カランカラン。
- 大輔
- 「どーも、まいどです」
- 観楠
- 「ああ、出雲さん。いらっしゃいまし」
- 大輔
- 「なんか久し振りですねぇ(笑)」
- 観楠
- 「そういえばそうですね(笑)」
- 大輔
- 「生活のサイクルが変化してきてるんで、顔を出せなくなっ
て……と、言い訳しとこ(笑)」
- 観楠
- 「やはり仕事ですか?」
- 大輔
- 「まぁ、仕事に関してもいろいろで、他にも幾つか……あ、
えーと、レモンティーもらえます?」
- 観楠
- 「はいはい……」
- 大輔
- 「(テーブルにつきながら) ふぅ、よっこらしょっと」
- 観楠
- 「あれ、今日はパンはいりません?」
- 大輔
- 「……今、食べられないんです(苦笑)」
- 観楠
- 「?」
- 大輔
- 「さっき歯医者に行ってきて、口のなかに麻酔を打って来
たとこでして……(苦笑)」
- 観楠
- 「え、歯を抜いたんですか?」
- 大輔
- 「いえ、虫歯を詰めてもらうために少し削りまして、そん
時に……」
- 観楠
- 「へぇ……」
- 大輔
- 「だから舌のこちら側とかは、痺れたように感覚がなくなっ
てます」
- 観楠
- 「それで顔を歪めているのか(笑)」
- 大輔
- 「怖い顔になってるでしょ(笑)」
- 観楠
- 「でも、それだと紅茶の味も分からないんじゃ……?」
- 大輔
- 「口のなかが半分死んでいるようなものですから、味わう
ことは無理でしょうねぇ(苦笑)」
- 観楠
- 「じゃあ味が分からない分だけ、勿体ないような気もしま
すけど……と言いつつ、注文どおり出してしまうのは商売人の性か(笑)」
- 大輔
- 「ああ、すんませんどうも。(ティーを啜りながら) でも、
とりあえず何か腹に入れておきたくなるんですよね、医者とかに行った後は(笑)」
- 観楠
- 「そうですか……?(笑)」
- 大輔
- 「そうなんです……とりあえず、この状態だと食べにくい
んで飲み物だけでも……うぅ、ゴホゴホッ(汗)」
- 観楠
- 「あ、大丈夫ですか?」
- 大輔
- 「しまったなぁ、お茶も飲みにくいのか(苦笑)」
- 観楠
- 「いつきれるんですか、その麻酔?」
- 大輔
- 「さぁ……しばらくはこのままじゃないかなぁ(苦笑)」
- 観楠
- 「紅茶が冷めますねぇ(苦笑)」
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