切なバイクなんだし」
- めぐみ
- 「その割には路上に停めてるくせに」
- 竜胆
- 「……むか」
- めぐみ
- 「まったく、女の子が休みの日にすることじゃないと思う
な」
- 竜胆
- 「好きなんだからしょーがないでしょ……っと、 終わっ
たぁ。あとはちゃんとかかるかチェックチェック☆」
- めぐみ
- 「……かからないね」
- 竜胆
- 「……バッテリーがあがってる……ええーい! 押しが
けっ」
- めぐみ
- 「押しかけ?」
- 竜胆
- 「そりゃちょっと苦しいよ……うりゃあああああああああ
あ」
バイクを押して走りだす竜胆。
しかしエンジンはうんともすんとも……(^^;)
- 竜胆
- 「ぜーっ、ぜーっ(汗)」
- めぐみ
- 「かかんないの?」
- 竜胆
- 「見りゃわかるでしょ〜(汗)」
- めぐみ
- 「……真っ黒になって汗かいて、エンジンはかからなくて。
それでも楽しい?」
- 竜胆
- 「うん。直った時はうれしいし、直るのを楽しみに待つの
も楽しい」
- めぐみ
- 「そーだろーね……ほら、早く風呂入れ、今入れ、すぐ入
れ」
- 竜胆
- 「はいはい」
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