エピソード259『めもり買いましょ』


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エピソード259『めもり買いましょ』

日本橋にて

花曇りの金曜日、竜胆とめぐみは日本橋にいた。

竜胆
「暑い〜」
めぐみ
「暑い〜」
竜胆
「さっさと用事済ましてかえろ」
めぐみ
「そうしよ」
竜胆
「すいませーん、メモリ欲しいんですけど〜」
店員
「はい。機種の方はなんでしょう?」
竜胆
「デスクパワーのH。16MBノンパリ70nsのやつ二本下さい」
店員
「……は、はい……えーっと……70nsのは売り切れちゃい ました。すいません」
竜胆
「じゃあ、60nsのでいいです」
店員
「はい。16800円が二つで、33600円に消費税3かけまして、 34608円になります」
竜胆
「めぐみは買わなくていいの?」
めぐみ
「え……目盛り? そーね……買ってもいいかな」
竜胆
「じゃあ行っとけ。売り切れても知らないよ」
めぐみ
「わかったわよ……すいませーん」
店員
「はーい」
めぐみ
「目盛り欲しいんですけど……えーっと、何だっけ?」
竜胆
「16MB」
めぐみ
「16MBの……何だっけ」
竜胆
「ノンパリ」
めぐみ
「ノンポリ……じゃなくて、ノンパリ……で?」
竜胆
「60ns」
めぐみ
「60nsのやつ、二本下さい」
店員
「はい。34608円になります」
めぐみ
「はい」
竜胆
「いやー買っちゃったね〜」
めぐみ
「こんなチョコレートみたいなのが35000円もするの〜?」
竜胆
「じゃ、紫擾くんに電話しなさい」
めぐみ
「なんでよ?」
竜胆
「あんたつけられないでしょ? あたしは自分ので手いっ ぱいだし」
めぐみ
「なるほどね……」
紫擾
「やあ、めぐみちゃん、何?」
めぐみ
「これをね……あたしのパソコンにつけてほしいの」
紫擾
「どれどれ……げ。メモリじゃないか〜」
めぐみ
「今日、豊秋と一緒に買ったの」
紫擾
「くっそ〜、あきりんめ〜、うらやましいじゃないか〜」
めぐみ
「早くつけてよ」
紫擾
「わかったよぅ」
紫擾
「あきりん、困るじゃないか」
竜胆
「何が?」
紫擾
「私より先にメモリ買ってぇ。うらやましくて、私も買っ ちゃったじゃないか。どうしてくれるんだ」
竜胆
「ま、いいんじゃない? 損するもんじゃないし」
紫擾
「それはそーだけど。メモリの付け方くらい教えてくれたっ ていいじゃないか。悪戦苦闘しちゃったぞ」
竜胆
「……するか? あれで?」
紫擾
「したよ。あきりんのは横置きだから作業も楽だろうけど、 私とめぐみちゃんのは縦置きだから、つけにくかったんだ」
竜胆
「そんなの知らないよ。ちゃんと雑誌みて研究しなかった 紫擾くんが悪いんだよ」
紫擾
「そーやって二人して私をいじめる。いいんだいいんだ〜」
竜胆
「……これに懲りたらちゃんと研究しないとね」

後日

時雨
「うぅむ、 ついにあきりんがメモリを増設してしまった か……」

ここは某所にある忍者屋敷、今日も時雨君は魔導書の研究に余念がない。

時雨
「しかも、めぐみまで買ってしまっている。たしかあいつ のはツイントップのショップモデルだったはず。ぺんた君133だろ……。うぅむ、私だけ取り残されている」

おもむろに、愛機さぁー君を立ち上げる時雨。

時雨
「別にあんまり不便を感じているわけではないのだが…… 悔しいぞ」

マウスをこちゃこちゃしている。

時雨の父
「時雨、電話だ、トヨ○の大山さんから」
時雨
「ほよぉ? なんですか」
時雨の父
「あのな、新車が車庫に入るかどうかの話しがあっただろ」
時雨
「そうでした、そうでした」
大山
「今晩は、時雨君、車乗ってる?」
時雨
「はい、はい、それなりには」
大山
「それでね、車のことなんだけど。今モデルがかわってねぇ、 本物がないんだよ、それでねぇ、実際に試してみることができそうもないんだ」
時雨
「げぇ、それはこまる」
大山
「私も困る」
時雨
「うぅーむ、いいでしょう。なんとか、ごり押しで進めま しょう」
大山
「そうしますか」
時雨
「はい、ところで話は違うんですがあの車、純正のリアウィ ングがついてますよね。あれ、TRDのやつに変えたいんですが……」
大山
「ちょっとまってね……」
時雨
「どうです? 納車してもらってからだとまた時間がかかっ ていやなんですが……」
大山
「うーん、どうだろうか。 オプションでいくつか有るけ ど……だいたい15万前後するよ」
時雨
「うぅ、ここでも金がかかるのか……」
大山
「まぁ、こんど新しいパンフレット持っていきますから」
時雨
「よろしくお願いします」

電話を置くとふと我に返る

時雨
「しまった,羽を買う金もいるのか……メモリどうしよう かなぁ」



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