エピソード255『歯医者の帰りに』


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エピソード255『歯医者の帰りに』

カランカラン。

大輔
「どーも、まいどです」
観楠
「ああ、出雲さん。いらっしゃいまし」
大輔
「なんか久し振りですねぇ(笑)」
観楠
「そういえばそうですね(笑)」
大輔
「生活のサイクルが変化してきてるんで、顔を出せなくなっ て……と、言い訳しとこ(笑)」
観楠
「やはり仕事ですか?」
大輔
「まぁ、仕事に関してもいろいろで、他にも幾つか……あ、 えーと、レモンティーもらえます?」
観楠
「はいはい……」
大輔
「(テーブルにつきながら) ふぅ、よっこらしょっと」
観楠
「あれ、今日はパンはいりません?」
大輔
「……今、食べられないんです(苦笑)」
観楠
「?」
大輔
「さっき歯医者に行ってきて、口のなかに麻酔を打って来 たとこでして……(苦笑)」
観楠
「え、歯を抜いたんですか?」
大輔
「いえ、虫歯を詰めてもらうために少し削りまして、そん 時に……」
観楠
「へぇ……」
大輔
「だから舌のこちら側とかは、痺れたように感覚がなくなっ てます」
観楠
「それで顔を歪めているのか(笑)」
大輔
「怖い顔になってるでしょ(笑)」
観楠
「でも、それだと紅茶の味も分からないんじゃ……?」
大輔
「口のなかが半分死んでいるようなものですから、味わう ことは無理でしょうねぇ(苦笑)」
観楠
「じゃあ味が分からない分だけ、勿体ないような気もしま すけど……と言いつつ、注文どおり出してしまうのは商売人の性か(笑)」
大輔
「ああ、すんませんどうも。(ティーを啜りながら) でも、 とりあえず何か腹に入れておきたくなるんですよね、医者とかに行った後は(笑)」
観楠
「そうですか……?(笑)」
大輔
「そうなんです……とりあえず、この状態だと食べにくい んで飲み物だけでも……うぅ、ゴホゴホッ(汗)」
観楠
「あ、大丈夫ですか?」
大輔
「しまったなぁ、お茶も飲みにくいのか(苦笑)」
観楠
「いつきれるんですか、その麻酔?」
大輔
「さぁ……しばらくはこのままじゃないかなぁ(苦笑)」
観楠
「紅茶が冷めますねぇ(苦笑)」



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